子育てに必要なことは、親が子どものことで、口も手も出さないこと | 不登校と別室登校カウンセラーのブログ

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私は、学校図書室で、7年間別室登校のお子さんをカウンセリングしてきました。

のべ1000人のお子さんを見てきました。

本音を飲み込んで、不登校という形でしか表現ができなくなったお子さんの心の声を拾います。

それさえできれば、不登校は怖くありません。

● 子育てに必要なことは、親が子どものことで口も手も出さないこと


こんにちは、小松です。


あなたは、子どもをより良く育てるのに、必要なことは何だと思いますか?


いくつか上げてみてください。


・学力をつけること

・得意を見つけてあげること

・体験を広げること

・交友関係を充実させること

・できないことを克服させること

・習い事を続けるようにする


こんなことが、浮かびませんでしたか?


これらも、もちろんこどもには大事です。


でも、これは、大人の考える付加価値ですよね。


つまり、足りないから付け加える発想です。


ということは、現状のお子さんではダメだと言うことです。


もっともっとと言われることで、伸びるお子さんもいます。


でも、潰れるお子さんもいます。


例えば、一生懸命作ったご飯に、毎回ダメ出しをされたいですか?


私は、されたくないです^_^


和食ができたら、次はフランス料理とか言われたら、逃げたくなります。


大人になって苦労しないように、という気持ちもわかります。


ですが、自分にできないことやできなかったことを、子どもにさせても、子どもは潰れるだけです。


子どもは、あなたとは違う人ですが、あなたの真似をしながら学びます。


麹町中学校の前校長先生でいらした、工藤勇一

さんの著書「自立する子の育て方」

には、こう書かれています。


引用開始


私たち大人はとにかく子どもたちに手をかけすぎです。


手をかければかけるほど子どもは自律できなくなり、自分がうまくいかないことを誰かのせいにしようとします。


【引用終了】


具体例を紹介します。


Aくんの事例−−−−−−−−−−−−−−−−−−


自主保育でのことです。


自主保育とは、自分たちで保育をしたい親が集まって、当番制で見守り保育をするグループです。


自主保育の基本は、口も手も出さないが鉄則です。


誘導する、促す、教えるは、すべて封印します。


例えば、3人兄弟末っ子のAちゃん。


歩くのが大嫌いです。


甘えるタイミングをよく知っています。


根性はあるのですが、自分が嫌になったり、転んだりすると、もう歩きません。


すると、これまた3人兄弟の末っ子のMちゃんが、登場します。


いつものMちゃんは、傍若無人なジャイアンです。


でも、ここぞというときは、優しく手を差し伸べます。


転んで泣いているMちゃんを、おんぶして歩きはじめました。


ここまでで、大人の出番はゼロです。


そして、おんぶされたAちゃんは、泣き止んでおぶわれています。


ところが、Aちゃんのくつが、Aちゃんの足から落ちてしまいました。


おんぶされているAちゃんは、気がついていないようでした。


おんぶしているMちゃんも、気が付きません。


後ろを追いかけていた大人たちは、「あっ!」と、顔を見合わせました。


でも、見守りました。


すると、そばを歩いていたTくんが、異変に気がついて後ろをキョロキョロします。


落ちていたAちゃんのくつを見つけると、当たり前のように拾って、Aちゃんの足に戻しました。


靴を落としてからの時間は、1、2分ほどです。


1、2分待っていれば、大人顔負けの保育を子どもがしてくれます。


Mちゃんのような、わかりやすい親切だけでなく、意地悪をしてる子にしかわからない体感もあるのです。


殴り合いのケンカをした子にしか、理解できない臨場感があります。


大人の価値観を、子どもの世界に持ち込むと、そうした経験から子どもが学べなくなってしまいます。


実際に、自主保育の目線でいると、子どもから教わることは数多くあります。


「大人のテンプレートだとこうする」というのをはるかに上回るアイディアを出すことも、珍しくありません。


なので、子どもだからと下に見るのではなく、違う価値観をもった他人として接すると、程よい距離感が保てるのでオススメです。


なによりも、自分で発見して、自分で判断する喜びを味わった経験は、何にも得難いものです。


そのときの経験が、大きくなってから、多少の困難にぶつかっても、冷静に対処できる力になります。


今日は以上です。


ありがとうございました!