● 子どもの性格にラベルを張ると、子どものサインを見落とします!
こんにちは、小松です。
あなたは、今この瞬間のお子さんを、見ていますか?
大人に、ついしがちな行動に、
「あのときこうだったから、次もこうに違いない」
という思い込みです。
気分やタイミングで、人って発言が変化したりしますよね?
特に、子どもはその傾向が強いです。
大人がすべて正しいわけではないので、歪んだ味方をしたまま、「この子はこういうタイプ」と、レッテルを貼ることは怖いことです。
例えば、イクラだと思って買ってみたら、中身がタラコだったらどうします?
同じ、魚卵です。
でも、用途が違いますよね。
それも、業務用30kgとなると、イクラたっぷりの海鮮丼が、タラコスパになってしまいます。
または、鮮魚店のエビの並びに、同じ甲殻類だからと、ダンゴムシがいても困ります。
子どもも、〇〇ポイから!と、一括にすると、取り扱いがまるで違ったり、深く傷つけることになりかねません。
Nくんの事例−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私が、森の幼稚園スタッフとして、働いていたときのことです。
野外保育で活動するのが、森の幼稚園です。
やんちゃな子ども10人に、大人が2人か3人。
3歳から6歳のお子さんを、3人の大人で見るのは、大変です。
森の幼稚園では、カリキュラムがありません。
子どものしたいことに寄り添うと、大人はたくさんいたほうがいいのです。
かたやトカゲ取りにといい、かたや折り紙がしたいといい、かたや焚き火がしたいという。
そんな中で、ひときわやんちゃなNくんがいました。
ただでさえ忙しいのに、Nくんが動くと、Nくんを叱る時間ができてしまいます。
なので、先生は、事前に予防をしはじめます。
いつも、スイッチをつけたり消したりしているので、スイッチ付近に来たら、「触らないで!」と、叱ります。
叱られたNくんは、なにかいいたそうにしています。
でも、先生には届きません。
先生の予知とは裏腹に、Nくんのしたいことは、別にありました。
なので、止められても、もう一度しようと立ち上がります。
してはいけないことではないからです。
でも、Nくんを聞き分けのない子として見ている先生は、再び叱ります。
1回目よりも、きつい口調でです。
3回目には、先生の苛立ちがマックスになりました。
納得できないNくんは、むくれてしまいました。
そこで、私は近づいて
「なにがしたかったの?」
と、できるだけフラットに聞きました。
それこそ挨拶をする気軽さで、声をかけます。
すると、
「虫取り網が取りたかった」
と、涙ぐみながら、話してくれました。
電気のスイッチの向こう側に、立て掛けてありました。
悪いことや禁止事項に触れていないのに、行動のみならず、存在を否定される。
Nくんがいいことをしようと思っても、先生は動きに過剰に反応してしまい、行動前に叱責が飛びます。
誰かが気がついてフォローができれば、まだいいのですが、そのままになるケースも、しばしば。
これは、先生が悪いわけではありません。
それだけ、忙しい幼稚園の仕組みが良くないのです。
無認可幼稚園となると、人手不足は否めません。
そうすると、子どもにしわ寄せが行きます。
私は、一通りNくんの話を聞いて、虫取り網を取ってあげました。
この、誤解とフォローの間隔が短ければ、子どもは回復します。
でも、誰にも気づかれることなく、悪い子のレッテルを貼られ続けたら、どうなると思いますか?
いいことをする気持ちすら、なくなってしまいます。
もちろん、自分をワルモノ扱いをする先生の話は、聞きません。
面白くないので、先生の邪魔をします。
管理しているつもりでも、大人が子どもの悪い行動のきっかけをつくってしまうことは、往々にしてあります。
先生たちが、その日1日を、怪我なく無事に終わらせることを第一優先にしすぎて、子どもの行動を厳しく制限してしまった結果です。
本末転倒ですよね。
子どもの人数に対して、大人の人数は、もっと多くていいのです。
森の幼稚園は、有志で行っていたので、確保できなかったのでしょう。
でも、野外保育の森の幼稚園だからこそ、子どもを尊重する保育が望ましいですよね。
それにしても、Nくんの傷は深かったです。
目を光らせていないと、すぐに叱られてしまいます。
私がいるときは、先生と話しつつ、Nくんのフォローをしました。
先生も、話せば伝わるので、徐々にラベルは剥がされていきました。
いつも褒められる子、いつも叱られる子がいます。
単に、先生の目に、止まっていないだけだったりします。
ラベル貼りによって、子どもを傷つけないためには、よく観察することと、子どもを理解していると過信をしないことです。
今、その子に何が、必要なのかを、瞬間瞬間で見定める意識が大切です。
本日は以上です。
ありがとうございました。