バージョンアップ ミニチュア版 秋の和菓子 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

9月とは思えない暑い日差しが差し込む今日の湘南地方ですが 夜になり涼しい風が吹き込んだり きれいなお月様を見ていると おいしいお茶やおまっちゃをいただきながら 和菓子が食べたくなります。

店頭に並ぶ和菓子を見ると ついつい目移りして選ぶのにいつも迷います。

 

今年も 風遊花展にミニチュア和菓子を並べたくて 仕上げました。

ミニチュア和菓子を作る時 いつも参考にするのは こちらの3冊の本。

四季の和菓子が解説付きで きれいな写真と一緒に掲載されています

 

 

 

 

 

さ~~て それでは作りましょうか~~

一気にご紹介するので ちょっと長いブログになります。

興味の無い方 ごめんなさい

 

 

中にキルト芯を挟んでふっくらさせた 抹茶色と餡子色の細長い布。

 

 

 

これを重ねてクルクル撒いていくと 餡巻ができました。

 

 

 

石膏粘土で球体を作り ウッドビーズを埋め込んで 

 

 

 

白い縮緬で包むと 豆大福

 

 

 

石膏粘土で作った小さな卵型では 薯蕷饅頭を作ります。

 

 

 

《薯蕷饅頭》の読めても書けそうもない難しい字《薯蕷》《じょうよ》と読み 山芋のこと。

薯蕷饅頭は 山芋や大和芋 つくね芋の根をすりおろし しん粉と砂糖を混ぜ 餡を包んで蒸したシンプルなお饅頭です。

お饅頭と言うと 庶民的な和菓子かと思われがちですが 昔は餡子や砂糖は貴重品で 庶民の口に入ることは稀なこと お饅頭はお殿様に献上する和菓子として使われました。

上に用いるお菓子として 上用右矢印薯蕷とかけて 薯蕷饅頭と呼ばれるようになりました。

 

 

薯蕷饅頭はシンプルな和菓子だけに 季節や用いる時により 様々なアレンジができる和菓子です。

(画像は 手持ちの和菓子の本からお借りしました)

よく知られているのが お正月やお祝い事に用いられるえくぼ饅頭

少し窪ませた中央に 赤い色を乗せて えくぼや微笑みを表現します。

 

 

 

ほのかな紅色を付けた部分に焼き印を押して 枝垂桜を表現した 紅しだれ

 

 

 

うっすらと青緑に色づけたお饅頭に 楓の焼印を押し 楓の若葉をっ表現した 初夏の青楓

 

 

 

中央に緑のくっさを描き 虫に見立てた黒胡麻を一粒添えると 秋の情感を奏でた 虫の音

 

 

 

さ~て 私はどんなお饅頭を作ろうか。

やっぱり今は お月見に合わせて 月うさぎ

 

 

 

藤色の錦紗の中央にキルト綿と厚紙を付け

 

 

 

周囲をぐし縫いし

 

 

 

5か所をつまんで縫い絞り 中央に黄色いビーズを付けます。

 

 

 

直径1.2㎝の丸を半分に折り 少量の綿を入れ 周囲を縫って

 

 

 

土台の中に入れ 先端を尖らせると 桔梗の練り切りになりました。

 

 

 

この和菓子のお細工物 今回は桔梗を作ったので つまんで縫い絞った中に 餡を入れましたが 餡を入れずに つまむ数を変えるだけでも 色々とアレンジできるんです。

(こちらの画像も 手持ちの本からお借りしています)

 

固めの求肥生地にヨモギを加えて 小倉餡を包み 黄色の練りきりを添えると 草の花

 

 

 

真っ白な求肥を7か所つまみ 中央に黄色を添えると 千代見草(ちよみぐさ)

千代見草は まさり草と並び 菊の別名だそうです。

呼び方を変えるだけで とても素敵になりますね。

これぞ 日本人の感性です。

 

 

 

私が作った菊の花は 黄色い菊の上に 綿を乗せた 着せ綿

 

 

 

菊の着せ綿は 9月8日の夜 植物染料で染めた真綿(蚕から作る絹の綿)を満開の菊花に乗せて就寝し 翌9日の早朝 朝露を含み 菊の香り委が残る真綿で体や顔を拭って 長寿を願う重陽の節句の行事です。

(画像はネットからお借りしました)

 

風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

 

 

こちらのシンプルな菊は 野菊 

 

 

 

プチプチとはじけた実を ビーズで作った 柘榴

 

 

 

練り切りの

 

 

 

餡子色の縮緬で作った球体に 金箔に見立てた 金の和紙を貼れば ちょっと豪華なおはぎになりました

 

 

 

餡子色の球体は もう1つ作ったので 別のものにもアレンジしよう!!

 

餡子色の縮緬で こよりを作り

 

 

 

長さ2mmにカットハサミ

 

 

 

黄色の錦紗も 丸めておきます。

 

 

 

これを餡子色の球体に貼り付けたら 栗鹿の子

 

 

 

実は 鹿の子を2つ作ろうと思って 餡子色の球体を2つ用意したのですが  米粒より小っちゃな栗のかけらや練り切り餡を貼り付ける根性が 1個作ったところで ぶちっと切れました。

なので 2個目は 金箔おはぎでごまかしました 代用しましたてへぺろ

 

 

カラフルの色の和菓子は 色づいた葉や木の実が美しい 秋の里山

 

 

 

2㎝角の餡子色の縮緬で キルト綿を包み 餡を作ります

 

 

 

1.5㎝×4㎝の縮緬

 

 

 

この縮緬の裏は 抹茶色の布を貼っておきます。

 

 

 

餡子を包むと 秋の道

 

 

 

横っちょから 裏の色が違うのがっ見えるかな・・・?

 

 

 

京都の老舗絵和菓子屋さんの初代が 秋の夜 絹を砧(きぬた)で打つ音を聴き その幽玄な趣に感じ入って作ったという銘菓 きぬたは上質な練羊羹を羽二重のように薄く延ばした求肥で巻いたもの。

 

 

 

そんなきぬたも再現してみました。

砧で絹を叩く音 聴いてみたいですね。

 

 

 

薄い求肥を折りたたんで作った銀杏

 

 

 

薄く綿を入れて ぐし縫いして絞った丸い布は

 

 

 

中心より少し下にずらした位置から 放射状に糸をかけ 先端を尖らせると 紅葉になりました

 

さて 今回これらの和菓子を盛り付けるのは 2種類の銘々皿

 

 

小っちゃな淡路結びも添えて お使いものやお返し物のお菓子に使えるようアレンジします。

 

 

小さい方の銘々皿には 11種類

 

 

 

 

古道具屋さんで買った 漆塗りの銘々皿には 14種類

 

 

 

 

賞味期限が無い 秋の和菓子 風遊花展で 楽しんでいただけますよ