(星野富弘、魂の詩人)

 

 

 

 

24歳で全身不随となり、全身不随のまま78歳まで、54年間を生き抜いた魂の詩人・星野富弘が1週間前の4月28日に亡くなった。本日が葬儀だった。牧師の内田和彦が語る。

 

星野富弘兄と親しくお交わりをいただいて、いつも思うことは彼の「内なる人」の豊かさでした。実に50年以上も前に彼の「外なる人は衰えて」しまいました。自分ではほとんど何もできない体になってしまい、 絶望の淵に立たされたのです。しかし、そのような中から彼は立ち上がりました。体は立つことができませんが、彼の心に新しいいのちが注がれ、内なる人は日々新たにされていくことになったのです。「すべて疲れた人、重荷を負っている人はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」と言われるイエスに従って。

 

その時のことを富弘さんはこう記しています。

私は聖書のほんの一部しか、それもほんの上っ面しか分かってはいなかったが、キリストの「私の所へ来なさい」という言葉に、素直についていきたいと思った。私の今の苦しみは洗礼を受けたからといって 少なくなるものではないと思うけれど、人を羨んだり、憎んだり、許せなかったり、そういう醜い自分を、忍耐強く許してくれる神の前にひざまずきたかった。許されても、許されても、聖書のいう罪を犯しつづけるかもしれない。苦しいといってわめき散らす日もあるかもしれない。でも、「父よ、彼らをお赦しください。彼らは何をしているのか、自分でわからないのです」と十字架の上で言った、清らかな人に従って、生きてみようと思った。 

 

この時から、富弘さんの内なる人は新しくされ、新しくされ続けてきたのだと思います。

 

 

 

    (2019年4月28日 左から星野富弘、渡邊さお里、古鳥史康)

 

 

 

いのちより大切なもの  ー 群馬県赤城山の麓にてー

(2018年11月11日)

 

 

驚くほど表情豊かで視線に目力がある  ー渡良瀬川渓谷にてー

(2019年  4月28日)