こんにちは、小松です。
あなたは、何気なく子どもを褒めていませんか?
その影響は、大人が思っている以上に、重たいのです。
Eちゃんの事例−−−−−−−−−−−−−−−
私が、第2の保健室として、教室に居場所のない子をカウンセリングをするために、学校図書館司書に就任した年のことです。
名前はEちゃん。
小学校4年生の女の子です。
担任の先生いわく、Eちゃんには、年の離れた妹がいるそうです。
Eちゃんは、お手伝いもして、きちんとしたお姉ちゃんになっていったといいます。
もともとの性格なのも相まってなのか、Eちゃんは完璧主義の子どもに育ちました。
親御さんが、Eちゃんにどんな声掛けをしたかは、わかりません。
あるいは、担任の先生や他の大人から、「お姉ちゃんになったら〇〇しないとね」のように、言われたのかもしれません。
Eちゃんは、大人の好む「いい子」を完璧に演じるようになったのだと思います。
というのも、Eちゃんは100点を取れない自分が許せない子なのです。
たった、9歳の子が、自ら自分を完璧主義に仕立てることはしません。
大人の言葉掛けに、何かしら影響されていると、考えるのが自然です。
担任の先生にEちゃんのことを訪ねると、Eちゃんは、クラスメートとうまくいっていなかったそうです。
Eちゃんは、休み時間ごとに、図書室に来るようになりました。
フリータイムの休み時間は、友だちの関係が明らかになる時間なので、Eちゃんには苦痛だったのだと思います。
そこで、私がEちゃんにしたことは、黙ってそばにいることでした。
なにも、質問はせずに、Eちゃんが来ることも、Eちゃんが図書室にいることも、当たり前のように振る舞いました。
Eちゃんは、私が何も評価しないことが確認できたからなのか、ポツリポツリとはなし始めました。
よくわからないけど、一人の仲良しの子に嫌われて、クラスメートの女子から無視をされている。
これが、図書室通いの原因でした。
発端は、お友だちの行動を「許せない!」と言ったのだと、Eちゃんの話からわかりました。
もしかしたら、本人も話すうちにの気がついたのかもしれません。
いい子を演じていると、間違った子を許せなくなってしまいます。
でも、言われた方は傷つくので、関係は壊れてしまいます。
Eちゃんは、話しながらときおり涙ぐむこともありました。
感情は、原始的な欲求です。
トイレを我慢できないように、涙も出るなら出してあげないといけません。
求めていないアドバイスや、コメントは、相手の言動を否定することになり兼ねません。
追加で✕をつけられたら、Eちゃんのコップの水は、溢れてしまうことは、火をみるよりも明らかです。
なので、私は、彼女の心のままに、Eちゃんのしたいようにしてもらいました。
そして、いつでも歓迎されていることや、何もしなくても、愛されていることを、肌感覚で掴めるように対応をしました。
それは、ただ、黙って相手の感情に共感し続けることです。
安全に泣けて、安全に失敗できる場所があれば、人は立ち直れます。
Eちゃんは、次第に笑顔を取り戻していきました。
Eちゃんの休み時間の図書室通いは、3ヶ月ほどで終了しました。
今回の件は、先生と連携ができた上に、私に一任してもらえたことが、幸いしました。
しかし、こうしたハッキリとしたイジメともつかない人間関係は、子どものうちに頻繁に起こります。
でも、そこから子どもが学ぶことがあるので、大人が介入しすぎるのもよくありません。
でも、子どもが困難を乗り越えるための、サポートは必須になります。
学校は、不登校の子には着目しますが、子どもが学校生活に困難を抱えていないかは、見過ごされがちです。
学校生活での困難は、不登校につながったり、引きこもりにも繋がります。
大人が無自覚に発している言葉で、子どもを傷つけていないかを意識することが大切です。
できることから、してみましょう!
本日は以上です。
ありがとうございました!