自己啓発や成功哲学にハマった人たちは、仕事とは関係のないことに熱中している人に対して、時々、こんな忠告を発する。
例えば、プロレスのことなら3時間でも4時間でも語れる人に対して、「プロレスに対する君のその情熱を、どうして仕事の方面に活かそうとしないんだい?」というような忠告。
こう忠告されると、一見、それが可能であるかのように思えるが、そう簡単に興味の方向性が変わることはない。
なぜなら、プロレスファンは自分の意志によって、「これから私はプロレスファンになり、プロレスのことを何時間もしゃべれる人物になろう」と決意し、ファンになったわけではないからだ。
気づいたら、いつの間にか、プロレスファンになっていた。
というのが、プロレスファンの本音だろう。
ある日、プロレスファンになることを固く決意してファンになった、という人はいない。
しかし、自己啓発や成功哲学にハマった人は、この事実を無視して、意図的に自分の意志でそうなろうと決めたから、そうなれたんだと考えたがる。
意志→行動→結果
という因果のプロセスを固く信じている。
だから、プロレスに熱中している人を見たら、「なんて的外れなことをしてるんだ。プロレスに対するその熱意を仕事に向ければ、あなたはもっと成功できるのに」と忠告したがる。
でも、その忠告は、いつの間にか野球が大好きになったイチローに対して、「野球に対するその情熱をビジネスの方面に向ければ、君はビジネス界で大成功できるのに…」と忠告するほど馬鹿げている。
何に夢中になるかを自分で決められるような個人はいない。
プロレスに夢中になるか、野球に夢中になるか、ビジネスに夢中になるかは、本人にもわからない。
何かに夢中になることが自然に起き、そして、時とともに、その興味の方向性も自然に変わっていく。
そして、自己啓発にハマった人もまた、自分で意図的に自己啓発にハマろうとしたわけではなく、自然にそれが起こったに過ぎない。
何に夢中になるかは、それぞれ違っていて、まったくOK。
「なぜ、私はお金にもならない、こんなことしか夢中になれないんだろう」と悩む必要はない。
それに夢中になるのを決めたのは、あなたではないのだから。
今、楽しめることがあるなら、それがお金になろうがなるまいが、大いに楽しめばいい。
それが人生という物語の面白さなのだから。
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