不登校を解決する方法は、いくらでもあります。
・本やインターネットで解決方法を調べる
・不登校カウンセラーに相談する
・不登校支援ボランティア団体に相談する
・スクールカウンセラーに相談する
・同じように子供の不登校で悩んだことのある知り合いに相談する
……方法はいくらでもあるでしょう。
問題は「どの方法を選ぶか」ですよね。
方法が少ない場合も困りますが、あまりに多い場合も困るものです。
不登校解決手段としてどの方法を選べばいいのか……
それに迷い、結局、「まずは自分でなんとかしよう」と考えてしまう親御さんも多いのではないでしょうか。
もちろん、親御さん一人で不登校を解決しようと試みるのも悪いことではありません。
消極的・依存的ではなく、
積極的・自発的に子供の力になろうとする姿勢は素晴らしいものと言えるでしょう。
ただ、病気と同じようなもので、
素人考えで適当な対処をしてしまうと取り返しのつかないことになる可能性もあります。
※注)もちろん、不登校が病気だと言っているわけではありませんよ。比喩として「病気」という言葉を使っているだけです。
自分自身に不登校経験がない、
不登校に関する対処のしかたについて専門的な勉強をしたこともない、
不登校の解決方法に関して偏った情報収集をしている……
そんな状態で対処していたらかえって不登校を悪化させてしまうかもしれません。
病気になったら病院に行く。
それと同じように、子供が不登校になったら不登校専門家のもとに行く。
これは基本的な選択だと思います。
先にも述べましたが、問題は「どの方法を選ぶか」ですよね。
どの不登校専門家を選べばいいのか、
そこで迷ってしまい、動けなくなる親御さんも多いでしょう。
なかには、
思い切って選んだ不登校専門家が最悪だった……
という経験をした親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
ここで、不登校専門家の選び方をお伝えしておきましょう。
1.不登校経験がある専門家を選ぶ
まず、その専門家に不登校経験があるかどうかが重要です。
カウンセラーでもカウンセラー以外でも、
その先生に不登校経験がなければ相談しないほうがいいでしょう。
もちろん、不登校経験がない専門家のなかにも
一生懸命活動されている先生もいらっしゃいます。
勉強熱心で、不登校に関して細かく調べている先生もいらっしゃいます。
病気になったことがなくても病気を治せるお医者さんのように、
経験がなくてもアドバイスできる先生もいらっしゃるのでしょう。
ただ、不登校は対象が「心」で、共感で寄り添っていくプロセスが不可欠です。
医者のような「共感なしでも成り立つ世界」ではありません。
そうである以上、不登校経験はないよりあったほうが絶対にいい。
選ぶなら、不登校経験のある専門家を選んでください。
これは、ダイエットに例えてみても理解しやすいでしょう。
あなたがダイエットしようとするとき、ダイエット経験がない、
ブクブク太った先生からアドバイスを受けたいと思うでしょうか?
そのアドバイスを、的確なアドバイスとして受けいれられるでしょうか?
私だったら、「太っていた過去」と「ダイエットに成功してやせていったプロセス」の
両方を経験している先生からアドバイスを受けたいと思います。
不登校も同じです。
不登校になった経験と、そこから立ち直った経験の両方を経験している先生からアドバイスを受けたほうが的確です。
2.サラリーマン不登校専門家を選ばない
不登校関連団体に所属し、
そこから毎月給料をもらっている「サラリーマン不登校専門家」はオススメできません。
不登校を直せても直せなくても毎月の給料が保証されている、
仮に不登校を悪化させてしまっても団体の評判が悪くなるだけで
自分自身(個人名)の評判が悪くなるわけではない……
そんな状態で本気になれるでしょうか。
もちろん、一生懸命やっている方もいらっしゃると思いますが、
私のもとへ相談にいらっしゃる親御さんから他所の団体のお話を聴くと、
「団体所属のサラリーマン不登校専門家は、ちょっと無責任な方が多いのかな」
と思わざるを得ません。
「○○センターに相談したのですが、その先生から登校刺激したほうがいいと言われ、そのとおりにしたところ、子供が引きこもって部屋から一歩も出てこなくなりました」
といった悪評を次から次へと聴くたびに、
私の中での「サラリーマン不登校専門家」に対する信頼性が失われていきました。
個人的には同業者として一緒に頑張っていきたいと思っていますが、
改善される様子があまり見られないので「サラリーマン不登校専門家」はオススメできません。
ちなみに、団体に所属している「サラリーマン不登校専門家」の場合、
つい最近までまったく畑違いの仕事をしていた人(例:前職が飲食店店長)が
転職してきて不登校カウンセラーとして活動しているケースも多いので、注意してくださいね。
大きな団体のほうがノウハウが多く蓄積されているように思われるかもしれませんが、
そこで共有蓄積されているノウハウは、経験知ではなくマニュアルです。
同じ形のものを大量生産するならマニュアルが洗練されていたほうが強いと思いますが、
不登校対応では同じ結果を量産するわけではありません。
不登校で対象とするものは子供の「心」。
それぞれ全く違った多様な心です。
その多様な心を扱う領域である以上、マニュアルで改善できる確率は低く、
経験知による柔軟な対応のほうが効果的です。
経験知はどこに蓄積されているか?
不登校専門家個人の頭脳です。
マニュアル化されたノウハウが共有されている団体より、
頭脳に経験知が豊富に蓄積されている不登校専門家個人ほうが、
的確なアドバイスができるでしょう。
3.喜びの声の“割合”に注目する
不思議に思ったことはありませんか?
「○○先生のメルマガは数千人の読者がいるのに、喜びの声の数は数個しかない。どうしてだろう?」
「全国展開している団体なのに、利用者の声は数えるほどしかない。どうしてだろう?」
と。
大々的に展開しているにも関わらず、
親御さんからの喜びの声が非常に少ない専門家(専門団体)はオススメできません。
相談者数が多いのに喜びの声は少ない → 良い結果が出る確率が低い
そう解釈したほうが無難でしょう。
逆に、「相談者数が少ないにも関わらず、親御さんから喜びの声が膨大に寄せられている専門家」は、良い結果を出せる確率が高いと思われます。
そういう専門家を選んでください。
以上3点に気をつけて不登校専門家を選べば、
子供の不登校を悪化させてしまうリスクをかなり下げることができます。
本やインターネットで情報を得る場合も、上記と同じです。
1.不登校経験がある専門家が書いた本やサイトを選ぶ
2.サラリーマン不登校専門家が書いた本やサイトを選ばない
3.喜びの声の“割合”に注目する
この3点を基準にして選べばリスクを減らせるでしょう。
繰り返しますが、不登校の解決方法はいくらでもあります。
選択できる手段は膨大です。
それらの手段すべてを同じ価値と見ていたら、
さまざまな手段にふりまわされ、統一性を欠いた対応で子供を混乱させ、
いつまで経っても我が子を不登校から解放してあげることができません。
大事なことは、選択。
「どんな解決方法を知るか」より「どの解決方法を選ぶか」が重要です。
不登校の解決方法を選択するにあたって、
上記の内容を少しでも参考にしていただけたら幸いです。
木村優一