調節卵巣刺激では、10数個の成熟卵子を採取する目的で月経3日目より性腺刺激ホルモンFSH/hMG注射を開始しますがは、排卵が起こってしまっては採卵できなくなります。

 

このため調節卵巣刺激では、次の3つの排卵抑制方法のいずれかを選択します。

 

1.GnRH作用薬(点鼻薬)ロング法

  • GnRH作用をもつ薬剤ですが、使用し続けることでLHサージが抑制されます
  • 採卵予定前周期の高温相7日目頃から1日2回の片鼻点鼻を開始します
  • 自分で決めた時間で構いませんが、たとえば朝7時、夜7時というように使用します
  • 最終は、採卵決定日(採卵の2日前)の夜まで使用します
  • 一番基本となる排卵抑制方法です。

2.GnRH作用薬(点鼻薬)ショート法

  • ロング法と同じくGnRH作用をもつ薬剤を使用します
  • 採卵予定周期の月経2日目から1日2回の片鼻点鼻を開始します
  • 自分で決めた時間で構いませんが、たとえば朝7時、夜7時というように使用します
  • 最終は、採卵決定日(採卵の2日前)の夜まで使用します
  • 使い始めは下垂体からのFSHを刺激するのでFSH/hMG製剤による卵胞刺激の増強効果が期待されます
  • ただし、早く卵胞が大きくなりすぎたり、早過ぎると排卵抑制効果が得られないことがあります。

3.GnRH拮抗薬(注射液)アンタゴニスト法

  • GnRH作用を抑える薬剤です
  • 卵胞径が14-15㎜くらいに達した日から排卵を抑制するために毎日の注射を開始します
  • 採卵決定日(採卵の2日前)まで使用します
  • FSH/hMG注射に過剰に反応すると考えられる方、他の抑制方法でうまくいかなかった方に、この方法が勧められます
  • この注射を開始するとFSH刺激効果が弱まり、LHの分泌も抑制されますので、FSHの増量とLHを含むhMG製剤の使用が基本です。

クロミッドやレトロゾールなどによる低刺激法では、こういった排卵抑制ができないので

採卵前の排卵リスクは高まります。