ホテルを任せてもらえるようになって、
数字の勉強をしたり、
人材育成やチーム作りについて学んだり、
ビジョン・ミッション・パーパスみたいな事も考えたりして・・・
ブーカの時代とか、ガーファムがどうとか、AIだのweb3だのメタバースだのNFTだの・・・
時代に合わせて自分の頭をアップデートさせてきたつもりではいるんですけどね、、、
でもそれでじゃぁ、ホテルがうまく行くのかと言えば、そんなに甘い話では全然ないんですよ。
生産性を上げたり、資金繰りを安定させたり、従業員の待遇を良くしたり、色んな宣伝方法を試してみたり・・・
そういうのももちろん経営の視点で見ると大切なんだけど、
でもそんな事よりなによりいいホテルを創るために必要なことは、
ホテルに泊まるお客様の目を持つこと。
それも5年前、10年前と同じ目線で見ていてはもちろんダメで、
今の時代、世の中の情勢、今の季節、今日の天気・・・
顧客としての目線を常にアップデートさせてゆくことが大切です。
8年前、徹底的にお客様の目線にこだわって創った「ホテルふたり木もれ陽」、
自分が大切な人と訪れたいホテルはどんなホテルだろう?
お客様としての視点で見たホテルふたり木もれ陽。
お部屋、温泉、景色、料理、ワイン、料金、スタッフ、アメニティ・・・
もっと細かいところで見ると、ベッド、枕、タオル、シャンプー、リンス、歯ブラシ、髭剃り、ドライヤー、テラスの椅子、朝食用のテーブル、椅子の高さ、レストランの席、照明、食器、カトラリー、スタッフの距離感、館内着、館内履き、観葉植物、一輪挿しの花、送迎車、チェックイン、アウトの時間、ロビー、ラウンジのレイアウト、壁にかかる絵や掛け軸、部屋やロビーの香り、電話対応の声のトーン、予約やメールへのレスポンスのスピード、誕生日のお祝い、
他にもあれもこれも・・・
とにかく、お客様が木もれ陽で過ごす時間、お客様が木もれ陽を見つめる角度、そういうものを1秒単位、1ミリ単位でお客様の目線に憑依して、見て、感じて、
今、自分がお金を払って「ふたり木もれ陽」に泊まりに来ているのだとしたら、
自分はこのホテルに来てよかったのか、楽しめているのか、また来たいのか、友達や家族にお勧めしたいのか・・・
その視点を持ち続けてゆくことが大切。
どんなに忘れようと思っても肩にのしかかってくる「支配人」という肩書き、
最近では数字の上でのホテル運営や会社の経営といった部分に時間と頭と気持ちが引っ張られてしまうことが多くなりました。
自戒を込めて、「顧客目線」にこだわり、アップデートさせてゆこうと思うのであります。
試泊の必要性を感じている支配人