朝のコート開放は「散歩のかわりに」「仕事前に愛犬と練習するために」「家だと集中できないから」などそれぞれの理由は違えど、毎日何組かが来てくれています。
今回はスタート時から、ほぼ毎日のように通ってくれている飼い主さんに気持ちの変化や思いについてお話を聞いてみました。
犬の飼い方や、しつけについて悩んでいる方にぜひ読んでいただきたいと思います。
以下、お話の内容を紹介します。
何のためにやっているんだっけ?
通っていたら、愛犬がどんどん変わっていきました。
家での練習は、屋外みたく特別な刺激はないから、待ては待つし、ご褒美なしでも1通りちゃんとできる。
でもこの子の場合、ここに来るまでわがままだったから、やっぱり家に帰ったらわがままOKみたいになっているんですよ。
ここではスイッチが入るし、すごくお利口さんになったねってみんなに言われる。
前と今と比べればもちろん良くはなってるけど、ここで良くなったねって言われるほど家では良くなってない。
それを直したくて来てるのに、そうなると私、何のためにやっているんだ?と。
はじめの半年は「クエスチョンマーク」だった
人間の、自分自身の意識が変わるのにまず1年かかったんです。
おそらく他の人にとっても、意識が変わるまで続けるっていうのが一番難しいんじゃないかな。
私の場合、ちょっとせっかくここまでやったんだから、何か結果じゃないにしても、自分の中での答えが出るまではやろうと思って1年。
何が自分の望みなのか?っていうところはやっぱり迷うじゃないですか。
もうめんどくさいとか、生活でものすごく困るわけじゃないとか。
大型犬だと別かもしれないけど、うちは小型犬だし。
でもね、それじゃせっかく半年やったのにな、と。
それで一応1年続けて、ここまで変わった。
でも最初の半年はクエスチョンマーク。自分の答えをと思って1年。
半年前と半年後、やっぱり半年後の方が良くなってるんですよね。
自然にスイッチを入れる
こうしてずっとやり続けて、自分の中でどうしたいのかっていうのが最近はっきりしてきた。
ただ単に。「待って、立って。座って」というのができるようになって欲しくてここに通っているんじゃない。
練習して、そのことによって、家でも自然と言うことを聞いてもらえるように。
練習はより良い関係性を築くためにやること。
そして全部それは自分の問題だった。
それこそ家でちゃんとしなきゃいけないこと。
そういう、自分が改めなきゃいけないっていう意識や課題がはっきりしてきた。
今は、「やるぞ!」「さあ、練習だ!」と、練習と生活が別になっちゃって。
だから力まないように、ここで練習する時から、家のように近づける。
家と同じように、普段の生活のようにここで練習していけばいい。
こっちを変えていけば、家に近づけていく。
考えてみたら、家でもここでも、ずっと力が入っていたら犬が休まらないんですもんね。
だから、愛犬と「自然体で良い関係」を築けたらと思います。
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以上がお話してくださった内容です。
自分の気持ちと、愛犬に、ずっと向き合っている飼い主さん。
自分なりの答えを見つけることは大変ですが、大切なことだと思います。
大人になると、経験してきたことの分、ある程度はなんとか対処できてしまいます。
もちろんそれは悪いことではなく、人生経験の賜物です。
でもそこに隠れた、目には見えない大切なものを見失ってしまうこともあります。
自分の望むことって何だっけ?
大切にしたいことって何だっけ?
犬と向き合う過程で、気づくと、自分自身とも対話している。
もちろんその時の年齢や環境によって、辿り着く答えは様々なものだと思います。
でも誰かの言葉や押し付けではなく、自分が時間をかけて向き合って見つけたものこそ、自分の軸になるもの。
時間がかかってもいい。
いきなり正解を見つけられなくてもいい。
向き合って、考えて、何かを見つけて。違うなと思ってまた考えて。
全部、それでいいんです。
その過程で見つけたこと、そのひとつひとつが、その後の自分を動かす原動力になるのだと思います。