子どもの性格にラベルを張ると、子どものサインを見落とします! | 不登校と別室登校カウンセラーのブログ

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私は、学校図書室で、7年間別室登校のお子さんをカウンセリングしてきました。

のべ1000人のお子さんを見てきました。

本音を飲み込んで、不登校という形でしか表現ができなくなったお子さんの心の声を拾います。

それさえできれば、不登校は怖くありません。

● 子どもの性格にラベルを張ると、子どものサインを見落とします!

こんにちは、小松です。

あなたは、今この瞬間のお子さんを、見ていますか?

大人に、ついしがちな行動に、

「あのときこうだったから、次もこうに違いない」

という思い込みです。

気分やタイミングで、人って発言が変化したりしますよね?

特に、子どもはその傾向が強いです。

大人がすべて正しいわけではないので、歪んだ味方をしたまま、「この子はこういうタイプ」と、レッテルを貼ることは怖いことです。

例えば、イクラだと思って買ってみたら、中身がタラコだったらどうします?

同じ、魚卵です。

でも、用途が違いますよね。

それも、業務用30kgとなると、イクラたっぷりの海鮮丼が、タラコスパになってしまいます。

または、鮮魚店のエビの並びに、同じ甲殻類だからと、ダンゴムシがいても困ります。

子どもも、〇〇ポイから!と、一括にすると、取り扱いがまるで違ったり、深く傷つけることになりかねません。

Nくんの事例−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

私が、森の幼稚園スタッフとして、働いていたときのことです。

野外保育で活動するのが、森の幼稚園です。

やんちゃな子ども10人に、大人が2人か3人。

3歳から6歳のお子さんを、3人の大人で見るのは、大変です。

森の幼稚園では、カリキュラムがありません。

子どものしたいことに寄り添うと、大人はたくさんいたほうがいいのです。

かたやトカゲ取りにといい、かたや折り紙がしたいといい、かたや焚き火がしたいという。

そんな中で、ひときわやんちゃなNくんがいました。

ただでさえ忙しいのに、Nくんが動くと、Nくんを叱る時間ができてしまいます。

なので、先生は、事前に予防をしはじめます。

いつも、スイッチをつけたり消したりしているので、スイッチ付近に来たら、「触らないで!」と、叱ります。

叱られたNくんは、なにかいいたそうにしています。

でも、先生には届きません。

先生の予知とは裏腹に、Nくんのしたいことは、別にありました。

なので、止められても、もう一度しようと立ち上がります。

してはいけないことではないからです。

でも、Nくんを聞き分けのない子として見ている先生は、再び叱ります。

1回目よりも、きつい口調でです。

3回目には、先生の苛立ちがマックスになりました。

納得できないNくんは、むくれてしまいました。

そこで、私は近づいて

「なにがしたかったの?」

と、できるだけフラットに聞きました。

それこそ挨拶をする気軽さで、声をかけます。

すると、

「虫取り網が取りたかった」

と、涙ぐみながら、話してくれました。

電気のスイッチの向こう側に、立て掛けてありました。

悪いことや禁止事項に触れていないのに、行動のみならず、存在を否定される。

Nくんがいいことをしようと思っても、先生は動きに過剰に反応してしまい、行動前に叱責が飛びます。

誰かが気がついてフォローができれば、まだいいのですが、そのままになるケースも、しばしば。

これは、先生が悪いわけではありません。

それだけ、忙しい幼稚園の仕組みが良くないのです。

無認可幼稚園となると、人手不足は否めません。

そうすると、子どもにしわ寄せが行きます。


私は、一通りNくんの話を聞いて、虫取り網を取ってあげました。

この、誤解とフォローの間隔が短ければ、子どもは回復します。

でも、誰にも気づかれることなく、悪い子のレッテルを貼られ続けたら、どうなると思いますか?

いいことをする気持ちすら、なくなってしまいます。

もちろん、自分をワルモノ扱いをする先生の話は、聞きません。

面白くないので、先生の邪魔をします。

管理しているつもりでも、大人が子どもの悪い行動のきっかけをつくってしまうことは、往々にしてあります。

先生たちが、その日1日を、怪我なく無事に終わらせることを第一優先にしすぎて、子どもの行動を厳しく制限してしまった結果です。

本末転倒ですよね。

子どもの人数に対して、大人の人数は、もっと多くていいのです。

森の幼稚園は、有志で行っていたので、確保できなかったのでしょう。

でも、野外保育の森の幼稚園だからこそ、子どもを尊重する保育が望ましいですよね。

それにしても、Nくんの傷は深かったです。
 

目を光らせていないと、すぐに叱られてしまいます。

私がいるときは、先生と話しつつ、Nくんのフォローをしました。

先生も、話せば伝わるので、徐々にラベルは剥がされていきました。

いつも褒められる子、いつも叱られる子がいます。

単に、先生の目に、止まっていないだけだったりします。

ラベル貼りによって、子どもを傷つけないためには、よく観察することと、子どもを理解していると過信をしないことです。

今、その子に何が、必要なのかを、瞬間瞬間で見定める意識が大切です。

 

本日は以上です。

 

ありがとうございました。