10年ほど前、完全歩合の営業の仕事をバリバリしていた時、結構人が周りにたくさんいました。
ある時から一瞬で周りから人がいなくなり、そしてずっと一人でやってきながら、ここ5年はワイナリーを作るためにワイン業界、自然栽培業界を中心にして、これまでにないたくさんのご縁が拡がってきました。
さて、
「合わない人からは離れればいい」というお話をよく聞きます。
いわゆる「人の断捨離」ですが・・・、
自分がこれを一時期意識したり、あるいは、それにこだわったりしている”一般”の人を見ていて思うのですが、あまり幸せな感じではないのです。
むしろ悩みが深くなっている感じだったり。
なぜかなぁ、と思っていましたが、気づきました。
まず大前提として、他人は必要です。
一人では生きていけない。
で、幸せな精神状態で生きるためには”自尊心”が大きなキーワード、というかセンターピンだと思いますが、その自尊心はどこからくるのか。
自分の中から湧き上がる自尊心。
周りとの関係性から得られる自尊心。
この2つ。
それはどちらか一方ではなく。
それは表と裏のように、密接に関係しているのだと思います。
ホモサピエンスは社会を作ることで生き延びてきたわけで、遺伝子レベルで組み込まれているものなのだと思います。
ということで、結論としては、周りとの関係性が一つ切れると、例えば自尊心ポイントが1ポイント減るわけです。
幸せ感が1ポイント減る。
それを埋めるためには、新しく他者との関係性を作るか、既存の人との繋がりを深くするか、自分の中の揺るぎないものを1ポイント作るか。
すなわち、たくさんの人と出会える状況にある人、もしくは出会う努力をする(機会をできるだけ作る)のでなければ、断捨離していくとどんどん周りとの関係性がなくなり、力が失われやすくなるわけです。
関係性がなくても大丈夫、という場合、よほど強い心が必要なのだと思います。
よく、「人は断捨離しましょう」「合わない人とは離れれば良いよ」という言葉を耳にするけれども、それを言っている人は、だいたい、人に囲まれている人。
断捨離しても、いくらでも他に人がいるわけです。
そういう状況になる天性のカリスマや可愛らしさがあったり、そうなる努力を続けた人だったり。
だからそういう助言を真に受けず、では私みたいに普通の人間はどうすれば良いのか。
・人との関係性がなくても自尊心を維持できる修行を積む。
・合わない人を切りたい場合はそれと同じくらい人とのご縁をいただく機会を作る。
・既存の合う人との関係性を一段深くする。
・合わない人をそのまま受け入れられるだけの度量を自分で育てていく。
このどれかなのでしょう。