バルサ対オサスナ アルバとイニエスタのスペースの駆け引き | 日本で活動中のサッカー監督のブログ

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バルセロナで修行してきましたが、2017年より日本で活動しております。

先週末のバルサの試合はホームでオサスナと戦いメッシのハットトリックもあって7-0の大勝で終わりました。

もちろんメッシの決定力やスペースに入ってくるタイミングも素晴らしいのですが、僕が驚いたのは2点目のアルバとイニエスタのプレーです。↓

参照動画

イニエスタがドリブルで相手選手二人を食いつかせてフリーのアルバにボールを預けた場面です。
まず第一にイニエスタがアルバにボールを預けた後、後ろにクビを振って自分にマークがついていないことを確認すると、ボールに気をとられた相手DFをみて一旦後ろに下がりパスを受ける位置に入ります。平凡な選手だとアルバにパスしてすぐにスペースへ動き、これを相手DFに予測されてしまいます。
パスを出してすぐに動かず相手の注意がそれてからスペースに動き出しているのがこの駆け引きの肝です。

イニエスタの動きに対してアルバは当然壁パスを狙いますが、これもパスを出してすぐに裏のスペースに動かず、一旦、パス方向に動くと見せかけて裏をとっています。相手DFはアルバの一歩目とボールの行方に気をとられて中に絞る動きをしてしまい、裏へアルバが走っていることに気づきません。
もしアルバがイニエスタにパスを出してそのまま裏へ走っていたら相手DFもその動きを予測して対応していたでしょう。

アルバのプレーはスペインではla finta de desmarque(マークを外すためのフェイント)と呼ばれるのもので、日本ではパスを受ける前のチェックの動きに属するものです。ただしボールを受ける前にこれをする選手はいますが、パスを出した直後にそれをする選手というのは僕の記憶にはなかったので勉強になりました。