森のひなまつり その2 御殿雛 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

南足柄の郷土資料館には 江戸から昭和までの段飾りのお雛様お雛様が多数展示されています。

中でも御殿雛の種類の豊富さには驚かされましたえっ

 

玄関前で出迎えてくれた 昭和30年代の3つの御殿雛。

この頃は 終戦後の混乱期を乗り越え 高度成長期の真っただ中 金色の金具で飾られた きらびやかな御殿飾りが大流行しました。

 

 

 

 

こちらは 大正後期の段飾りです。

 

 

 

右側の段飾りは関西出身の女の子のものです。

画像では 解りにくいですが 女雛ひなまつりは 天冠をかぶらず 釵子(さいし)をつけています。

天冠と釵子では つける時の髪型が違いますが 女雛ひなまつりが天冠をかぶるようになったのは 江戸の享保雛あたりからのようです。

 
天冠は 中央に鳳凰ホウオウモンや月月などを置き 周囲を金具やガラス玉ビーズビーズビーズなどで飾ります。
画像はネットからお借りしました。
 
 
 
 
釵子は 女性が正装の時に前髪につけた平たい簪(かんざし)で おすべらかしのように 前髪や上部がふっくら盛り上がった髪型の前の部分に差し込みます。
 
 
 
 

2つ御殿は 大正15年(1926年)に 初節句を迎えた女の子のもの。

昭和の御殿と違い 落ち着いた色合いの御殿に仕上げられています。

御殿は 京都御所の紫宸殿(ししんでん)や 平等院がモデルに作られています。

 

 

 

 

大正10年(1921年) 松本家旧蔵

 

 

 

大正14年(1925年) 加藤家旧蔵

 

 

 

 

昭和7年(1932年)  由井家旧蔵

 

 

 

昭和9年()1934年 野口家旧蔵

 

 

 

昭和10年(1935年) 石川家旧蔵

 

 

 

昭和15年(1940年) 鈴木家旧蔵

 

 

 

 

 

昭和26年(1951年)の御殿飾り

 

 

 

昭和30年代の御殿飾り

 

 

 

御殿飾りの中には 源氏枠飾りという形のものがあります。

これは 源氏物語絵巻大臣平安の中の屋内描写の中で 屋根や天井が無く 上から眺めた構図に由来した御殿飾りです。

源氏枠飾りは 上から光が射し込み 御殿の中がよく見えるという利点があります。

 

 

大正4年(1915年) 関西系源氏枠飾り

 

 

 

昭和17年(1942年)  杉山家旧蔵

 

 

 

一言で 御殿飾りと言っても 時代や地方によって 様々な作りのものがあり とても魅力的です。

これだけたくさんの御殿飾りが並ぶ 森のひなまつり 一見の価値がありますよパーニコニコ!!