異文化との共生への課題・その１（後編）～YSCグローバル・スクール

異文化との共生への課題・その１（後編）
～YSCグローバル・スクール



制服のスカート丈を長くしてほしいという要望が学校側と折り合わず、
学校に通えなくなってしまった、とあるムスリマの女子生徒。

前編はコチラ

学校側は、いわゆる
「外国をルーツに持つ子ども」の受け入れには慣れているんですか？

はい、この学校には３０か国の生徒が通っていますから、
外国人だ！と驚いてしまうようなことは、ありません。
ただ、スカートを長くするという案は、宗教的な問題なのか、
家族の中での問題なのか判断しかねるところです。
そういったことを基準に学校に要求することが通ってしまうと、
まったく収集つかないわけです。

学校側としては３０か国もの子どもたちの宗教的背景、
家庭の事情全ての主張を丸呑みするわけにもいかないでしょうし。
イスラームを理由に主張して、それが通るとなれば、
キリスト教の子も、ヒンドゥー教の子なども、
それぞれの言い分があるでしょうし・・・
難しいところですね。

なるほど・・・全部認めていたらカオス化しちゃいますね。
それこそ、日本の文化にだって色々幅があって、
お家や地域で違いますし。

はい、どこまでなら、というのは誰にも明確にはわからないわけです。
途中から、その女子生徒の伯父さんも、より頑なになってしまったようでした。

学校としても、色んなルーツを持つ子どもを抱えた中で、
ここまでならば・・・という譲歩を示したんですが、
かつてないほど、頑ななケースでした。

この伯父さんは、
「自分の国や文化で当たり前！」と思っていた
「当然の主張」が受け入れられないことに
寂しさを感じてしまったのかもしれませんね・・・

言い方悪いかもしれませんけど、
しこりが残って、とばっちりを受けるのは子どもたちだと思うんですが。

そうですね。
親は言いっぱなしでもいいですよね、家に帰るなり、
仕事に戻るなりすればいいんですから。
でも、しっくり行っていない環境に放り込まれたまま、
毎日通わなくてはいけない子どもからしたら、
辛いのではないでしょうか。
親の都合と判断で、ある日、言葉も分からない日本に
子どもを呼び寄せているわけですから、
やはりお互いの妥協点を探すことが必要ではないかと思います。

うーん・・・
そのせいで子どもへの教育の機会が失われることを思うと・・・
それに加えて、イスラーム（文化）への理解や
居場所へのダメージもあると思いますが。

そうですね・・・
頑なになることで、ムスリムの孤立を強めたり、
機会の損失があるんじゃないかと思いますね。
この伯父さんも、最初に自分の主張が通らなかったことで、
より意固地になっちゃったってことも、あるのかもしれません。

そうかもしれません。
とても残念な出来事でした。
子どもたちが社会と関わる機会をどう作っていけるかを、
互いに探っていく事が、
今後の大きなテーマになっていくと思います。

この先、こういった、様々な文化背景を持ったうえで、
どう共生していくかということですね。

子どもからしたら、自国に仲の良い友達を置いてきたんでしょうし、
家族そろって暮らせるとはいえ、
世界が反転するくらいの出来事だと思います。
縁あって日本に住むことになったのですから、
ぜひ、この国に愛着を感じて欲しいし、
私たちにも、もっと知ろうとする姿勢が必要です。
互いに近づこうとすることが、
平和への小さな一歩にも、なるんじゃないでしょうか。

そうですね。
相手の言うことを丸呑みにするのが尊重ではなく、
相手を知ることが尊重ですね！
そこから譲歩できる、妥協点を探していくことが、
よりよい共生に不可欠だと思います。
自分たちの状況への理解を求めるなら、
相手の状況への理解を深めることも、必要です。

難しい問題ですが、この先も増えていく課題だと思います。
ある意味YSCグローバルスクールという存在は、
その先陣を切っているようなものと言えるかもしれませんね。

ええ、そうなのかもしれません。

YSCグローバルスクール編はもうすこし続きます。
次回は高校受験の問題について！

　

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