子どもは、常に大人の期待に応えようとする | 不登校と別室登校カウンセラーのブログ

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私は、学校図書室で、7年間別室登校のお子さんをカウンセリングしてきました。

のべ1000人のお子さんを見てきました。

本音を飲み込んで、不登校という形でしか表現ができなくなったお子さんの心の声を拾います。

それさえできれば、不登校は怖くありません。

● 子どもは、常に大人の期待に応えようとしています


こんにちは、小松です。


あなたは、何気なく子どもを褒めていませんか?


その影響は、大人が思っている以上に、重たいのです。


Eちゃんの事例−−−−−−−−−−−−−−−


私が、第2の保健室として、教室に居場所のない子をカウンセリングをするために、学校図書館司書に就任した年のことです。


名前はEちゃん。


小学校4年生の女の子です。


担任の先生いわく、Eちゃんには、年の離れた妹がいるそうです。


Eちゃんは、お手伝いもして、きちんとしたお姉ちゃんになっていったといいます。


もともとの性格なのも相まってなのか、Eちゃんは完璧主義の子どもに育ちました。


親御さんが、Eちゃんにどんな声掛けをしたかは、わかりません。


あるいは、担任の先生や他の大人から、「お姉ちゃんになったら〇〇しないとね」のように、言われたのかもしれません。


Eちゃんは、大人の好む「いい子」を完璧に演じるようになったのだと思います。


というのも、Eちゃんは100点を取れない自分が許せない子なのです。


たった、9歳の子が、自ら自分を完璧主義に仕立てることはしません。


大人の言葉掛けに、何かしら影響されていると、考えるのが自然です。


担任の先生にEちゃんのことを訪ねると、Eちゃんは、クラスメートとうまくいっていなかったそうです。


Eちゃんは、休み時間ごとに、図書室に来るようになりました。


フリータイムの休み時間は、友だちの関係が明らかになる時間なので、Eちゃんには苦痛だったのだと思います。


そこで、私がEちゃんにしたことは、黙ってそばにいることでした。


なにも、質問はせずに、Eちゃんが来ることも、Eちゃんが図書室にいることも、当たり前のように振る舞いました。


Eちゃんは、私が何も評価しないことが確認できたからなのか、ポツリポツリとはなし始めました。


よくわからないけど、一人の仲良しの子に嫌われて、クラスメートの女子から無視をされている。


これが、図書室通いの原因でした。


発端は、お友だちの行動を「許せない!」と言ったのだと、Eちゃんの話からわかりました。


もしかしたら、本人も話すうちにの気がついたのかもしれません。


いい子を演じていると、間違った子を許せなくなってしまいます。


でも、言われた方は傷つくので、関係は壊れてしまいます。


Eちゃんは、話しながらときおり涙ぐむこともありました。


感情は、原始的な欲求です。


トイレを我慢できないように、涙も出るなら出してあげないといけません。


求めていないアドバイスや、コメントは、相手の言動を否定することになり兼ねません。


追加で✕をつけられたら、Eちゃんのコップの水は、溢れてしまうことは、火をみるよりも明らかです。


なので、私は、彼女の心のままに、Eちゃんのしたいようにしてもらいました。


そして、いつでも歓迎されていることや、何もしなくても、愛されていることを、肌感覚で掴めるように対応をしました。


それは、ただ、黙って相手の感情に共感し続けることです。


安全に泣けて、安全に失敗できる場所があれば、人は立ち直れます。


Eちゃんは、次第に笑顔を取り戻していきました。


Eちゃんの休み時間の図書室通いは、3ヶ月ほどで終了しました。


今回の件は、先生と連携ができた上に、私に一任してもらえたことが、幸いしました。


しかし、こうしたハッキリとしたイジメともつかない人間関係は、子どものうちに頻繁に起こります。


でも、そこから子どもが学ぶことがあるので、大人が介入しすぎるのもよくありません。


でも、子どもが困難を乗り越えるための、サポートは必須になります。


学校は、不登校の子には着目しますが、子どもが学校生活に困難を抱えていないかは、見過ごされがちです。


学校生活での困難は、不登校につながったり、引きこもりにも繋がります。


大人が無自覚に発している言葉で、子どもを傷つけていないかを意識することが大切です。


できることから、してみましょう!


本日は以上です。


ありがとうございました!