平成17年3月2日(水)JSBA全日本スノーボード選手権大会 本戦 SBX
新潟県 妙高パインバレースキー場 天候 快晴のち雪
気温2.2℃~13.7℃ 雪温-2.5℃~-6.7℃ 湿度25%~40%
午前4時半、体中の痛みで目が覚めた。
すぐに痛み止めを飲んだが、なかなか寝むれずに暫らくボーッとしていた。
外を見ると、夜空には綺麗な星がたくさん光っていた。
結局そのまま朝を迎え、午前6時半頃から準備を始めた。
昨日とはうって変わって、太陽が顔を出し青空が広がってとても気持ちいい朝だった。
「今着きました、何処ですか?」
着替えをしているとT店長から電話がかかってきて
すぐ近くだったのですぐに合流する事ができた。
「大丈夫ですか?」
「全然大丈夫ですよ!」
心配かけてはいけないと思い強がって見せたが、痛みは全然引いてなかった。
午前8時から開会式が始まるので、バックパックを背負い板を持って会場に向かった。
ワックスセットはT店長が持ってくれた。
開会式のあとスタートエリアへと向かった。
スタートエリアには、北海道、東北、北関東、南関東、中部、東海、西日本東、西日本西の
各地区大会を勝ち上がった、総勢152名の選手が続々と集結した。
インスペクションまでにまだ時間があったが
フリーランをせずに体力を温存する為に休憩する事にした。
昨日に引き続き、1本目は全員がサイドスリップでゆっくりとコースを滑った。
ゲートから見る限り、3連ローラーが修正されたように見えなかったが
少しなだらかになっているみたいだ。

そして、キャニオンの手前で止まってランディングを確認したが
昨日より低くなっていてこれなら飛べそうだった。
結局キャニオンは一般男子だけが飛び、その他のシニアメン男子、一般女子
ジュニア男子女子の時は閉鎖され、迂回バンクコースのみが使用される事になった。
インスペクションは30分しかなく2本で終わってしまうので
2本目は本戦を想定してペースを上げないといけない。
でも、昨日の転倒が頭をよぎる。
ゲートに着いてみんなの滑りを見ていると
昨日とは違って、スムーズに3連ローラーを超えていたので少し安心した。
2本目をスタートし3連ローラーに差し掛かった。
しかし、問題なくクリアーしてホッとした。
ウェーブからキャメル、そして7連ウェーブを抜け始めてキャニオンを飛んだ。
1本目を終わった時には、キャニオンを飛ぶか迂回バンクに行くか迷っていたが
リフトに乗ってみんなの滑りを見ていると、ほとんどの選手がキャニオンを
飛んでいたので、迂回バンクに行ってる場合じゃないと思った。
特に問題なくキャニオンを超え、続くウェーブからテーブルトップを抜けて
ゴールまで気持ちよく滑れた。

ケガの事も、痛みの事も忘れるくらい気持ちよく滑れた。
「ヨシッ!いける!」
ゴールエリアを抜けた所で待っていてくれたT店長と
軽くコブシをぶつけ合い、スタートエリアへと向かった。
1回戦(152人)
いよいよ、全日本選手権が始まった。
ゲートに着いて、ここまでの道のりをいろいろと考えた。
空を見上げ、高ぶる気持ちを落ち着かせた。
ケガの事などすっかり忘れ、痛みも吹っ飛んでいた。
そして、前方をしっかりと見つめスタートに集中した。

オフィシャルが準備を始め、いよいよスタートだ。
「ライダースレディー アテンション!・・・・」
「ガシャンッ!」
ゲートが勢い良く開き、各選手が一斉に飛び出した!
しかし、出遅れてしまった。
3連ローラーを抜け、右バンクのインへ。
3番手!
目の前の2人に引き離されないように、ピッタリと後ろにつけた。
そして、バンクの出口に差し掛かったその時、なんとスピンしてしまった。
一瞬、何が起こったか分からなかった。
後ろからぶつけられたと思った。
しかし、目の前の2人を追いかける事だけを考えていて
バンク出口のイン側の旗門にノーズを引っ掛けてしまっていた。
目の前しか見えてなくて、視界から旗門が完全に消えていた。
今までたくさんの大会に出ているが、不可抗力でぶつかった事はあるが
何もないのに旗門に引っ掛けた事は一度も無い。
しかもイン側の旗門に。
何故、こんな大事な時に・・・。
スピンした後に転倒してしまったが、すぐに起き上がり諦めずに前を追いかけた。
次のウェーブで1人抜いて4番手。
キャメルを超え、7連ウェーブを抜けキャニオンを何のためらいも無く飛び
2WAYウェーブを抜けてテーブルトップへ。
4位。
何が起きたのか理解できなかった。
ゴールエリアを出て、リフト乗り場の手前で座り込んで暫らく動けなかった。
我に返った後、あまりにも初歩的なミスに言葉も無かった。
そして、暫らくしてリフトに乗りスタートエリアに戻った。
「お疲れ様でした」
T店長が握手をしてくれた。
「すみませんでした・・・」
自分には、この言葉を言う事しか出来なかった。
せっかく店を閉めて、わざわざ大阪から来てもらったのに申し訳なかった。
情けなかった。
スタートエリアで他のヒートを少し見たあと、荷物を持って下に降りた。
一度車に戻り荷物を片付けて、暫らくボーッとしていた。
その後、T店長と合流して一緒に休憩したあと
自分はどうしてもファイナルまで見たかったので
T店長は先に帰る事になった。
申し訳なかった。
そして、ファイナルまで見届けたあとに表彰式に行った。
2位は西日本東部地区優勝の20歳のK村君。
3位は東海地区2位の27才のU上君。
4位5位6位も各地区の上位選手だった。
表彰式を見ると、悔しさが込み上げてきた。
「いつかは必ずこの表彰台に」と思ったが、その前に全日本選手権は
そんなに簡単に来れる場所ではないので、もう一度初心に帰って
西日本選手権の1回戦から確実に、ひとつずつ勝ち上がる事だけに集中しようと思った。
そして、必ずまたこの場所に戻ってこようと思った。
3位のU上君に「おめでとう」と声を掛け、他のみんなと再会を約束して会場を後にした。
そして、車に戻って駐車場を出ようと思ったら、ちょうど2位のK村君が通りかかったので
「おめでとう」と声をかけてスキー場を後にした。
山を降りて国道に出ると、雪が降っていて路面も凍結していた。
しばらく走り妙高高原ICから上信越道に乗った。
しかし、雪は降り止まず高速道路の路面も凍結していた。
高速道路での凍結は久しぶりだったので慎重に運転した。
トンネルをいくつか抜け、信州中野ICを超える頃に雪は少し小降りになり
路面の凍結も溶けてきたので、運転しながらパン2個とおにぎり2個を食べた。
平日と言う事もあり、高速は特に渋滞も無く順調に進み
小牧JCTから名神に入り、瀬田東JCTを左に折れ京滋バイパスに入った。
そして、7時間半をノンストップで走り抜け午前12時30分に大阪に到着。
いつものように洗車を済ませ、午前1時、無事に自宅に到着。
総走行距離1056kmの遠征終了。
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初めての全日本選手権は、不完全燃焼に終わってしまいました。
結局、直接の敗因は旗門に引っかかると言う初歩的なミスでしたが
そのあと前を追いかける時に、気持ちの中で少し引いている自分がいました。
いつもなら、ほとんど捨て身の全開で追いかけるのに
転倒しないように、少しセーブして滑っている自分がいました。
前日の夜に気合を入れ直したのに、公開練習での転倒で心のどこかに
まだ弱気な気持ちが少し残っていたように思います。
斜面じゃなくて、ほとんどフラットな所に真上から叩きつけられるという
今までで一番危ない転倒だったので、肉体的にも精神的にもダメージが残っていました。
でも、完治してない左肩が助かったのと、頭も全く打ってなくて
何よりも、あの高さから落ちて大きなケガをしなかったのは不幸中の幸いでした。
病院に行くまでは90%以上、本戦は諦めていました。
それどころか、自力で帰れるかどうかの方が心配でした。
しかし、本戦の時は痛みを感じてる暇など無く、滑りにも影響が無かったので
結局は初歩的なミスと、気持ちの問題だったと思います。
でも負け惜しみでは無いけれど、自分の滑りさえしっかりと出来れば
全く歯が立たなかった訳ではなかったので、今後につなげたいと思います。
わざわざ大阪から応援に来てくれたT店長をはじめ、会場に来てくれたKY2さん
そして、応援してくれたチームのみなさんやその他のたくさんのみなさん
不甲斐ない結果に終わってしまって、本当に申し訳ありませんでした。
初心に帰り、また一から出直します。
そして、この悔しさは今シーズンの残りの大会にぶつけたいと思います。



