2つ目の御花衣桁 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

お雛様に添えられる雛道具の数々は 江戸時代に花嫁が 自分の輿入れ道具のすべてのミニチュア版を制作 雛人形と共に嫁入りの道具として持参していました。

お道具には 本物の輿入れ道具と同じように 本漆塗りの上に牡丹や唐草の金の蒔絵が描かれています。

(画像は 手持ちの佐野美術館図録 《花のお江戸の雛飾り》からお借りしました)

 

 

 

 

特に 牡丹の花びらの切れ込みが深く 《大》の字のように描かれている七澤屋の雛道具は精巧で美しい造りで知られています。

 

 

 

 

七澤屋の雛道具は 江戸時代後期に 上野池之端の七澤屋で作られていたお道具で 当時から《値は実に 世帯を持つより貴し》と言われていたように 家を買うより高い雛道具として知られ 裕福な商人たちが競って注文していたものです

今でも お雛様好きにとっては 永遠の憧れでありながら 庶民では手が届かない高価なもの。

名だたる旧家 美術館などで まれにお目にかかるようなお道具たちです。

 

以前 何でも鑑定団に出品された七澤屋の雛道具一式は 三棚や花衣桁 ギヤマンの器 櫓時計等 素晴らしいものが揃い 画面に釘付けでした。

鑑定額は¥800万・・・びっくり!!

 

 

 

そんな雛道具に憧れ 色々調べたり集めているうちに ひょんなことから日本屈指の雛道具研究家の川内由美子さんから 貴重な資料をいいただいたり 美術館での展示を見に行きました。

江戸時代の名家に残る雛道具 一般では見ることのできないお道具も多く 本当に見惚れます。

(画像は 手持ちの佐野美術館図録 《花のお江戸の雛飾り》からお借りしました)

 

三棚   右:黒棚

     中:厨子棚・・・武家の丁度の一つで 扉を付けた三段の置棚

             棚には十二手箱 沈箱(じんばこ)(香木の沈香を入れる箱)

             料紙箱 水引箱 香道具が並べられています

     左:書棚

 

 

 

煎茶道具

 

 

 

冠棚

 

 

 

() 打棒 台

  ※砧とは・・・洗濯した布を生乾きの状態で台にのせ 棒や槌でたたいて

         柔らかくしたり 皺をのばすための道具

 

 

 

伏籠(ふせご)・・・中で香を焚き 衣類を籠の上にかけ 香りを付ける道具で

         臥籠(ふせご) 薫物籠(たきものかご)ともいう

 

 

 

内部の構造や文字盤も精密に作られた櫓時計

 

 

 

 

 

私も少しずつ雛道具を集めていますが もちろん 高価なものは手に入れられず 壊れかけたものを手に入れ 修理をしたり・・・・

 

ジャンク品の箱付き化粧道具は かなり状態が悪かったのですが 修理をして お雛様イベントで 雛道具展示の中に並べることが出来ました。

 

 

 

 

 

 

   

 

そんな雛道具の中で 欲しかったものの一つが花衣桁

花衣桁は 生け花や盆栽 掛花などを飾る 花のための置台(棚)です。

普段 一般家庭では 見ることの無い家具ですが 旧家や華道展などで使われています。

中には 花以外にも 水差しなどの道具も一緒に飾られることがあります。

下の画像の左側にかけられている 箒ホウキか筆筆のようなものは 《払子(ほっす)》と呼ばれるもので 元々は 禅宗お坊さんで 煩悩を払う法具だったものが 蠅キンバエや蚊蚊を払う道具ハエ叩きとしても使われるようになり 花カーネーションと一緒に飾られる花衣桁道具の一つとなりました。

(画像はネットからお借りしました)

 

 

 

こちらがはネットからお借りした雛道具の花衣桁。

 

 

 

5年細前にようやく手に入れた花衣桁は 箱も道具もかなり傷んだもの

 

 

 

 

 

箱も修理し 御簾は糸をほどいて編み直し 細かい所も手入れして

 

 

 

本来は5つあるはずの花懸けは2つしかありませんが 何とか修理を終えました。

 

 

 

前置きが 長くなってしまいましたが ここからが本題。

もう少し状態が良い 花衣桁を欲しいと思っていた所 先日 ヤフオクに出品され 何とか落札。

縁飾りがついた木箱に入っているので おそらく 昭和半ば以前のものだと思います。


 

 

《東京 はい原製》のラベルがついていました。

調べても 情報は見つかりませんでしたが 《はい原》は多分雛道具のメーカーさんでしょうね

 

 

 

 

花を飾る瓶等の付属品は無い一段の棚だけの簡素なものですが 状態はまずまずでした。

 

 

 

 

 

 

これでまた一つ 宝物が増えました。

来年のお雛様シーズンには 作品展を兼ねた展示はしませんが また機会があれば もう1度雛道具の展示をしたいので それまでの間 またコツコツ雛道具を集めたいと思います。

 

お雛様愛がいっぱい マニアックオバサンの長いブログにお付き合いありがとうございました。