私は自分の師を求め続けた。
私の人生を良き方向に導いてくれる師が、きっとこの世界のどこかにいるはずだと信じて、探しつづけた。
そして、師は突然、私の目の前に現れた。
大阪の書店で、彼は待っていた。
彼は既にこの世にいないが、本に変身していた。
そして、私がくるのを待っていてくれた。
彼が私の師だと気づけるように、私の大好きな著者の名前を借り、Amazonで検索しても、東京の書店を探しても決して見つからないタイトルをつけて、私を待っていてくれた。
こんな本があったのか!と、私に気づかせるように。
そして、彼は、「おまえこそ、おまえの師だ」と教えてくれた。
「おまえが探していたのは、おまえ自身だ」と教えてくれた。
「こんな師が、この世のどこかにいるはずだと、自分でわかっているのだから、それはおまえのことだ」と教えてくれた。
「おまえはもう悟っているじゃないか」と教えてくれた。
そして、私が何者であるかに気づけるように、夜、眠っている間に、私が夢を見ていることに気づかせてくれ、私自身に私を導かせ、覚醒させてくれた。
「ほら、私が言ってることは本当だったろう。おまえがおまえ自身の師だったろう」とわかるようにしてくれた。
こうして私は、目覚めた。
その瞬間、師は消えた。
師を求めていた私も消えた。
そこに残っていたのは静寂だった。
どこまでも広がる静寂の中で、私は今日もくつろぎ、起こることを眺めている。
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