仕事をしていると、ついつい周りの人たちの「間違い」を見つけて
違う違う!そうじゃ、そうじゃない!って指摘しようとしてしまいます。
お客様のお名前を間違えてしまったり、
お金の計算を間違えたり、
駅までお迎えに行く時間を間違えたり、
アレルギーと伺っていた食材を使用してしまったり・・・
そういう明らかな「間違い」に対してはもちろん最大限の注意を払って、
間違いが無いように気を付けながら仕事をしなければいけません。
一方、「正解がない」と言われるおもてなしの世界、
血眼になって「間違い」を探すことこそが間違いなのではないかと思わされる場面にしばしば出会うことがあります。
そのお客様との距離感、違うんじゃない?
と思ってたらお客様はすごく喜んでくださっていたり、
シェフ!この盛り付け合ってる?このお皿は違うんじゃない?
と思っていたらお客様が大絶賛してくださったり、
今そんな作業してたら時間内に終わらないだろー!
とか言っていたのにちゃんと時間前に終わっていたり・・・。
ついつい自分の中の正解がみんなにとっても正解だって思い込んでしまいがちですが、
全然そんなわけなくて、こんなに多様な人たちが働く世界、みんな違っていて当然なんですよね。
「違い」は決してすべてが「間違い」とイコールなわけではなくて、ただ「違う」だけなんです。
ホテル運営の中でもそう、目指すべきものが共通していれば、そこに至る道のりは人それぞれ、個性に合わせた最善の違った道を行けばいい。
そうやって木もれ陽はこんなにも多くのお客様に愛されるホテルに成長をしてきました。
そんな話をしている中で、ふと20数年前にアメリカの語学学校で校長先生が教えてくれた言葉を思い出しました。
「It‘s not good, it’s not bad, it’s just different.」
良いとか悪いとかじゃなくて、ただ違うだけなんだよ。
国籍、年齢、性別、言葉、肌の色、文化・・・
地球のいろんな場所から集まってきた人たちの「違い」にストレスを感じていたあの頃、
この先生の言葉でふっと心が軽くなったことをよく覚えています。
今、目の前で起こっている違和感が「違い」なのか、「間違い」なのか・・・
しっかり間違わないように見極める必要がありそうですね。
君を逃がせない支配人