「ナガミヒナゲシ」被れの騒ぎ方に思うコト… | 和み処 のぉ~んびりと…

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最近、ネット上で騒ぎすぎと思われる植物がある。

その植物名は「ナガミヒナゲシ」。 植物が有する毒性にご注意を…という趣旨のようである。

当地の新聞でも、投書を受けて1/4ページを使って写真付きで記事化していた。

それほどのニュース価値があるとでもいうのだろうか…

マスコミがこの騒ぎに便乗した浅学さに、少々オドロキ…です。

 

 

原産地は地中海沿岸一帯といわれる「ナガミヒナゲシ」(=長実ヒナゲシ)は、1961年に東京都で初めて発見され、以降次第に全国に広がっていったといわれているようです。

今では、開けた場所なら全国どこにでも見掛ける野生の花色がオレンジ色のケシですね。

 

どうもこの外来種のヒナゲシの毒性がネット社会で話題になっているようです。

 

察するに、この情報の最初の発信者は、この植物に疎い方のよう…

 

 

ナガミヒナゲシ

・別名:ひなげし 虞美人草 ポピー

*分類:ケシ科 ケシ属

*学名:Papaver dubium

*減算:地中海地方

*草丈:15~60cm

*花期:4~5月 花色はオレンジ

*特性:オニゲシに含まれるような麻薬成分は含まない。


183_Papaver_dubium,_Papaver_radicatum.jpg (482×820)

(Wikipedia より)

 

ポピーとも称されるケシ類は、ケシ類の切断面から分泌するアルカロイド性有毒物質を含む黄白色の汁を分泌する。

ケシは、その汁に触れると、「被れる人もいるよっ!」と、子供同士でも遊びの中で教え合ってきた植物のひとつ…
かぶれやすい植物は少なくなくて、タンポポイラクサイチジクセンダンハゼノキウルシギンナン…でも、体質によっては敏感な人もいて、肌に触れてかゆみを感じる場合があります。

イチジクは、果皮から出る白い汁でも過敏な人は被れます。

過敏体質の人にとっては、野山の散策では要注意の植物は多くあり、ご用心を…

その前に、被れる可能性がある植物の識別を覚えておくことが肝要ですが…

 

ですが、鈍感な小生は、これらの植物に素手で樹液に触れても異常ナシですね。


つまり、この野生ケシにかぶれる恐れありという知見事象を、自分なりに新発見(!)と捉えてしまう必要情報が不足気味な人達から発信されるネット情報があっさりと拡散しやすい現代社会…なのでしょうかねぇ…

それに即座に反応する受け手側も価値観を評価する蓄積情報不足による情報の重要性判断力不足ありや…ともいえるでしょう。

 

ケシ類は、タンポポ類同様に、ヒトによっては汁に触れると肌にかゆみを感じますが、かぶれ方も人それぞれですが、「ナガミヒナゲシ」の毒性はこれらの中でも弱い方でしょう。

このかぶれ現象、知る知らないに係わらず、野山でごく普通に見掛けるようになってからでも長い時間が経過しています。それでも世間の注目を浴びるようなトラブルが発生した…というようなニュースが流れたという記憶もありません。

それよりも食用注意の植物中毒の場合には時々ニュースになっていますね。

どこの庭先にでも植えられているあのスイセンにも毒性があるようで、野生の鹿もスイセンの葉を避けています。

 

 

ただ、今回の件、世間の騒ぎ方の方が異常です。

この状態…、多種多様な雑情報の価値観選別に有益な蓄積量の乏しい人々の多さの方を憂うべきかも…

 

何事でも、知らなかった人が知った事象を”新発見”、”珍しい”と過大評価して、知っている人はそれが当たり前の常識なのに、誇らしげに自慢したがるのが最近の社会現象…でしょうか。

 

巷の噂話の真偽のほどを自身で吟味するように、ネット情報も、真偽不明とか重要性無視とか誇大表現とか、諸問題を抱えたまま無秩序に飛び交う現代社会構造の有り様の方をもっと注目して大騒ぎしても良さそうですが…