結構忙しくやっていて、ブログ更新できなくて、すみませんでした。
カム研磨機の進捗ですが、やっと電気工事も終わり動き出しました!!やっとです・・・
カム研磨機第1弾として、かなり前からご依頼いただいていたスカイライン54Bのカムシャフト研磨行いましたのでちとご紹介!!
こんな感じで加工してます。
まずは54B/A G7エンジンの純正のカムスペックみてみましょう!!!
まずは純正カム計測だ!!!と言う事でこんなカム検査治具作りました!
ちと違うカムを検査してる写真!!
こんな感じでカムDATAとります。1:作用角 2:リフト 3:シングルカムならば吸気と排気の位相角(バルブタイミング)計測 4:カム山の必要なリフター径及びロッカーアームのチップの長さ(当たり長さ)の計測。とまあほぼカムにとって必要な情報が計測できる検具作りました。
これ平タペットのカム計測する時!
カムに当たってる真鍮の部品がリフターの代わりになっています。イメージはエンジンを逆さにしてリフターの動きを計測してる感じです!
んで、この真鍮のリフターの代わりの部品は2種類用意しています。
左側はカムの当たり面にR50が掛かっている治具はロッカーアーム式カムの時に使います。L型とかポルシェとかのロッカーアームのチップのRに相当します。
右側は直打エンジンの平タペット用のフラット形状用です。
こんな検具を用いてG7エンジン カムの純正DATAを測りました!
《G7 純正カム》
●作用角:58°
●リフト:5.8㎜
●吸気/排気の位相:108°・・・中心角と勘違いする方いますがあくまで吸気排気のバルタイです。
こんな感じのカムでした。
んで、このDATAを元にどんなカムにするかクライアント様と相談です。
候補1!
こいつです。当時の54B G7 ファクトリーレーサーのカムだそうです
スペック
作用角:70°(280°)
リフト:7.8㎜
です。
候補2!
こいつです。
スペック
作用角:66°(264)
リフト:8.0㎜
このカム L型で良く使うカムで、アイドリングもしかっり打つし、エアコン効くし、車検OKだし!と、なにかと結構ナイスなカムです。
候補:3
こいつです!
スペック
作用角:67°(264)
リフト:6.8㎜
候補1・2に対してリフトを抑えてあるプロフィールっすね!!
こんな3種類の候補から今回の使用に合うプロフィールをクライアント様に選んで頂きました。結果は、候補3の67° 6.8㎜リフトのプロフィールで吸気・排気のバルタイ(位相角)も純正と同じで研磨する事に成りました。
理由は動弁系を今回はいじらないとの事なのでスプリングの密着等を考慮すると純正比リフト+1.0㎜の候補3が限界だろうと言う事で決定しました。・・・まあ・・・1.0㎜アップでもスプリングの密着とかガイドとの干渉等の関係は必ず確認してね!ロッカーのレバー比を考える1.2㎜程度はバルブリフト増えると思いますので!と申しつけました。
ちと、G7エンジンの弱点というか・・・思う所があってですね・・・ちょいと紹介!
G7はロッカーアームの支点が、カムタワーに支持されたロッカーシャフトになります。L型とかU型のピボット支持とは異なっています。
こんな感じです。
このレイアウトだと、カムとロッカーアームとの位置関係が固定されてしまっています。
L型等のピボット式ロッカーはバルブサージングでロッカーが外れる可能性があるのでG型のこのシャフト式のロッカーの方が優れている!と言う方々も結構居ると思います。が…私の考えはちと違ってます。
G7特有の問題点を説明する前に、カムのリフト量とベース円の径の関係をご理解頂く必要がありますのでちとご説明!G7エンジンのカム保持構造はL型なんかと同じでカムホルダーに貫通させ保持する構造です。この構造のカムシャフトのカムロブ高さはカムジャーナルより高くできません!カムジャーナルより高くしちゃうとカムが取付できません!なので純正カム山高さはジャーナル径ぎりの高さになっています。これはL型も同じです。そして今回の様にカム山のリフトを上げると、カム山頂点はそのままに、ベース円がリフトが上がった分当然小さくなってしまいます。・・・これは素材カムで削ったとしてもカムジャーナルが規制してしまうので、リフト量が同じであればベース円径は加工カムと同様になります。・・(但し吸気と排気の位相を変える場合を除く!)こんなことからG型とかL型も素材カム使ってもあまり意味ないと思っています。要はG7エンジンのカムは加工カムであろうと素材カムであろうと、リフトが上がると必ずベース円が小さくなることをまず理解してください。
そしてここからがG7エンジンの弱点というか・・・私が嫌いな部分でです・・・G7はカムとロッカーの位置が固定されちゃってる構造で、カムのベース円が小さくなるとロッカーアームチップ位置が小さくなったカムのベースにつられ上がってしまいます。そうなると、どうしても前上がりなロッカーアームのジオメトリーなちゃうんです。要は以前ご紹介したロッカーのジオメトリーで前上がりになるとバルブリフトが下がるのと同じ現象が出てしまいます。下記参照下さい。
なので、折角ハイリフトなカムに加工してもロッカーの傾きが悪さしてカムリフトが上がった分、バルブリフトに反映できないんです!このロッカーの傾きとバルブリフトの関係が理解できていればロッカーの支点が固定されている事が弱点なんだと理解出来ると思います。要はカムリフトを上れば上げる程、ベース円が小さくなってしまい、ロッカーのレバー比がどんどん悪化していく!という最悪なループに陥っていくのがG7なんです。・・・ロッカーシャフトの位置変えられればよいのですが・・・ちと大手術ですので・・・
因みにL型とかU型はピボットの高さが変えられるのでこんな問題は起きません!
本当はG7エンジン結構昔からいじっていて、色々書きたい事いっぱいあるんですが時間ある時にまた書きます。
と言う事でG7カム完成です。
では、納品です。
因みにカム研磨価格を乗せておきます。・・・すみません!機械代・運送費・工事費等ちと結構掛かってしまったので、当面これでやらせて頂きます。
以上














