※ 以前に投稿したブログです。なぜか消えてしまったので順番に再投稿しています ※
その日の朝、いつものように会社に向かう為に駅のホームで電車を待っていた。
何気なく後ろを見ると、少し離れた所で女の子がこちらを見ていた。
『????』
気になったので、もう一度振り返って見てみた。
まだ彼女はうつむき加減で、少し恥ずかしそうにこちらを見ていた。
よく見ると、手にはプレゼントらしきキレイな紙袋が。
『えっ?まさか・・・。』
自分は一度前を向いて冷静に考えた。
そして、気付かれない様に横目でもう一度そっと確認した。
すると、なんと彼女はゆっくりとこっちに近づいてきた。
『えっ?告白されんの?』
『オイオイちょっと待ってくれよ~ 急にそんなこと言われても困るで~』
自分は調子に乗って、少しニヤニヤしながら得意げに勝ち誇っていた。
「あの~・・・。」
とうとう彼女が声を掛けてきた。
「はい。」
人生最高の笑顔で振り返った。
「あの~・・・。」
まだ決心がつかないのか、彼女はなかなか話を切り出せないでいた。
「何か?」
彼女の気持ちを後押しをするように語りかけた。
「あの~・・・・。」
「はい。」
「コートの裾に、クリーニングのフダが付いてますよ。」
「はい?」
「裾にクリーニングのフダが・・・。」
コートの裾を見ると、メッチャ目立つところに思いっきしピンクのフダが付いていた。
「あっ、あっ、ありがとうございます・・・。」
自分は慌ててそのフダを引きちぎり、逃げるように電車に飛び乗った。
数年前の、バレンタインデーの朝の出来事だった。
