私のもとに相談にいらっしゃる親御さんはさまざまですが、そのなかで一番困るのは
「お子さんがかなり大変な状態になってから相談にいらっしゃる親御さん」
です。
あえて過激な言葉を使わせていただきますが、お子さんの状態がかなり“重症”な状態。
子供がギリギリの状態になってはじめて相談にいらっしゃる親御さんも多いんですね。
あるお母さんは
「学校を休んでいいのは、あと2週間なんです。それ以上休むと卒業できなくなるんです」
と言って、相談にいらっしゃいました。
私のことはかなり前から知っていたようなのですが、「いざとなったら木村さんに相談すればいい」と考えて、ギリギリまで自力でなんとかしようとしていたらしいんですね。
その親御さんの話を聴いていると、お子さんは次のような状態でした。
・外出はいっさいしない(最近は部屋からも出てこない)
・体を動かすこともほとんどない
・しょっちゅう親に八つ当たりするようになってきた
・昼夜逆転がひどくなってきた
・ずっと携帯・ゲーム・パソコンばかりやっている
・最近は、親と会話するのも避けるようになった
・こちらから(親から)何か言うと「気持ち悪い」と返される
・深刻なリストカットをした
上記のような状態で「学校を休んでいいのはあと2週間。なんとかしてください」とお願いされたのです。
はっきり言いまして、これほど“重症”になってから相談されますと、
それを短期間で良い状態に持っていくのはかなり難しくなります。
「あと3ヶ月早く相談してくれていたら、良くなったのに……」と思いましたし、実際にその親御さんにもそう伝えました。
私は、セールスっぽくなるのが嫌なので、「一日も早く相談にいらっしゃったほうがいいですよ」と強調するのはあまり好きではありません。
でも、昨今の親御さんの意識を知るにつれ、そうも言ってられないのかなと思いました。
不登校は病気ではありませんが、専門家の使い方に関しては病気と同じです。
軽症のうちに専門家に相談して、適切なアドバイスを受けたほうが、治りが早く、完治の可能性も高まります。
専門家に相談するのは一週間でも二週間でも早いほうがいい。
それだけは覚えておいてください。
木村優一