バングラデシュの登録医師の数は、51,993人。
登録看護師の数は、助産師23,472人を含み、25,018人(2010年)。
看護師の数より、医師の数の方が多く、看護師を含め、医療スタッフの人材不足は大変深刻な状態にあります。
しかしながら、首都ダカの発展は急速に進み、高度な医療機器もすでに導入されており、十分な教育を受けていない看護師も高度な医療、看護が必要とされる状況にあるバングラデシュ。
<首都のいくつかの病院では人工呼吸器やモニターは日本と同型のものが導入されている>
重症患者への急性期の看護についての知識、技術は、一般病棟を含めさまざまな場所で活かされるものでもあり、また現地からの教育プログラムを望む強いニーズがあったため、私たちFuture CodeバングラデシュではICU看護師育成プロジェクトに取り組んでいます。
<現在整備中の講義室>
現在も現地の医療状況をより把握しプロジェクトに活かしていくため、現在まで様々な機関で行われたプロジェクトも参考にさせて頂き、また現地病院へ足を運び、状況の把握に努めるなど、継続した情報収集を行っています。
必要とされる看護師教育プログラムに関しては、協力を快諾してくれたセント・クリセント病院付属大学 看護学部長と、この大学で行われている講義の中で、ICU看護師に必要と考えられる講義を教育プログラムの中に取り入れ、現在構成を行っているところです。
<セント・クリセント病院付属大学 看護学部長と>
必要と考えられる日本の看護教育の知識や技術を取り入れた、マニュアル、チェックリスト等の作成、バングラデシュ派遣となる日本人講師(医師・看護師)との調整を進めておりますが、バングラデシュの文化的な背景を考慮すべき点からも、バングラデシュのICU医師、正看護師の資格を持ち、日本への派遣研修経験のあるベテランICU看護師等の協力も得て、実技指導にも力を入れていきたいと思います。
そして、ICU看護師教育プログラムを受講した看護師が得たその知識、技術をすぐに現場に戻って活かしていけるよう、私たちは教育するだけでなく、その後の彼らの雇用にも役立つものとなるように考えています。
ICU看護師育成プロジェクトにおいては、多くの方々のご協力を必要とします。
医療関係者においても、看護師、医師だけではなく臨床工学技士等、さまざまな方面からのご協力を得て、このプロジェクトが日本、バングラデシュで進行しております。
さらにこのプログラムにおいては、現地での従来の学校での講義だけでなく、世界で映像授業を行っている日本の団体:e-Educationと協力協定を結び、現在、教育内容をより分かりやすくするために教育映像を作成し、日本の看護師教育を取り入れた高いクオリティーの講義を常に提供し、生徒自らが習った内容を常に復習できるようにする試みが行われています。
医療現場での日本の知識と実習を取り入れたプログラムを完成させ、2013年8月より生徒を迎えてこのプログラムは開始されます。
これからも継続した看護師育成を行い、バングラデシュへの医療に少しでも貢献していけるように努力していきます。