かまぼこ通りの家康公 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

小田原の街かど博物館 小西薬局を見た後 国道より1本海側の道 かまぼこ通りをお散歩です。

 

 

 

 

通りを入ってすぐの路地奥に 小さなお寺があるのを見つけました。

 

 

 

足柄第三十二番札所 不老山 無量寺です。

 

 

 

 

 

 

 

徳川家康公縁由之寺・・・?

 

 

 

無量寺のHP見てみると・・・

 

   無量寺は、天正元年(1573年)專蓮社成譽松上人がこの地に念佛精舎の寺

   を創建したのが始まりです。
   三代 善譽林貞和尚時代の天正18年(1590年)7月 小田原北篠氏落去後

   に徳川家康公が小田原城内外や市中を巡覧され何と縁起の良い名の寺!!

   と興味を持たれました。

   家康公は松平家が浄土宗であったことから その縁の深さに感銘し、林貞

   和尚を陣営に召き法話をさせたということです。

   その後 文禄3年(1594年)徳川家康公の命により 無量寺を本寺とした

   分寺(現浅草新堀町壽松院)が建立されました。

 

 

ふ~~ん そんなご縁があったのね。

 

 

参道を進むと 左右の紅白梅の奥に 趣のある本堂が見えますが まるで桜橘の奥に建つ紫宸殿の様な姿・・・。

 

 

 

 

白梅は既に散っていたけれど 紅梅はまだまだ見頃。

 

 

 

ハラハラ散った花びらは

 

 

 

手水鉢の水を彩ります。

 

 

 

              

 

 

本堂に入ると ご本尊の前に 「十念を唱えてお参りください」との札が貼られています。

ここは 浄土宗のお寺ですね。

実は 実家の菩提寺も浄土宗のお寺で 法事の時の読経中 参加者も一緒に「南無阿弥陀仏」を 10回唱える《十念》というお念仏があるんです。

 

 

山門横の石塔には 浄土宗の宗歌《月影》に因んだ宗紋《月影杏葉(つきかげぎょうよう)》が彫られていいたけれど

 

   宗歌《月影》(法然上人御作)

     つきかげの いたらぬ里は なかれども 

     ながむる人の 心にぞすむ

      (阿弥陀様のみ光は あらゆる場所と全ての人の心を

       照らしており 信仰する人を誰でも掬い取るという

       慈悲の心をうたったもの)

 

ネットからお借りした月影杏葉紋

 

 

 

本堂前の浄財箱には 《浮線蝶(ふせんちょう)》の紋。

これは 無量寺の寺紋でしょうかね。

 

 

 

本堂は 扉が開けられ 自由にお参りできたので ご本尊の阿弥陀如来様にお参りさせていただきました

 

 

 

 

お参りを済ませ 帰ろうとしたところに 中から世話人の女性が出ていらして 奥に徳川家康公夫婦像があるので 是非見ていってくださいと声をかけていただきました。

頂いてきた資料からお借りした家康公夫婦像です。

木像の束帯姿で 像高8寸(24cm)ほどのもので 天正18年(1590年)に家康が無量寺に滞在されたことに由来し 文化年間(1804~1818年)に 26世 秀耕が勧進したものだそうです。

 

 

このところ 家康ブームが起きていますが 無量寺も 家康像を見に来られる方たちが増えたそうですよ。

 

 

写真は控えさせていただいたのですが ご本尊の阿弥陀如来像の両脇に 額に入った木象嵌(もくぞうがん)の仁王像も一対置かれていました。

この仁王像は 寄木細工と並ぶ 小田原の伝統工芸の木象嵌師で 現代の名工と呼ばれた 内田定次さんが奉納されたものだそうです。

 

    内田定次 略歴
   1920年 秦野市生まれ
   1935年 木象嵌師 油田治雄氏に師事
   1948年 木象嵌師として独立
   1962年 小田原ロータリークラブ表彰受賞(伝統工芸技術保持者)
   1977年 小田原市第一回褒賞状受賞
   1984年 神奈川県知事賞受賞
   1988年 神奈川県卓越技能者表彰受賞
   1989年 通商産業省(現・経済産業省)生活産業局賞受賞(伝統的工芸功労者)
   1992年 労働大臣卓越技能者賞受賞(現代の名工)
   1995年 勳六等瑞宝章受賞
   2010年 没

 

 
 

 

そしてもう1つ 奥の家康公の像を見せていただく時に気付いたのは 木魚などと一緒に 阿弥陀様と並んで 立派なグランドピアノがあること(画像左端の部分)。

びっくりしてお話を伺うと 現在の住職は 音大卒業なんだそうですびっくり

 

 

 

帰宅後 無量寺の事を調べていてわかったのですが どうやら境内には 南北朝時代(1331~1392年)に作られた 像高3尺(約90cm)の十一面観音像が祀られた観音堂もあるようでした。

足柄第三十三番札所の石碑がありましたものね・・・・・

 

 

 

 

これは また次回参拝させていただいた時に ゆっくりお参りしてきます。

 

 

城下町小田原には 国道沿いや路地奥に たくさんのお寺や神社があります。

七福人巡りもできるそうなので 日を改めて 小田原散策に出かけたいと思います。