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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

以前から 気になっていた 藤澤浮世絵館。

東海道五十三次の藤澤宿にまつわる浮世絵を中心に展示しています。

 

 

 

 

 

 

この間 ブロ友さんも紹介されているのを見て HPを覗いて見たら 丁度今 気になる企画展《浮世絵とみる 昔の暮らしの道具たち 生活・農耕・旅・お土産》を開催中。

 

 

 

 

 

思い立って 昨日 見に行ってきました。

浮世絵館は ビルの7階にあります。

エレベーターのドアが開くと ホールから 展示室の入り口まで 廊下の壁面に連なるパネルの数々は 浮世絵から切り取った名場面。

これを見るだけでも 見ごたえたっぷりです。 

 

 

 

 

喜多川歌麿 風流四季の遊 弥生の江の島詣 享和年間(1801年~04年)

 

 

 

 

3連並んでいるのは

 

 

 

歌川広重 富士三十六景 相模七里か浜 安政5年(1858年)

 

 

 

 

魚屋北渓 江の島記行 兒ヶ淵 天保年間(1830年~44年)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兒ヶ淵》は《稚児ヶ淵》の旧字体。

稚児ヶ淵は 江の島の西南端 岩屋の周辺に広がる隆起現象で生まれた海食台地。

屏風のように連なる断崖の真下にあり 打ち寄せては砕ける波と 富士山の向こうに沈む夕日の美しさ 磯釣りの名所として知られ 《かながわの景勝50選》にも選ばれているそうです。

稚児ヶ淵の名前は、かつて稚児の白菊がここから身を投げたことから付いのだとか・・・。

画像は 藤沢市観光HPから お借りしました。

 

 

 

歌川国貞(三代豊国)  東海道名所之内 七里ガ浜の風景 文久3年(1863年)

 

 

 

 

 

歌川広重 東海道 七 五十三次 藤沢 弘化4年~嘉永5年頃(1847~52)

 

 

 

 

歌川貞虎 鎌倉七里ケ浜ヨリ 江の嶌遠見ノ図 天保年間(1830年~44年)

 

 

 

 

歌川広重 六十余州名所図会 相模江之嶋岩屋ノ口 嘉永6年~安政3年(1853年~56年)

 

 

 

 

月岡芳年 今様けんし江之嶋兒ヶ淵 元治元年(1864年)

 

 

 


二代歌川国貞・二代歌川広重 東海道名所之内江之嶌 文久3年(1863年)

 

 

 

 

ここまでご紹介したのは まだまだエピローグ。

館内は フラッシュをたかなければ 全て写真撮影OKだったので たくさん写真を撮らせていただいたので 整理ができ次第 ご紹介しますが 一足先にご紹介したいものが・・・

 

展示室の中央で こんなものを見つけました。

 

 

 

歌川国貞の 東海道五十三次之 藤沢 小栗判官を使い 浮世絵の見方をわかりやすく解説していました。

 

 

 

 

 

何よりもグッドタイミングだったのは 絵の上部にある 黒色の細いぼかしラインの解説。

 

 

 

実は 今作り始めた大磯の虎女さんの浮世絵にも同じラインが描かれていたのですが このラインの意味を知らず タペストリーでは 1㎝幅のラインだったので 省略して省いてしまうつもりでいました。

 

 

 

 

ところが この黒いラインは《一文字ぼかし》と言って風景画で空や水の深みを表現するため 画面の上部や水平線に用いられる技法だったんです。

 

 

 

昨日帰宅してから 慌てて一文字ぼかしを付けたしました。

 

 

 

この他にも こんな豆知識が 紹介されていました

 

浮世絵の中で 最も技術を要するのは 頭髪を彫る《毛割》

 

 

 

 

浮世絵の左右には いくつかの判があります

 

この浮世絵には 左側に4つ

上の丸と楕円の判は 検閲の際に押される《改印》

上の丸い2つは 検閲を行った2人の《名主印》。

楕円の物は 嘉永五年三月の《年月印》。

 

 

 

 

下の赤いものは 豊国の《落款》


 

 

 

 

右側にも3つの印

 

 

 

色付きの上の2つは 彫師と摺師の落款

左が 頭彫の名手と言われた彫師 横川彫竹の《彫竹》 右が 摺師 大海屋久五郎の《摺大久》

 

 

そして下の四角の物は 伊勢屋兼吉の商標と名前がある版元印

 

 

 

 

基礎的な 浮世絵の知識ですが  ほとんど浮世絵について知識がないまま 作品作りを始めた私にとって とても勉強になる物でした。

 

 

今までも 他の市町村で図書館の中にあるコーナーや お寺にある資料館などで浮世絵を見ましたが 展示品は10点前後のさびしい所がほとんどでした。

藤沢浮世絵館も 市が母体となり 入場も無料のため 他のものと同じレベルだろうと 期待はせず出かけたのですが 中の展示を見てびっくり!!

展示数も多く 解説も丁寧 関連図書も充実し とても見ごたえのある浮世絵館でした。

辻堂駅から徒歩5分の場所にあるのですが ビルの7階にあるため あまり知られていないのか 通りすがりに来られる方は少なく 昨日も見学者は 私の他3人。

冷房が効いた 静かな美術館 ここは ゆっくりアートに触れるのには穴場的お勧めの場所です。

 

藤沢浮世絵館については 写真を整理しながら 何回かに分けて ご紹介したいと思います。