こんにちは、小松です。
あなたは、子どもをより良く育てるのに、必要なことは何だと思いますか?
いくつか上げてみてください。
・学力をつけること
・得意を見つけてあげること
・体験を広げること
・交友関係を充実させること
・できないことを克服させること
・習い事を続けるようにする
こんなことが、浮かびませんでしたか?
これらも、もちろんこどもには大事です。
でも、これは、大人の考える付加価値ですよね。
つまり、足りないから付け加える発想です。
ということは、現状のお子さんではダメだと言うことです。
もっともっとと言われることで、伸びるお子さんもいます。
でも、潰れるお子さんもいます。
例えば、一生懸命作ったご飯に、毎回ダメ出しをされたいですか?
私は、されたくないです^_^
和食ができたら、次はフランス料理とか言われたら、逃げたくなります。
大人になって苦労しないように、という気持ちもわかります。
ですが、自分にできないことやできなかったことを、子どもにさせても、子どもは潰れるだけです。
子どもは、あなたとは違う人ですが、あなたの真似をしながら学びます。
麹町中学校の前校長先生でいらした、工藤勇一
【引用開始】
私たち大人はとにかく子どもたちに手をかけすぎです。
手をかければかけるほど子どもは自律できなくなり、自分がうまくいかないことを誰かのせいにしようとします。
【引用終了】
具体例を紹介します。
Aくんの事例−−−−−−−−−−−−−−−−−−
自主保育でのことです。
自主保育とは、自分たちで保育をしたい親が集まって、当番制で見守り保育をするグループです。
自主保育の基本は、口も手も出さないが鉄則です。
誘導する、促す、教えるは、すべて封印します。
例えば、3人兄弟末っ子のAちゃん。
歩くのが大嫌いです。
甘えるタイミングをよく知っています。
根性はあるのですが、自分が嫌になったり、転んだりすると、もう歩きません。
すると、これまた3人兄弟の末っ子のMちゃんが、登場します。
いつものMちゃんは、傍若無人なジャイアンです。
でも、ここぞというときは、優しく手を差し伸べます。
転んで泣いているMちゃんを、おんぶして歩きはじめました。
ここまでで、大人の出番はゼロです。
そして、おんぶされたAちゃんは、泣き止んでおぶわれています。
ところが、Aちゃんのくつが、Aちゃんの足から落ちてしまいました。
おんぶされているAちゃんは、気がついていないようでした。
おんぶしているMちゃんも、気が付きません。
後ろを追いかけていた大人たちは、「あっ!」と、顔を見合わせました。
でも、見守りました。
すると、そばを歩いていたTくんが、異変に気がついて後ろをキョロキョロします。
落ちていたAちゃんのくつを見つけると、当たり前のように拾って、Aちゃんの足に戻しました。
靴を落としてからの時間は、1、2分ほどです。
1、2分待っていれば、大人顔負けの保育を子どもがしてくれます。
Mちゃんのような、わかりやすい親切だけでなく、意地悪をしてる子にしかわからない体感もあるのです。
殴り合いのケンカをした子にしか、理解できない臨場感があります。
大人の価値観を、子どもの世界に持ち込むと、そうした経験から子どもが学べなくなってしまいます。
実際に、自主保育の目線でいると、子どもから教わることは数多くあります。
「大人のテンプレートだとこうする」というのをはるかに上回るアイディアを出すことも、珍しくありません。
なので、子どもだからと下に見るのではなく、違う価値観をもった他人として接すると、程よい距離感が保てるのでオススメです。
なによりも、自分で発見して、自分で判断する喜びを味わった経験は、何にも得難いものです。
そのときの経験が、大きくなってから、多少の困難にぶつかっても、冷静に対処できる力になります。
今日は以上です。
ありがとうございました!