「保険凍結胚が残っている状態でも、新たにPGT-Aを目的とした採卵ができますか?」
「保険での移植回数が残っていても、PGT-Aをした場合にはその後のはすべて自費になりますか?」といったご質問をお受けすることがあり、お応えに苦慮するこが多々ありました。
これは、保険診療と自費診療を行き来することができないとする考えに基づいています。
令和5年1月12 日に、厚生労働省より「保険外の診療の取扱いの考え方」が新たに発出されましたので、ご紹介します。
厚生労働省保険局医療課疑義解釈より
【保険外の診療の取扱い】
Q1. 保険診療により作成した凍結胚が残っている場合であっても、医学的判断により保険外の診療として、受精卵・胚に対する保険外の診療を実施する必要がある場合について、
保険診療により作成した凍結胚を用いずに、保険外の診療として改めて採卵から胚移植までの診療を行うことは可能であると考えてよいですか?
(答)よい。
保険外の診療とは:
PGT-A、PRP療法やタクロリムスなどを使用した移植など、が想定される
注:保険で採卵・凍結した受精卵を保険外の診療に用いることは認められない
Q2. Q1. において、保険診療で得られた残余凍結胚は、その後に保険診療を再開したときに保険診療として使用してよいですか?
(答)残余凍結胚に対しては保険外の診療が行われていないため可能です。
ただし、この場合であっても、回数制限に係る実施回数のカウントにおいては、以前の保険診療における実施回数も含まれます。
例) 保険での胚移植を6回できる方が、2回保険移植後に保険外の診療(自費採卵・移植)を行い、その後保険診療を再開した場合、残りの保険での移植回数は4回となる。
これまでの解釈より、かなり治療の選択の幅が広がったといえます。