奇岩游仙境と白山信仰の寺に心洗われる。 | 乗り鉄親爺の寺巡り

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鉄道大好き親爺が列車や車で、写真を撮ながら、時々計画を立てて、大好きな作家五木寛之さんの「百寺巡礼」のように全国の寺巡りをしています。

2021年11月24日(水)

 

おやじの百寺巡礼≪NO10≫

那谷寺(なたでら)

石川県小松市

 

金沢の大乗寺を後にして、金沢外環状道路、

山側幹線を小松方面と向かった。

 

小雨が降っている。時折、氷雨(ひょう)も降ってきた。

ただ、小松方面は青空が見えている。 

不思議な天気だ。

 

途中8号線沿いの道の駅(こまつ木場潟)に寄り道し、

お土産を買った。

 

次の目的地は那谷寺である。

 

三度目の訪問になるが楽しみにしている。

 

紅葉の最盛期は少し過ぎている様だが、

見ごたえのある寺である。

 

 

境内にはまるで鳥居のような柱に、

しめ縄という変わった門(大鳥居)が迎えてくれた。

 

山門(楼門)をくぐり、長い参道を歩き

大悲閣(本堂)を目指した。

 

 

 

苔むした参道が続いている。

進むと左手に切り立つ奇岩がみえる。

 

奇岩游仙境(きがんゆうせんきょう)」である。

 

絶壁に石段が作られ、洞窟が点在している。

かつて多くの行者がこの洞窟で修行に励んだといわれている。

 

見事な景色である。

 

 

明治初めの廃仏毀釈からも逃れた神仏混合の寺である。

鳥居も至る所に点在している。

 

 

白山信仰の寺でもある。

境内には若宮白山神社も鎮座している。

 

大悲閣(本殿)が見えてきた。

 

大悲閣(本殿)は

京都の清水寺と同じような舞台造りのお堂

堂内は岩窟とつながり、

本尊、千手観世音菩薩を祀っている。

 

周りは「胎内くぐり」と呼ばれる細い通路になっていた。

ここに入り、再び出てくることで

新しく生まれ変わると昔人は信じていたそうである。

 

坂を上ると三重塔が見えた。

 

那谷寺は717年に高僧・泰澄が創建した白山信仰の寺である。

 

三重の塔にも注連縄(しめなわ)が張られている。

 

さらに進むと鐘楼が見えてくる。

 

立派な鐘楼である。

土台は石造りの上に板を張っているという。

まことにどっしりとしている。

 

那谷寺は鎌倉時代には

二百五十もの塔頭が並ぶ大寺院として繁栄していたが

室町末期の一向一揆により伽藍を焼失、以後衰退した。

 

それを救ったのが加賀三代藩主・前田利常であった。

利常は伽藍を再興、現在の堂宇はその時以来のものという。

 

紅葉には一週間ほど遅れたようだ。

しかし、雨もやみ、

静かなたたずまいの寺社仏閣を見ることができた。

 

思い出に残る寺の一つになった。

              (2021、11、27記)

 

那谷寺(なたでら)

【宗 派】 真言宗別格本山

【山  号】自性山

【所在地】 石川県小松市那谷町ユー122

【電 話】0761-65-2111

【拝観時間】 9:15~16:00 年中無休

【拝観料】 600円

【交 通】JR加賀温泉駅から粟津温泉行バス

     「那谷寺」下車徒歩5分