声優界も昔に比べてだいぶ優しくなってきたらしく、基本的には体育会系で上下関係が厳しい。新人声優がアフレコで先輩声優と一緒になった場合は必ずお茶汲みはやるのが当たり前だった。
人気声優の関智一が語っていたが、アフレコの時に先輩声優がアドリブのセリフを言ったのが可笑しくて笑ってしまい、そのうちツボにハマって何度もアフレコを中断させてしまった。
業を煮やした別の先輩声優が関の胸倉をつかんだままスタジオの隅までひきづっていき、壁に関を押し当てて顔のすぐそばの壁をガーンと殴って「お前、いい加減にしろよ」と怒られたらしい。
また、新人女性声優がNG連発で、6話目か7話目のアフレコの時にたまりかねた先輩声優が「オマエいい加減にしろ」と床に叩きつけたそうだ
今は業界的に優しい先輩が増えて和気あいあいにやっている現場も多い。
典型的なのはアイムエンタープライズの看板人気声優・下野紘。日笠陽子によると「事務所の後輩は下野紘の背中を見てスクスクと育つ」。実際、下野紘は後輩に慕われ、別事務所の女性声優にも人気がある。
下野紘（右）と後輩・内田真礼
とはいえ、アニメの劇場版などでたまに売れっ子のお笑い芸人などが起用されることがままあるが、NG連発のタレントは2度と呼ばれないとも聞く。一見楽しそうに見える声優業界もそれで食べているプロ集団なので当然そこは厳しい。
そんな中、下ネタ芸人声優の関智一は声優事務所・俳協から盟友・長沢美樹とともに、仲間内で新しい事務所・アトミックモンキーを立ち上げた。今は売れっ子声優・杉田智和が所属事務所がなくなり、路頭に迷っていたところを関の事務所に拾われた形。それを今でも恩に感じているのか杉田が関に話すときの声音に何ともいえない温情を感じる。杉田智和は今年、アトミックを円満退社して独立。
また、今年女性声優・洲崎綾との結婚報告をした放送作家の伊福部崇と、その伊福部と音楽ユニットポアロを組む鷲崎健もやはり所属事務所がなくなり、関に相談してアトミックモンキーに招かれた。
ある番組で後輩の名塚佳織が、関の劇団ヘロヘロQカンパニーにゲスト出演した時の話をしていたが、
「ホントに公演の時はお世話になって、あんなに優しい人はいない」と関智一をべた褒めしていた。NHK特番「声優大集合」で関がバカやってみんなを笑わせているときも、一緒に笑ってる名塚の関を見るまなざしが優しくてその言葉に説得力を感じた。
以前も書いたがみんなを笑わせるのが好きで、サービス精神旺盛で仲間想いのところが妙に明石家さんまとタブる。
ラジオやニコ生放送などの印象でパブリックイメージは下ネタ全開だが、意外といい人だと思っている。
伊福部崇（左）鷲崎健
関智一