今回は、愛犬と挑戦した競技会で感じた「悔しさ」から、「関係性に足りなかったこと」や「練習の意義」などの深い気づきをありのままに話してくれた飼い主さんの話を紹介します。
犬との関係性に悩んでいる方、まさに今努力を続けている方、その努力に行き詰まりを感じている方にぜひ読んでいただきたい内容です。
◯大会を終えて残ったのは「悔しさ」
大会が終わったあと、心の中にあった言葉は「悔しい」。あんなに練習したのに、なぜ本番でできないのか。
JKCの特別犬に出場することを目標に掲げ、毎日練習を重ねてきました。
それなのに、思うような結果を残せなかった。
「紐あり」なら完璧に動けるのに、「紐なし」になった途端に崩れてしまう。
「ああ、今の私たちは紐があって成り立つ、紐ありまでの関係なんだ」と痛感しました。
それは「紐で制御することで成り立つ関係」、「命令したから従う関係」。
「納得して心で動く関係」ではなかったのだと思います。
振り返ると、犬と一緒にすることを楽しめていなかったと気がつきました。
義務のように練習をこなし、楽しいという気持ちが置き去りになっていた。
そんな私に、犬が心からついてくるはずがない。
「だったら一人で走るほうが楽しいよ」って思われても仕方がないですよね。
◯「量」ではなく「質」を問われた練習
これまでは、とにかく練習さえすれば、きっと結果がついてくると思っていました。
だけど、何度も言われていたんです。
「何かを変えないと、これ以上は伸びないよ」と。
その意味を、ようやく理解できたのは、今になってからです。
いくら練習に時間を費やしても、気持ちが伴わない努力には限界がくること。
これまでの練習は、ある意味「作業」のようでした。
でも、これからは「質」に目を向けなくちゃいけない。
犬を「納得させてやる」こと。
それは、ただ言うことを聞かせることではなく、犬が「自分でそうしたい」と思えるように導くこと。
その違いが、信頼を深める鍵なのだと、今回の経験で気づきました。
どんなに上手に動かせても、犬が納得していなければ意味がない。そこには信頼がないから。
競技という舞台は、その関係性をリアルに映し出しちゃうんですよね。
◯紐がなくても、心でつながれるように
今回の大会は、順位だけを見れば決して満足できる結果ではありません。
でも、犬との関係を見つめ直すきっかけになりました。
今は、紐があればできるけど、紐でつながっていないとできない。
紐をとるということは、物理的に何もつながってないということ。
その分、心でつながっていないと何も伝わらない。
そして、目に見えないものを犬が感じ取っていて、ちょっとした感情すら伝わってしまう。
私のメンタルが大事だなって思います。
これからは紐がなくても、心で、信頼で、つながれる関係を目指していきたいです。
◯おわりに 覚悟を決めるということ
「いつかやらなきゃ」と思っていることは、人それぞれあると思います。
その「いつか」のスイッチをいつまでも押せない人も多いです。
でも、犬にも人生にも、何をするにも「今やらなきゃいけない瞬間」というものがあると思います。
犬の命も、自分の時間も、環境も、健康も、すべてが永遠ではないからです。
「まだ時間がある」と思っているうちに、あっという間に過ぎてしまう。
だから、
「今できることを、今やる。」
結局、大切なことはいつもシンプルで基本的なことなんだと思います。
今回紹介した飼い主さんのように、様々なことに気づいて、それを自分の言葉で語り、次に繋いでいこうと気持ちを新たにできたことは、その悔しさ自体に大切な意味があったと思います。



