水上先生を囲んで。 左から西田啓作(ヒューマン・レジスタンス社長)、山内俊夫(元文部科学副大臣)、大谷雄策(元三井信託銀行役員)、坂上芳洋(日米合同演習の日本側総司令)、そして水上治、フミヤス

 

 

 

医学博士・水上治の「いのちいとおし…一医師が見るいのちの諸相」の連載が素晴らしい。

 

連載は、文化団体「日本の文化伝統そして日本人のこころ」(加藤正廸・アマン東京社長)の、特集「水上治」で連載開始した。

 

 

 

水上先生の魅力は、何と言ってもその精神性の高さにある。水上治が語るからこそ、日本人の愛と和の精神が輝きを放つ。水上治が語るからこそ日本の文化が意義を持つ。

 

何しろ水上先生と大谷さんとおれの3人で会食したとき、その帰り際、水上先生に後光が差して見えたことがあったほどだ(笑)

 

⇒ 忘年会特選、本年もありがとうございました。

 

 

先日、その大谷さんが「自分は人の仕事や実績は厳しく正確に評価することができるが、精神性とか神とかの概念はさっぱりわからない。」と言っていたが(笑)、たしかにモーレツビジネスマンとして出世の階段を駆け上った、根っからの闘争本能の持ち主である彼はそうなのだろう。

 

しかし世の中はいろいろな人がいて、ときに人の目には敵対者に見える連中も、水上治の語る愛と和によって、彼らを責めることもなく、しかし彼らに譲ることもなく、結果的に彼らの意図することは自滅して、世界は大きく調和して進んでいくのである。

 

むしろいろいろな人がいていいスパイスになるわけだ。

 

 

 

さて、連載「いのちいとおし…一医師が見るいのちの諸相」にて、水上治は珠玉の言葉を語っています。

 

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≪1.与えられたいのちをどう生きるか≫

 

1)いのちに直面している日々

私は、いのちの神秘に惹かれて、この仕事を選びました。病院は、いのちの誕生から死までを扱う唯一の場です。長年の臨床で、私は確信を持っています。

 

人の誕生は、誰もが新たないのちの息吹を素直に喜ぶ瞬間です。いのちが良好なら健康を保ち、より幸せな人生を送ることができる、いのちが低下していれば病気になり、夢の実現の妨害になる。

 

 

2)いのちの不思議

医師として毎日驚くのは、人間の生命力、いのちのすさまじさです。16世紀のフランスの偉大な外科医アンブロワーズ・パレが言ったように、「我包帯するのみ、神癒したもう」です。

 

インフルエンザだろうが新型コロナだろうが、罹っても大抵の人は1週間もすれば自然に治ります。末期的ながんでも難病でも、時に完治するのは、いのちのおかげと言えます。言うまでもなく、我々の体の自己治癒力は、生命力あるいはいのちと言い換えても良いでしょう。私たちは病気にかからないよう、罹っても治るよう、実にうまく設計されているのです。当初から、遺伝子などにこの重要ないのちの情報が書き込まれていると言えます。いのちによって生かされていること

 

 

3)いのちは精密の極致で美しい

37兆ほどの細胞で出来ている私たちの体は、あらゆる部位を取ってみても実に精巧にできていることに驚かされます。しかも多少の破損には自動修復機能があります。

 

目の構造を見てみましょう。情報は水晶体から入り、網膜で像を結びます。網膜には1億個以上の光覚細胞があります。網膜で複雑に変換された情報が視神経を通して脳に運ばれ、視覚を統合する分野で瞬時に処理され、人は正確な情報を得ます。最新のテレビカメラでも、足下にも及ばない色彩と精密さに圧倒されます。 聴覚、心臓も肺も、肝臓や腎臓も、食道や胃腸も、子宮・卵巣、精巣も、甲状腺・副腎などの内分泌系も、脳も、実に素晴らしく出来ています。いのちはとてつもなくすごいのです。いのちに接すれば接するほど、その精密さ・美しさに、私は感動します。

 

 

4)いのちはどこから来て、どこに行くのか

ゴーギャン晩年の傑作の絵「われわれはどこから来たのか?われわれは何者なのか?われわれはどこに行くのか?」を見に行ったことがあります。何とも説明不能の決して忘れられない特異な絵です。人生を通しての彼の根源的な問いに対して、きちんと答えられる人は誰もいません。科学はこの重大な質問に沈黙を守るのみです。

 

いのちは偶然の産物だから、人生に意味はなく、虚無的に生きて当然だ、と考えることは可能です。しかし、人のために生きるいのちは美しいと感じませんか。本来いのちは美しい、品位あるものだと私は思います。

 

 

5)大宇宙の中のたった一つのいのちはいとおしい

あなたは大宇宙の中のたった一つの生命体であり、いのちです。家族や友人の一人一人もいのちであり、世は多数のいのちによって構成されています。そしてお互い支え合っています。だからこそ、自分だけでなく人のいのちも大切にすべきなのです。利己的な生き方は、いのちの法則に反し、病気を招きやすいことがわかっています。

 

 

6)いのちいとおし

いのちは自分が創ったのでなく与えられたものです。私たちは勝手に生きているのでなく、生かされているのです。いのちは奇跡そのものです。

 

与えられている自分といういのちに感動し感謝して、他のいのちと支え合いながら、美しく一瞬一瞬を生きることが悔いのない人生だと私は確信しています。そして「いのちいとおし」の生き方が、より健康的で幸せな人生を送りやすいことを、患者さんを通して教えられてきました。やはり、いのちはいとおしいのです。

 

 

(続く)

 

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以上、水上治の連載「いのちいとおし…一医師が見るいのちの諸相」より。

 

 ⇒ 日本の文化伝統そして日本人のこころ