虎御前に会ってきました | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

この間 大磯が舞台となった曽我物語の浮世絵絵はがきを買った後 行きたいと思っていた曽我物語にゆかりの地 延台寺に行って来ました。

 

延台寺は大磯駅から徒歩5分 国道1号線沿いにあるお寺で 仇討ちで知られる曾我兄弟の兄 十郎さんの恋人だった 大磯宿で踊りの名手だった遊女 虎御前(虎女)が 十郎さんの死後 尼僧となり 庵を結んだ場所です。

 

 

 

 

 

 

山門をくぐると 左側にあるのが 昭和58年に再建された本堂

 

 

 

境内には 数多くの史跡が残っています。

 

 

 

《虎御前祈願の龍神》

虎御前が十郎との恋の成就を祈願した龍神と伝えられています。

 

 

 

 

龍神の台座には 文化九年(1812年)四月正日の文字がありますが 虎御前は 安元元年(1175年)生まれで 53才~55才で亡くなったとされているので この竜神は後に作られた物かもしれませんね。

 

 

 

また この竜神は 元々 虎御前の実家 山下長者の敷地内にあった物を 虎御前が尼僧になってから 延台寺に移したと言われています。

こちらは 現在の平塚市山下に残る 山下長者屋敷跡です。

 

 

 

山下長者屋敷跡の隣にも 虎御前が籠もったという庵跡が残っています。

 

 

 

 

 

竜神の隣にある築山に使われているのは 磯にある穴だらけの石。  

 

 

 

 

 

 これは近くの照ヶ崎海岸から持ち運んだ石でしょうかね・・・。

延台寺近くの熊野神社の石垣にも 同じような石が使われています。

 

 

 

 

 

龍神の向かいには 虎池弁財天御神石と碑(江戸初期)

 

 

 

 

 

 

虎女供養塔

 

 

 

 

子授け祈願の石仏

子授けで有名な虎御前への祈願のために作られた石仏で 「為子宝採受 宝暦六年(1756年)十二月」の文字があり 日本では珍しい おなかが大きい石仏です。

 

 

 

境内の奥には 寺宝がが安置されている法虎庵曽我堂

現在のお堂は 元々あった200年前の建物を 平成16年(2004年)に建て直したもので 純木造 銅板葺入 母屋造 唐破風入の建物です。

 

 

 

 

お堂は 普段扉が閉められているので 見学を希望の方は 庫裏に声をかけると 住職が案内してくださいます(拝観料¥300)

 

堂内には 御霊石の虎御石の他  虎池弁財天像(平安時代) 曾我兄弟像(左側が兄 十郎 右側が弟 五郎)(江戸後期) 虎女剃髪之像(江戸後期) 曽我兄弟位牌等が安置されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本来は 毎年5月第4日曜日に開催される虎御石まつりの時以外は 写真を撮ったり 虎御石を触ったりできないそうですが 今回は特別に 入口から遠目ならと写真撮影の許可をしてくださり 「虎御石には 触れずに手をかざして 御利益をいただいて良いですよ」とのことで しっかりと御利益をいただいてきました。

 

 

 

この他に堂内には 絵はがきになっている物も含め 2代目歌川広重作や 歌川国芳作の曽我物語を題材とした16枚の浮世絵の写真(実物は 寺内の別の場所で保管)や版木が展示されています。

とても興味深く 図録が無いかと尋ねたのですが 現在はまだ作っていないので いつかは作りたいとのことで ちょっと残念!!

 

 

 

 

 

 

 

またこの他にも 曽我物語や虎御石を描いた浮世絵は 渋谷区にある太田美術館に多数所蔵されています。

 

 

参拝の祈念にお持ち帰りさせていただいたのは 開運の虎御石(¥400)

多分これも 近くの海からの拾ってきた授かり物ですねにひひ

 

 

 

境内で 人なつこい三毛猫ちゃんが出迎えてくれる 延台寺に 虎御前に会いに行ってみてくださいな。 

 

 

虎御前に思いを馳せながら 歩いて実家まで戻る道すがら コンビニの駐車場で こんなカートを見つけました。

東京~大阪までの徒歩の旅でしょうかはてなマーク

 

 

 

曾我兄弟や 虎女さん達も この旅人のように 実家近くの旧東海道を歩いていたのでしょうね。