ビタミンD女性の生殖(卵胞発育、排卵、月経周期、多嚢胞性卵巣症候群AMHなど)に関連し、ビタミンDが不足すると体外受精の妊娠率低下・習慣性流産に関与・新生児の体重や妊娠期間・妊娠高血圧症候群といった妊娠合併症・新生児の発育障害のリスクが高くなるとの報告があります。

 

Vitamin D and assisted reproductive treatment outcome: a systematic review and meta-analysis Justin Chu et.al. Hum Reprod 2018; 33: 65

この論文ではビタミンD濃度と体外受精成功率との関係についての11論文のレビューとメタ解析で、2700名の女性についてデータを解析しています。25-OH ビタミンD濃度が不十分(2030 ng/mLあるいは不足(<20 ng/mL)の方と比べると、充足(>30 ng/mL)している場合には、出産率のオッズ比:1.33、妊娠反応陽性率が、オッズ比:1.34、臨床的妊娠率がオッズ比:1.46と有意に良好な結果でした。流産率には有意差は認められませんでした。

 

Hum Reprod 2014; 29: 2032

体外受精を受けている女性の血中ビタミンD濃度は、妊娠率や出産率との間に関連があることを示しています。 胚盤胞の単一移植周期においてビタミンD濃度>20 ng/mLの方と比べ、ビタミンD濃度< 20 ng/mLの方では妊娠率が有意に低下しており、ビタミンD不足の場合に臨床妊娠率は0.61に低下することを示しています。

 

Fertil Steril 2014; 101: 447

提供卵子の移植を受けた方の臨床的妊娠率を調べたところ、ビタミンD濃度十分群(> 30 ng/mLと比べビタミンD不足群(< 20 ng/mL)で有意に低下し(78% vs 37%)、生産率も同様にビタミンD濃度十分群と比べビタミンD不足群で有意に低下していました(59% vs 31%)。このことから、ビタミンD不足は着床にも関連することを示しています

 

下記の記事もご参照ください。

ビタミンDとは?

女性生殖とビタミンDの関係

男性生殖とビタミンDの関係