SRL311 U20エンジンのオーバーホール兼チューニング依頼頂いておりまして何とか終わりましたので、ご紹介いたします。
(オーバーホール・チューニング内容)
(腰下)
●ボア:φ91.5 ストローク:純正83㎜で2183㏄仕様!R型コンロット+流用ピストン仕様!
●クランク:錆出てましたので、親・子0.5㎜アンダーサイズメタル組み+一体バランス取り。
●フライホイール:弊社フライホイール購入して頂きました。
●クランクプーリー:リジット加工。
(HEAD)
●バルブガイド製作~入れ替え~バルブリフェース(37度特殊)~シートカット~すり合わせ
●ハイカム加工:F1カム(73度 9.3㎜リフト)+SQ処理
●弊社インマニ購入頂きました!・・・ポート加工も込み!!
●HEAD組み付け!
ざ~~とこんな感じの、200馬力位出るであろうスペックです!!
まずは下周りのご紹介!!
流用ピストン+R型コンロット仕様!
定番っすね~~!!このR型コンロット仕様結構軽く高回転まで回ってくれて楽しいです。
詳細加工紹介です。
PISTON加工
●PISTONトップ落とし
●リセス追加
こんな感じです!!
CON-ROD加工
●小端部幅変更
●小端部ブッシュ入れオフセット加工
1.5㎜延長してます!!
●コンロットBOLT ARP強化品・・・まだ届いてませんので取り敢えずR型純正です。
R型コンロットBOLTって3/8inサイズ(M9.5相当)でL型なんかのM9コンロットBOLTより断面積大きい分強度有る筈です。材質なんて当時から今の時代までさほど高張力なんて変わらない筈ですのでまあ、純正でも十分かな~~とも思いますが、まあお守り的にARPにする予定です。BOLT到着したらおくりますね~~!!
クランクシャフト!
●親子0.5㎜アンダーサイズ研磨!・・・親5/100㎜クリアランス 子4.5/100クリアランス
●一体バランス(フライホイール+リジット加工品プーリー一体バランス)
フライホイール取付面に合いマークありますので、フライホイール会いマークで組んでくださいね~~!
お次にフライホイール!!
4.3㎏の軽量品!!!
L型クラッチでも、U20クラッチでも使える様になってます!・・・ノックピン位置変える事でどっちでも使える様になっています。まあL6用クラッチ使ってもらった方が踏力軽いしお勧めです!
クラッチはご用意ください。
写真の赤マークは一体バランス取ったので、クランクとの合いマークですので組む時は会いマーク合わせてくださいね~~!!
クランクプーリーです!
リジット加工してます。まあやった方がいいですよね~~!!
この加工かなり最近多くオーダー頂いてます・・・もっと早くご紹介すればよかったですね!!
シリンダーブロックです!
ボーリング・ホーニング(ダミー付き)・・・クリアランスは4.5/100㎜で取ってます。
んでもって下記の様にオイル穴はPTネジ加工してしかっり清掃しました!!
因みにのお話です・・・
クランクCAPの止めBOLTのお話です。って純正はワッシャー挟んでないですよね!
ワッシャーを挟むのが好きな方、結構見受けられますが、挟まない方が正解です。
理由は、締結トルクを有効にBOLT軸力に変える為に、摩擦発生部位を極力減らす為にワッシャーは挟みません。ワッシャーを入れると、まずBOLT座とワッシャー面で摩擦が発生します。んでワッシャー面とCAP面でも摩擦が発生します。こんな感じで2重の摩擦が発生してしまう為に、摩擦1回分軸力が低下してしまってBOLT緩みの原因になり易くなちゃうんですね~~!!もっと最悪なのはぺなぺなのワッシャーを挟んでる場合です。ワッシャーが座屈(潰れた)した瞬間にBOLT緩みに繋がります。
これ、CAP BOLTアップです。注目して欲しいのは6角の工具が掛かる部位の下側のCAPと当たる所に、BOLT軸と直角になる様にまるい形で追加加工(コイニング鍛造)入れてます。
コストアップに繋がるのですが此処に追加加工入れるのはBOLT軸力を安定させる為の方策なんです。
一般的なBOLTを作るときって、6角頭をアプセット鍛造って方法で頭の部分だけ赤めて6角頭をダイスで鍛造して作って~ネジ部を転造してハイ!完成ってな感じで作ります。こんな作り方したその辺のBOLTみて貰うと判るんですが締結物と当たる側に6角の頂点に山みたいな感じで鍛造時の変形が必ず出てるはずです。この山みたいな変形が軸力を著しく不安定な物にします。なのでひと手間掛けて鍛造時の変形を取り除いているんです。高トルク指定してるBOLTはほぼ〇い形で面出ししていると思いますのでちとチェックしてみてください。
高トルク締結部位の締結は結構難しいっす。まあ純正部品使って、指定トルク(角度締め)を守るのが一番だと思います。・・・アルミ地は、いちがいには上記内容はあてはまりませんので、U20のキャップBOLTのお話として理解してください!!
お次にジャッキシャフトは錆びおとしときました~~!!
チェーンガイド
止め穴テーパー加工。
締結用のM6皿BOLT(トルクス)入れるの忘れちゃっいましたので後送りしますね!
腰下はこんな感じです。
お次はHEADいきます。
まず、LHD(左ハンドル:北米)仕様のエンジンとの事で、弊社インマニ購入頂いてウェーバー化するとの事です。
別なお客様も購入してくれましたので、2台分用意しました!!
SR311 U20エンジン用インテークマニホールド詳細は下記参照してください。
左ハンドルのお客様で、エンジンオーバーホールがてら弊社インマニ使ってウェーバー化する方結構最近増えている気がします。
弊社インマニにあわせてポート機械加工します。
機械加工後のポート入口アップ!!
気持ちいいドンピシャ!!
奥の段付き修正もおこないますよ~~!!!
こんな感じでポートしあげました!!
バルブの傘見える!!そんな生半端なもんじゃなくて、U20はバルブリフトすると燃焼室のプラグ見えます^^!
機械加工したポートはホントいい感じで仕上がります。馬力でますよ~~!!!
次にガイド製作です!
本当は亀有さんのガイド使いたかったんですが、下穴がオーバーサイズ加工されてしまっていて使えませんでした!!なので製作です!!
下穴かなりばらついていますので、弊社は、しっかり各下穴径測ってやって、各下穴に締め代をとったガイドを製作します。なので製作ガイドは下穴に合わせ寸法違いを8本製作します。手抜けないとこなんでめんどくさくても8本違う物作るんです!!そしてしっかり締め代確保した穴にぶち込むんです^^!
次の動弁系です。
基本は純正品オーバーホールでビックバルブにはしません。
このヘッド一度北米でオーバーホールしている様でバルブスプリングは対策品に代わってました。ラッキーです!!下の写真のスプリングは上と下で不等ピッチになってますよね。これ対策品です。対策前のスプリングは等ピッチの奴で材質がピアノ線になってますの注意が必要です。
対策スプリングは、すでに生廃なので今回はこのまま洗浄して組み付けます。
バルブはカーボン落とし~ザッと磨き~リフェースです。フェース角度は37度の高フロー加工します。シートカットも合わせて37度の特殊カットします。
こんな感じです。大外当たりのいい感じのカットできました!!
ポート形状と合わせて、すんごく馬力出そうです^^!
いい感じです!!
お次に燃焼室容積測ります!
圧縮比決めたいので!!
シートカット後の一発目の計測で40.5㏄です・・・結構すでに面ケンしてありますね~!!
次に
PISTONリセス容積測ります。
ピストンのリセス容積は、計測はジグ無いと測れません!!
と言う事でジグ作って計測してます。
リセス容積:6.0㏄です!
んでもって最終面ケン!!
容積測ってる写真撮るの忘れましたが、39.5㏄です!!
上記リセス+ガスケット+燃焼室で、圧縮比11.5:1となりました!!
まあ、いい線ですね!!!カムとの相性もこんな感じが良いとこでしょ!!!
お次はHEAD組み付けです!!!
弊社でHEAD組の際、ハイカムであれば万が一のことを考慮してロッカーアームのチップの前後のボス(山の様な形状部)を削ります。
奥が純正です。手前はボス(山)削ったものです。
こうする事で、カム山がチップにあたる前にチップの前後のボス(山)にあたちゃう事を防止しています。こんな所にも気をつけながら・・・HEAD組んで行きます。
今回は俗称F1カム(73度 9.3㎜リフト)を組みました!このカムHONDA F1第2期のエンジンに組まれていたカムらしいです。かなりいいカムです。以前BREカラーのSR311をJCCAで走らせていまして、当初は亀有の77iカムを組んでいました。筑波のペアピンでどうしても谷に入って加速しない!!んじゃF1組んでみんべ!と言って組んだら谷無くなってタイムで1秒半短縮しました。ピークは77iカムの方が馬力でるんだと思いますが・・・いやF1も負けてないな~~!!U20はどんなに回しても8000RPMがいいとこと考えると77iカムはいい所ないですね。
と言う事で、F1カム組んでのバルブリフトの計測!
バルブリフト:13.4㎜です!
まあいい感じですね!
オーバーラップは吸気排気振り分けで3.5㎜です。
いい感じですね!!
と言う事で、ざ~~と書いてしまいましたが・・・U20オーバーホール兼チューニング完成です。
エンジン発送いたしましたので、ご不明な点・問題あれば何なりとご連絡下さい。
では!!!

























