男性不妊症における性機能障害は、勃起障害(ED)と射精障害に大別されます。これらは不妊原因としてだけでなく、生活の質を著しく低下させる原因と言えますので、適切な治療を行いましょう。今回は射精障害についてです。たとえ下記の治療で良い結果が得られなくても、人工授精(子宮内濃縮精子注入)や体外受精(特に顕微授精)で妊娠の期待は十分あります。

 

射精障害

うまく膣内に射精ができない方や、挿入前に射精をしてしまう早漏の方なども、性機能障害にあたり射精障害に分類されます。早漏・遅漏・膣内射精障害はコントロールができない射精障害です。

 

早漏は、パートナーと一緒にトレーニングすることである程度治療可能です。

 

また、膣内射精障害は、マスターベーターを用いたリハビリが有効です。

 

逆行性射精は、部分的または完全に精液が膀胱内に射精される状態です。原因としては、薬剤性、糖尿病、腹部手術後、特発性(原因不明)などがあります。薬物治療が奏功する場合がありますが、薬が効かない場合は、膀胱内からの精子回収、精巣内精子採取(TESE)、外科的治療が考えられます。

 

無射精 (射精がおこらない)、精液量の減少、勢いのない射精、射精時痛やその他の身体的苦痛やオーガズム障害に関しては、診断・治療に射精時の超音波カラードプラ検査が有効な場合があります。

 

恥ずかしさゆえに、受診が敬遠されがちですが、どんな性機能の悩みでも勇気を出して相談して頂きたいと思います。まずは、受診することから始めましょう!