『やはり去年は終わりの始まりだった…か? 東京女子3.31両国国技館大会 3/4』から続き。

 

少なくとも未詩のプリプリ王座戴冠も でじもんタッグタイトル戴冠も もう1年は必要だった。

でも待てなかったわけでしょ会社はもう。観客・視聴者を満足させる・あるいは飽きさせない為にはもういい加減ここらでトップをすり替えようと判断したのだろう。

しかしやはり早過ぎた。まだ中身は伴ってなかった。説得力がなかった。

俺がさんざっぱら言ってる「説得力」、俺は仕事でも人間関係でも説得力を重視してるんでね。筋が通ってるかどうか。合理的かどうか。説得力のないものは信用ならないっていうさ。あ、ダメだなコレ、っていう。

信用を築くには長い年月がかかる。しかし信用を失うのはあっという間だ。少なくとも俺という一ファンの信用はほぼ失くしつつある。

もうちょっとまぁ一応見続けるつもりだけど、あまりに失望が大きすぎて、東京女子に対する熱意みたいなものをかなり失った。

会社からすれば俺というファンが1人離れたところで痛くも痒くもないだろうが、そこは問題じゃないんだよ。俺のことじゃなくて、東京女子は2022年のグレードを最早失ったって事、そこが問題なんだよ。失くしたもの(というより自らやったのだから「捨てた」と言った方が正しい)があまりに大きい。

 

東京女子はもう戻れない。この先 東京女子の評価が落ちても、もう2022年時のグレードには戻せない。

失敗だったと悟って元の状態に戻そうとしても、その頃には山下はもう全盛期を過ぎていて、坂崎戻ったとしても彼女もまた全盛期を過ぎてる。

未詩は今よりさらに強くなってるかもしれないが、20代のうちに引退する可能性がある(未詩はそもそもアイドルにこだわりがあるわけで、アイドルって歳でもなくなった時、じゃプロレス1本でやってくかっていうと、彼女はどうするのだろう…っていう)

次世代で未詩の次にいい選手は鈴芽だが、鈴芽は小柄だし細いし、東京女子の強さの部分を担うような山下・坂崎タイプな選手にはなれないだろう。鈴芽が体幹とか下半身しっかりしてプロレスラーとして安定感のある体形なんて想像つくか? というかそういう鈴芽は誰も望まないのではないか?(ただし鈴芽はガッツはある。鋭い顔もする。その点において(シリアスモードの)山下・坂崎に迫れるものがなくもないのだが、やはり体がネック。それにお笑いがやれない。)

で、あとはもう2022年時のトップレベル選手に並ぶ可能性がある有望選手はいないんだよね正直。

2022年の山下・坂崎はキャリア9年目だった。今の次世代以降の選手で9年10年やりそうな選手・生き残ってる選手が果たして何人いるか?

いや新しい選手どんどん育てるしって甲田は言うわけだけど、人を育てるのは年月がかかる、ましてやどうも甲田は東京女子をAKBや坂道的なテイストの団体にしようとしてるフシがあるが、元々女子選手は男性選手より選手生命が短いのに、さらにアイドル的プロレス団体となればさらに選手生命は短く、すると山下・坂崎レベルの強さの選手はもう東京女子には生まれない。

それに東京女子の良さは笑いと強さの両輪備えてたことだったが、アイドル系選手ってお笑いのセンスが足りないんだよね。アイドル系選手からはミサヲや中島やぽむのような選手も生まれないし。(未詩も狂ってる部分あるんだけど、初期メンやミサヲら程おフザけに能動的ではない。根が真面目なんだろう。らくはお笑いとか和み系としてとてもいいけど、お笑いもプリプリタイトル戦もいける中島や、お笑いもやってるがデスマッチもやるミサヲみたいな、ハードさと笑いと両輪担う存在にはなれない。らくの場合はならなくていいし。あれがらくの個性なんだから。でも未詩や鈴芽は未来の東京女子を担う選手なのだからそうはいかない。初期メンに追いつくには強さも笑いも兼ね備えてないと役不足よ? まぁこうしてみると初期メンがいかに貴重な人材かがわかる。)

坂崎が卒業した。角田も夏に卒業する。山下は東京女子と海外を平行して全盛期だが未詩の踏み台に使われて(去年、会社が明らかに新陳代謝方向へ舵を切ったと感じられる中で山下がプリプリ王座再戴冠したのは意外だったわけだが、今にして思うと来年の両国で未詩が“東京女子のエース山下”を破って戴冠することで新時代到来という計画をこの時点から発動させてたことがうかがえる。その為の山下再戴冠だったわけだ(と俺は今となっては感じる))、伊藤もかなりもう海外に比重がいっちゃってる。全11試合中5・6試合目に追いやられた中島とリカ…

一方で大量の新人。

東京女子の戦力と内容の大幅過ぎるダウン。この1年で質が激落ちしてしまった。

東京女子といえば“多幸感”だが、これも今回の両国大会で先行き怪しくなった。無理くりなトップどころ交代で初期メン外しを敢行、

そんな会社の意向を目の当たりにさせられて、多幸感どころか俺は嫌な暗い気分にさせられた。本人が年齢や体の調子とかで、ではなく会社の意向でフェイドアウトさせられてく現実を示された今回の両国大会。

…たぶん俺の言ってることは甲田には馬の耳に念仏なんだと思うけど。甲田の意識とか方向性はどうも別の方を目指してるっぽい。実力がどうとか説得力がどうとかは重視してなくて、もっとフレッシュで軽い団体にしたいっぽい、AKBとか坂道とかアイドルグループ的な。

プロレス団体であることを忘れちゃいけないよ。

 

あともう1つ俺に言わせりゃ甲田の誤算は、

…今回の両国国技館の会場を押さえたのはいつなのだろう、1年前とか? それなりの会場って(後楽園ホール以上とか)結構前に押さえとくんでしょ?

なんか聞いた話だとスターダムの観客動員は右肩下がりらしいけど、加えてなんか問題起こったよね? 謝罪してたやつ。そこへさらに今スターダム分裂したじゃん? スターダムの凋落。(やっとかよ)

そんな時に東京女子は両国国技館大会開催だよ。

この、東京女子の右肩上がりの状況とスターダムの右肩下がりの状況のタイミングのバッティングってのは、2024.3.31両国を押さえた時点では予定になかったと思うんだよ。

こんなナイスタイミングで行われた東京女子両国大会がもし2021~2022年の東京女子レベルだったなら、他所のファンから“東京女子ってスゲェじゃん”“面白いじゃん”と高い評価に繋がったかもしれない。

しかし今回の両国大会はグレードが低かった。まさにこのタイミングでそんなものをやっちゃったというミステイク。

確かに東京女子は独自路線なんで他所は関係ないんだけど、女子プロファンはそうは見ない。スターダムが最高という見当違いなカン違いが蔓延したから、どうしてもスターダムと比べる。甲田が独自路線とかウチはウチ、他所は他所と言おうがそれは避けては通れないんだよ。

ここで東京女子が絶頂期の東京女子をバシッと見せつけててくれたなら、東京女子のブランド力がハネ上がったろうに。せっかくの機会を逸したよ…。

 

積み上げてきたものも、舵を切り間違えると転落するのもあっという間。(団体設立から起算すると)10年やってきて遂に世界に誇れる高いクオリティに完成されたのが2022年だったけど、その後たった1年でその半分を失ったといえる。

去年の東京女子年間最大ビッグマッチの有明コロシアムは観に行けなかったから知らないが、2022年の初の両国大会開催の時は正直観客動員は両国としては寂しいものだった、残念ながら。俺はマス席Bだったのだけど、その後ろの方はガラ空きで、だから当然2階もガラ空き。

しかし! 内容は両国レベルだった。

でも今回の両国は結構それなりに入ってるように見えた。マス席Cも2階席にもそれなりに人が見てとれた(また、野郎ばっかでなく女性も結構見受けられた)。客の盛り上がりも結構良かった感じだった。だけど肝心の内容がなかなか酷かった。

本当に残念でならない。

今回満足した人は2022年の東京女子と比べてどうなのよ?

 

…やっぱ2021・22年は栄光の年だったよなぁ。笑いも強さも多幸感も充実しまくってた。もうあの時には二度と戻れないだろう。断言してもいい。

俺の今回の両国大会の感想はもう、「悲しみ」。それと「悔しさ」。

今の東京女子はもうとても人に対して誇って紹介できるものではなくなった。

今回の両国大会を東京女子を観たことないプロレスファンに見せてごらん? この程度かって言われるよ。

 

ところでグレード激落ちといえば、2022年の両国大会と比べて演出方面のレベルも落ちてた。

前はスモーク焚かれたりマジラビがゴンドラで登場したりスクリーンに星空映像流れたり白昼夢が神輿に乗って入場したりしたけど、

今回はタイトルマッチ3試合の時だけだっけ? スモークが焚かれただけ。あと色付きスポットライトぐらい。

それと最後の締めの時、2022年両国の時は特効銀テープ(メイン戦った山下と中島の直筆メッセージが印刷された銀テープ)盛大射出だったが(今でも大事にとっておいてある)、今回はシャボン玉が湧いたぐらいで、え? これで終わり? と俺は拍子抜けしたのだけど。(ってか特効紙吹雪盛大射出されたって今回は納得しないけどね)

演出の力の入れ具合までガタ落ち。

試合内容も演出もあらゆる面でグレードが落ちた今回の両国大会だった。

 

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Yahooニュースの両国大会記事を検索すると28あって、そのうち でじもん戴冠記事たった1つ。あのタッグタイトル戦はカード的にも内容的にも取り上げる程ではないということなんじゃない? 実際問題あの試合は両国大会のセミには相応しくなかったよ。

ちなみに記事数の内訳は

荒井防衛×8

湯本デビュー戦×8

未詩戴冠×5

伊藤vs鈴木×4

でじもん戴冠×1

わかな×1

ボトムズ×1

である。(ある記事の後に付け足しのように書かれてるのはカウントしてない。例えば未詩戴冠記事の最後の方にでじもんの戴冠についても書かれてたりとか、伊藤vs鈴木の記事の後の方にちょっとだけ坂崎の話載ってたりとか。そうじゃなく、単体で記事になれるかどうかだよ。)

荒井と湯本の記事数が突出してるのは世間の注目度をやはり示している。

未詩の記事数はまずまずなのかどうなのか… ただ伊藤&鈴木と僅差っていうね。伊藤&鈴木の方はプロレスファンの注目度を示している。

わかなは一応芸能人だからか なんとか1つ食い込んだが、たった1つってのがわかなの芸能人としての知名度というか、反映してる(しかもこの記事、両国大会のわかなのコスチュームについてであって、試合自体にはまったく触れられてない)

長野じゅりあ(空手家・看護師・女優・ユーチューバー・TikTokのフォロワー数99万人以上)に至っては今回は記事ゼロ。非常に厳しい言い方だが、結局長野のプロレス参戦は東京女子の世間への訴求や観客動員に貢献できなかったことを表しているといえる。

坂崎がゼロっていうのは意外といえば意外なんだけど、試合内容からすれば当然っちゃ当然なんだけど、にしても試合内容と参戦した事実自体は話が別なわけで、話題にならないってことは坂崎のレスラーとしての(実力ではなく)ステータスが落ちてることを示してる? トップクラスの女子レスラー&全盛期だってのに…。

意外といえば享楽共鳴vsアジャ&インペイラーが1コも記事になってないってのもね… やっぱ試合内容にパンチが足りな過ぎたか?

そしてでじもんはボトムズと同じっていうね(苦笑。逆にボトムズはもう1つ2つあっても良さそうなもんなんだけど)。

 

両国大会の翌週発売の週刊プロレス。俺、東京女子が表紙の可能性大と思ってた。あの週末他に両国とか武道館クラス以上の会場で興行やってた団体ないだろう? だから。

でも表紙は“はぁ?”ってなもんの全日本。東京女子両国大会差し置いてこんなのが表紙?

でもこれは純粋な週プロ編集部の今回の東京女子両国大会に対する評価の現れでないの? 表紙にするグレードの興行ではなかったと。(中の記事は肯定記事だったけど。まぁ書いてるのほとんど石井だけど。あと全日本が表紙だったのはもしかして金貰ってる可能性がある? スターダムがよくやることだけど←あくまで推測だけど。でなかったらスターダムがあんなちょくちょく表紙になれるわけないだろう)

これもたぶん甲田誤算してたと思う。両国クラスでやるのはウチだけ。しかも新時代開幕を演る。表紙獲れるはずと思ってたんじゃない?

でも表紙になったのはガタガタの全日本。三冠タイトルもすっかり格が落ちたよな…(90年代全日本を観てた人なら言ってる意味わかるだろう?)。しかも大田区総合体育館大会。

あの週末の興行状況で東京女子両国が表紙にならなかったこともまた、俺の見方が正しいことを証明してると思うよ。

(しかしまぁ… ネット記事も週プロもどこもかしこも新時代云々って書いてて、誰一人として未詩本人の「世代交代という見方はしていないし、しないでほしい」という思いを汲んでないよな…)

 

その週プロの『巻末言』ページに甲田のインタビューが掲載されてた。でさぁ、強引な新陳代謝を否定すること言ってるんだよ。おいおい! 会社のやってることはまさに強引な新陳代謝ってやつだぜ?

スターダムほど酷くないけど(スターダムは展開に脈絡もクソもないからな)、それでも去年からこの両国までの新時代開幕計画は強引だった。次世代選手の実力がそれに追いついてないんだから。この計画を1年としたのは(←たぶんね)期間が短過ぎる。

だったらさ、なんで去年のプリンセスカップで会社は未詩を推さずに上福を推したんだよ? 2022年のプリンセスカップでの未詩の初期メン相手の感動の戦いと準優勝。未詩を“強引な新陳代謝”と客に感じさせないで新時代に移行したいなら、23年のプリンセスカップで未詩が遂に優勝すべきだった。そして10月のビッグマッチで未詩がプリプリ王座に挑戦となるけど惜敗とすればよかった。そうして今年1月の次期挑戦者を決める戦いで未詩が勝ち残って、それでこの両国で未詩が戴冠したならまだね、あくまで“流れの説得力”という意味においてはもう少しマシだった。実力という意味での説得力は未だ満たしてないけど(あともうちょっとなんだよね)。

一昨年の未詩は俺も年間MVPだと思ったぐらい素晴らしかったが、一転して去年は未詩を脇に置いて足踏みさせての上福推しという謎展開。

甲田はいやブレてないって言い張る? 今回上福はIPタイトル戦だった。エントリ2/4でも言ったけど自然にいったら上福が両国大会でタイトルマッチは相応でないので、会社の意図的な上福推しは続いてるのだろう。そういう意味ではブレてないけどさ、方針自体が間違ってんだよ。だから結局大局的にみればブレてんだよ。

初期メンをフェードアウトさせて次世代にすり替えていこうって時に、瑞希や、(三十路だが)初期メンより下で中堅の上福推しをまずやって東京女子の風景を変化させていって、その次に若い未詩や鈴芽たちを推してけば段階踏めるだろうという算段だったのかもしれないが、結果はそうはなってない。上福推しは脇道逸れたようにしか見えなかったし、今回の未詩及びでじもん戴冠は強引に見えたし。全てが説得力ないんだよ。そしてその元凶は「時期尚早」「初期メンレベルに達してない」、これに尽きる。

…甲田もSNS・スマホ人種なのかな? SNS・スマホ人種って短期意識だから経緯とか理屈とかないんだよ。意識が「今」しかない。プロレス界で言うならまさにスターダムなんかそうなんだけど。あそこの展開が行き当たりばったりで流れもクソもないのはまさにSNS・スマホ人種的。甲田はたぶん1年かけて着々と新時代開幕計画を進めてきたつもりだから満足してるけど(←『巻末言』参照)、全然「着々と」じゃない。性急だよ。ここまで散々言ってきた通り。これを性急と感じない人はSNS・スマホ人種の疑い濃厚。

そっちに迎合しちゃった以上、これから東京女子はヒストリーが雑になってくだろうね。

(荒井のIP戴冠・防衛はわかるんだよ。世間への訴求において荒井推しは正しい。荒井推しは問題ない。問題あるのは戴冠時のインペイラー戦のように説得力乏しいのはマズい。でもインペイラーが相手じゃね。あれは荒井の責任じゃなくてインペイラーが相手なことに原因がある。インペイラーに勝てる説得力出せるのは山下・坂崎しかいない。中島・リカでも無理なのに荒井にそれを求めるのは酷であって、荒井がインペイラーから奪還って流れ自体が無理があった。そこは会社の落ち度だよ。ここにもSNS・スマホ人種っぷりが出てるよな。理屈からいったら無理に決まってんでしょっていう、でもやっちゃうところが冷静にものを考えずその場の感情だけで場当たりで生きてるSNS・スマホ人種的でさ。)

 

東京女子が堕ちない為には、初期メンをフェードアウトさせずに、これからシーソーゲームにしてくしかない。

未詩も(前回エントリで取り上げたSportivaのインタビューで)言ってたろう、初期メンを“超えた”じゃなくて、マラソンみたいに思ってる、2022年の夏に一瞬追いついたけどまた追い越されて、追いつ追われつが続いてくみたいなことを。

初期メンを実はフェードアウトさせたわけじゃないってんなら、まだ東京女子に望みはあるけど。