私たちが日々取り組んでいる「労働」は、3種類に分けられるそうです。
まずは「肉体労働」。
手を動かして、身体を動かして、
フィジカルな動きにより成果を生み出す労働のこと。
ホテルの仕事でも、お掃除したり、皿洗ったり、荷物運んだり、送迎に行ったり、料理とかドリンクとか作たりとか・・・
肉体労働、たくさんあります。
2つ目は「頭脳労働」。
頭を使ったお仕事ですね。
シフト作ったり、席割りとか部屋割りとか考えたり、プロモーションの作戦立ててプラン作ったり、
予約の対応もそうだし、あとは経理とか総務とかのお仕事もでしょうか。
まぁ、ここまでは知ってる話だったんですが、先日とあるセミナーで新しい考え方を学んできました。
それが、3つ目の労働でもある「感情労働」というもの。
お客様に感動を与えることを目指す我々ホテルマンにとってはめちゃくちゃ大切な部分のような気がします。
これからの時代を生き残っていくために、この3つの労働をしっかり整理して、どこに注力してゆくべきかを考えることがとても大切なのだとか。
少子高齢化、人手不足が深刻さを増す中で、限られた自分のリソースをどこに注ぎ込むのか、という話。
テクノロジーに任せる部分、自分がやるべきこと、真剣に考えないといけない時代に入っています。
肉体労働はロボットが代わりにやってくれる。
頭脳労働はAIが代わりにやってくれる。
そんな時代に向かっています。
では感情労働は誰が代わってくれるのでしょう?
誰も代わってはくれないんです。
どんなにテクノロジーが発達していったとしても、
あなたの笑顔の代わりはできない。
どんなに調理器具の性能が上がったって、名苗シェフが焼いてくれたお肉だから感情が揺さぶられるわけだし、
ワインと料理がそれっぽく数値化されて最適なマリアージュをAIが提案してきても、
そんな事よりソムリエが選んでくれたワインの説明を生の言葉で聞きながら、「おいしいねー」って言っていたい。
ChatGPTに支配人のふりしてブログを書いてもらったところで、支配人のこの熱い想いがお客様やスタッフに届くとは思えない。
一緒に喜んで、同じように怒って、哀しみを分かち合って、ともに楽しんで仕事ができる、そんな「人間」が隣にいてくれることの大切さ。
もちろん「肉体労働」、「頭脳労働」がしっかり機能したうえでの、「感情労働」の価値なのですが、
だから今までは「肉体労働」、「頭脳労働」の部分はおろそかにしちゃいけないし、そこが出来なきゃお客様に感動なんて与えられるわけがない!
そう教わってきたし、教えても来ました。
でもそんなこと言ってられない時代に突入したよ、っていうことを思い知らされる日々。
さてさて、木もれ陽の働き方改革、どうしたものか。
身体と頭も使いながら、それでもテクノロジーと上手に付き合いながら、感情にかける比重を増やしていこうと思うのであります。
感情的な支配人