■質問内容
移植後5日から6日の夕方にかけて薄い茶色のおりもの、6日の夕方からうすいピンク色のおりものが出ています。大丈夫でしょうか?
■当院からの回答
着床時期は、排卵から7日目前後であり、分割胚移植から3-5日後、胚盤胞移植から1-3日後と推定されます。
当院では、子宮内膜状態を安定に保つため下記1~3の対応を、それぞれ着床判定日まで行っています。
- 採卵周期の新鮮胚移植(分割胚移植)では、採卵後に形成される黄体から分泌される黄体ホルモンに加えて、黄体ホルモン剤(ルトラール)の内服、
- 排卵周期の融解胚移植後(胚盤胞移植)では、採卵後に形成される黄体から分泌される黄体ホルモンに加えて、黄体ホルモン剤(プロゲストン)の内服
- ホルモン補充周期の融解胚移植(胚盤胞移植)では、黄体ホルモン剤(ルティナス膣錠)の膣内挿入
- 黄体ホルモン剤の使用忘れがあると不安定になりますので忘れないように使用してください
- ルティナス膣錠はプロゲステロンなので血中濃度の測定は可能ですが、血液を介することなく膣から子宮内膜への移行も考えられており血中濃度測定の意味はないと考えられています。また、他の黄体ホルモン剤はプロゲステロン自体ではないので測定できません。
- 投与量を増やしてみる選択肢はあると思いますが、いずれの場合も補充する黄体ホルモン量としては十分と言えます
- ホルモン補充周期では、排卵自体がないため黄体機能の良し悪しの影響を受けません。卵胞ホルモン剤(エストラーナテープ・ジュリナ)やルティナス膣錠の使用中に月経が開始することはありませんが、妊娠の有無にかかわらず少量の出血を認める可能性はあります。出血があった場合も「ホルモン剤使用を中止しない」ようにしてください。
- 着床したかどうかの判断は少なくとも分割胚移植後12日目以降、胚盤胞移植10日目以降です。それ以前では着床していないとも、着床しているとも判断は出来ませんので、妊娠検査薬使用の意味はありません。
*ホルモン剤使用中に出血があった場合、次回の移植前に子宮鏡検査や子宮体癌・子宮内膜増殖症の検査をしておくことをお勧めします。
下記の記事も参考にしてください。