季節を彩る魚沼の蝶たち(その1) | ふるさと干溝

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路傍の風景、四季の風。豪雪の里から路傍の草花や雪の里山など、四季折々の風景を綴ります。ブログの説明を入力します。

202421日(木)雨

 

季節を彩る蝶たち

 新しい年が始まり、すでに一ケ月が過ぎまして、暦は2月に入りました。

 風景は相変わらずに色彩のない世界が続いています。こんな中、家で停滞していますとブログに向かっても書くことがあまりありません。それでは寂しいものですから少しは彩を添えて、魚沼の季節の蝶たちをまた紹介してみましょうか。

 一度に多くは紹介出来ませんので、10種類ずつくらい数回に分けてやってみようかと思います。

 

 魚沼では雪が降る頃になると蝶たちは見えなくなります。成虫越冬する蝶が小春日和の陽だまりに出て来ることがありますが、白い雪が降るころは皆隠れてしまいます。

しばらく雪まみれの日々が続いた後、やがて季節は立春の頃から少しずつ春の気配がやって来ます。

 

 

1.ヒオドシチョウ(緋縅蝶)

 ヒオドシチョウは3月から11月の厳冬期を除く時期にはよく見られます。緋縅とは戦国武者の鎧の腕の部分だそうです。戦国武将の甲冑は色鮮やかなものが多くその艶やかな色をこの蝶にイメージしたようです。

 人々が待ちわびた春の気配が里の山に溢れる頃。稜線の雪だまりにそれを守っているかのように其処を死守している蝶があります。占有行動と言うらしいです。それがこのヒオドシチョウです。近付くといったんは飛び立ちますが、すぐまたそこに戻って来ます。

       

ヒオドシチョウ(緋縅蝶)

 

 ヒオドシチョウが稜線の残雪に見られるようになりますと、雪国の春は駆け足でやって来ます。すると季節の進み方に合わせた蝶たちが、顔を見せに来ます。

 

 

2.ギフチョウ(岐阜蝶)

 ギフチョウは魚沼市にはギフチョウ、その関東地方側にはヒメギフチョウと棲み分けているそうで、その境目をリュードルフィアラインというのだそうです。このラインは山形から岐阜、静岡にかけての山岳地を通っていて、一部混生地域があるものの、西側と東側に棲み分けているそうです。このラインの西側に位置する新潟県はギフチョウが棲んでいてコシノカンアオイ、ユキグニカンアオイなどのカンアオイ属を食草にしています。ます。

 

 大力山にはゴールデンウィークの頃に沢山見られます。ギフチョウの幼虫の食草にカンアオイが好まれることからこの蝶が翔ぶ付近を探すとコシノカンアオイや、ユキグニカンアオイガ見つかります。

 

 けっこう目立つ蝶なので大力山のあずまやで休んでいると飛んできますし、魚沼の里山ではあちらこちらでよく見つけることが出来ます。

   

ギチョウ(岐阜蝶)

 

 

3.コツバメ「小燕」

 コツバメは独特の模様をしているので見間違えることはありません。コツバメの出現期間は割合春の限定的な期間で、時期が過ぎるともうこの年に行き会うことはありません。

 この蝶の面白い仕草は、日向が好きなので太陽光線の日差しに直角に翅を向けて止まる所です。ちょんちょんと飛び回りながら、翅をお日様方向に傾けているのを見ると微笑んでしまいます。

   

 斜めになってお天道様に羽を向けています

 

 

 

4.ミヤマセセリ(深山挵)

 この蝶は年に1回、早春に出現、コナラ、クヌギなどのブナ科の葉を食べる。深山を冠していますが魚沼市では日当たりの良い里山の稜線によく見られます。地面で日向ぼっこをすることが多く、私のアルバムには地面に止まっている写真も多いです。出現時期は3月から4月とありますが、雪国の魚沼市では5月頃によく見られます。

ミヤマセセリ(深山挵)

 

 

5.ヒメシジミ(姫小灰蝶)

 それから季節が少し進み春から夏にかけて蝶の活動も随分活発になり、見られる種類も増えてきます。ナワシロイチゴの花が咲くころ、この花に寄ってくるヒメシジミが好きでこの蝶が翔ぶ季節になるとその姿を探しに行きます。

 

 今から10年くらい前になりますが、守門岳の麓の集落の奥、この蝶が実に沢山いました。それから10年余り、群生する場所の草刈りなどの管理する者が居なくなってしまい、生息場所が荒れてしまうと、彼らもどこかへ行ってしまいました。昨年は福島県境に近い場所に彼らが集まっているのを見つけて嬉しくなりました。

   

ヒメシジミ(姫小灰蝶)

 

 

6.ゴイシシジミ(碁石小灰蝶)

 羽の模様を見るとその名前の由来が一発でわかります。年に数回発生するようですが私は今まで2回しか出会えていません。この蝶の幼虫は草などの植物を食べず笹、竹などに付くアブラムシなどを食べる肉食なのだそうです。

ゴイシシジミ(碁石小灰蝶)

 

 

7.ウスバシロチョウ(薄羽白蝶)

 名前の如く翅が半透明で透けている蝶、発生時期は5-6月頃、寒冷地では7-8月頃で、飛ぶ姿は素早くといった敏捷性は感じられない。どちらかと言えばバタバタといった感じなのです。

 さなぎの時に繭を作る数少ない蝶とのこと、交尾の時も変わっていてよく地べたに落ちてぐちゃぐちゃという感じでいることが多いです。交尾の後跡オスはメスの器官に蓋をして他のオスの子孫を防御するのだそうです。

ウスバシロチョウ(薄羽白蝶)

 

   

ウスバシロチョウ(薄羽白蝶)

 

8-アサギマダラ(浅葱斑)

 アサギマダラは旅するチョウとして有名ですね。このチョウは魚沼ではよく見られます。市内「響きの森公園」のフジバカマには毎年秋に飛んできます。もう何年か前のことになりますが、私の母が亡くなった葬儀の日、葬儀の花輪にこのアサギマダラが飛んできました。家の周辺では見ることのなかったアサギマダラが、母の西方浄土への道案内にやってきたのだろうかなどと思い、記憶に残っています。

「響きの森公園」

 

 下の写真は市内の青島地内で見つけたものです。オスばかりですね。

 

   

北緯37.216537  東経138.949712

 

 

9-ルリタテハ(琉璃立羽蝶)

 私がこのチョウに出会ったのは大力山遊歩道の9合目手前の木製階段の登り口付近でした。ひらひらと飛んできたチョウが木に止まって翅を閉じたら、木の模様と区別がつかなくなりました。翅表はきれいな青色の帯があるのに翅裏は周辺の色と同じ保護色で、上手く出来ているんだな。と感心しました。

その後このチョウにはいろんな所で出会いました。印象に残ったのは旧守門村高倉の、二分集落、県道貫木穴沢線の起点のアスファルトの上でした。道路の真ん中でアスファルトに張り付いていまして、私の車が近づくとさっと飛び立ちますが、しばらくするとそこに戻ってきました。チョウがテリトリーを守る行動を占有行動と言うそうですが、この後いろいろなチョウでこの行動に出会うことになりました。そして、この場所のチョウはこの後何年もこの場所で見たものです。

ルリタテハ(琉璃立羽蝶)翅表

 

   

ルリタテハ(琉璃立羽蝶)

北緯37.384004   東経139.056685

 

 

10-クジャクチョウ

 クジャクチョウとの出会いは干溝集落で一度であったことがあるだけで、その後の出会いはありません。出会った場所は集落の法泉寺の前を流れる県営用水路の土手でした。かつて生息数は多かったのだそうですが、近年では生息場数が減少傾向にあるそうです。また出会いたいものと思っています。

 

クジャクチョウ(孔雀蝶)

 北緯37.206670度  東経138.981899

 

 

とりあえず今日は10種ほど紹介してみました。全て紹介するのは今からではとても春までには間に合わないかもしれませんが、あと数回頑張ってみようかと思います。