• 精巣では、思春期頃から約2か月半掛かりながら、2回の減数分裂により1つの細胞から4つの精子が造られます
  • 1回の射精で数億の精子が射出され、女性体内で2~3日以上にわたり受精能力を保つと考えられます
 

 

 

 

  • 卵子は、胎生期に第一減数分裂の途中まで発育して休眠状態となったものが原始卵胞という単位で卵巣に保管されています
  • この原始卵胞は、年齢と伴に減少します(個人差がありますが、月経があってもなくても減少します)
 

 

  • 抗ミュラー管ホルモン(AMH)は、休眠状態から目覚めた原始卵胞から約6か月にわたって月経頃の胞状卵胞に達するまでの卵胞が造るホルモンです
AMHの産生源 (Human Reproduction Update, Vol.16,113–130, 2010 改編)
 
  • AMH値は、原始卵胞から目覚め月経頃の胞状卵胞にまで発育しつつある卵胞が造るAMHの総和になります
  • AMH値は、活動的になってきている卵子の数的評価(卵巣予備能)として有用です
  • 卵子数の減少とともに、原始卵胞から目覚めて発育開始する卵子は減っていきます
  • 年齢と伴に次第にAMH値は低値になっていきます。
  • AMHは、卵子の質的評価ができるものではありません(卵子の質的な評価指標は女性年齢くらいしかありません)
  • AMH値は血液採取して調べる検査です
  • 月経周期によるAMH値の変動はほとんどありません
  • AMH検査は、不妊治療において方針決定や採卵目的の卵巣刺激方法の決定のための保険診療が2024年から認められました
 
 
AMH値と女性年齢(当院も加盟しているJISARTのデータ)
 
  • AMH値がご自分の年齢相当であれば、卵巣予備能は年齢相当と考えられます
  • AMH値がご自分の年齢相当より低値の場合は、活動的になっている卵胞が少なくなっていると考えられます
  • AMH値がご自分の年齢相当より高値の場合は、活動的になっている卵胞が多いと考えられます
  • AMH値が高値で月経不順がある場合は、多嚢胞性卵巣症候群という排卵障害の可能性があります
  • 不妊治療においてAMH値が低い場合は、早めのステップアップがすすめられます
  • 体外受精では、AMH値、月経期の超音波検査による胞状卵胞数、過去刺激反応結果などを踏まえて、個別化して卵巣刺激法&排卵抑制法を相談して決めることになります