『スターダムのウラ 32』から続き。

 

ジュリアは激しい試合が一流だとカン違いしている。そういうレスラーいつ頃からか多いみたいだけどさ。

昭和からずっと観てきた人間からすると今の試合は雑よ? 軽業とガマン大会のオンパレード。「試合の組立て」って意識がねェもんな。

寝技・関節技の攻防から大技へと客のメンタルを段々盛り上げてく。あるいは例えば一ヵ所に焦点絞って攻めて勝つという合理性のある試合展開。

でも今の試合は最初から最後までガチャガチャしてるのが多い。

これ映画と一緒。昔の映画ってのはもっとじっくり展開してた。クライマックスに向かって盛り上がってく。

でも今の映画はここに沸点を持ってくって作りになってない作品多くないか? 最初から最後まで見せ場連発、切り刻みまくった編集、落ち着きがない。だから興奮しようがない。それを無理くり興奮させようとするからか、よりガチャガチャさせる悪循環。これそのまんま今のプロレスの試合展開の問題点と相通ずる。

たぶん「段々盛り上げてく」映画の極北は今にして思えば『ランボー2』とか『エイリアン2』だったのかもしれないね。…『ターミネーター2』もか。(全部キャメロン絡みだな)

ただね、全女は昭和の頃からすでにガチャガチャした試合だった。それは女性だからだって指摘をする人がいるんだけど、それは一理あるかもしれないとは俺も思う。

あとジュリアが全女を標榜してるからかね? (全女が激しかったのは実際のとこは裏で賭けが行われてたからだというのは既述した。)

ジュリアは別にいい試合してねェよ。「展開」ってものをまったく考えてない。ただのガマン大会。

女のガマン大会に興奮するのは残酷ショー好きな男の客だけだよ。

男のガマン大会は成立するが、男と女は違うから、男性レスラーと女性レスラーのスタイルの傾向も違くあるべきだと思うね。

 

それにね、まぁスターダムだけでなくアイドルの世界や声優の世界や…etc.表から見てるのと違って裏側はいろいろあるでしょうよ。でもそれを観客や視聴者に感じさせちゃダメでしょ。逆に言うと漏れ出してる時はもう相当こじれてる。

葉月事件なんて選手が引退する時に衆人環視の場でそういうことを言ってしまう、言わざるを得ないというのは、相当だよ。

これまで散々書いてきたけど、スターダムに対してこういう見方が出てくるってことは、そもそも団体側に問題があるんだよ?

 

2月9日バトル・ニュース『相羽あいなの強烈エルボー再び!3月3日の日本武道館大会に『I Love プロレスリング』タッグで出場決定!?』

「スマートフォン向けゲーム『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-(以下スタリラ)』のYoutube番組『スタリライブ』に女子プロレス団体スターダムのなつぽいとひめかが乱入した。」

女子レスラーと声優のコラボともいえる。(まぁ相羽あいなは元女子レスラーだそうですが)

これジュリア体制と正反対の路線だよね。こういうのを排除してるのが現在のスターダムであり、こういう世界と相容れないのが今のスターダム。(それを圧しつけてるのがジュリア)

夢のあるアニメとかゲーム業界の方で残酷ショーのスターダム3.3武道館大会(目玉はまさに残酷ショーである髪切りマッチ)の宣伝っていう相性の悪さ。しかも駆り出されてるのがジュリアんとこのDDMのひめかとなつぽいであるという、もうあれもこれも無理がありすぎて今のスターダムの歪さ(いびつさ)が露呈しているこのコラボ。アイドル系否定するならアニメ・ゲーム業界や声優も否定するだろ普通。ところがコラボしてるっていう。軸ブレまくりなんだよ。

(今やDDMにこういう仕事させるのは花月がいなくなった後の大江戸隊にこういう仕事やらせるぐらいの違和感と必然性のなさがある。)

相羽がなつぽいにエルボーをカマす場面があり、ひめかの「今日のエルボーを見て戦力になると思いましたね(笑)現役復帰を是非」というコメント(まぁ本気で言ってないでしょうが)に、図らずも相羽あいながこう返している。

相羽「ほんとですか!?でもね、ジュリアさんが何て言うかね、納得いかないんじゃないですかね?」

相羽もジュリアに対してアイドル系なんかとの相性の悪さを感じ取っているわけだ(苦笑)。

 

2月20日のスターライト・キッドのツイート

「1歩間違えないで欲しいのは何か自分の思ってる事と違う事が起こった時、思った言葉をストレートにそのまま伝えるのはやめようね。

最近色々な出来事が起きて私も思うことはあるけど私はプロレスラーとして、しっかり皆にリング上で伝えていくから!!

何があっても今後に期待して観ててよ!」

キッドが言ってる「最近色々な出来事が起きて私も思うことはあるけど」というのは一体何を指してるんですかね?

 

お? スターダムにしては久々な感のある、えぇ話がありますな。

キッドが2月18日に、「ポスター載ってない…。悔しすぎるでしょ、こんなん。」とツイート。

たしかに、武道館大会の出場者全員バージョン(他所からの参戦選手含め全員)のポスターにキッドが載ってない…これはたしかに酷い。

同日、白川未奈が武道館で復帰できる喜びをツイートしてるのだが、ちゃんみなが添付したポスター画像にはキッドが付け足されている!(その事に言及はしていない)

に対してキッド(よく気づいたな)がリプライ「ちゃんみな…ありがとう。そして3.3復帰おめでとう。久々のプロレス楽しんで!!勝たせないけど(※にやにやした顔の絵文字)」

に対してちゃんみながリプライ「私があれにしたくてやっただけなんで、全然お礼は必要ないです(※サムズアップな絵文字)

復帰おめでとうは素直に嬉しい...

キッドさんと闘いたいですよ。だから必ず、私がリングに現れるまでリングで待っていてくださいね。逆の場合でも同じです。私は待っています!!」

まぁここまで書いてきた通りコズエンとスターズは対立してた(コズエンは対立する気はなかったと思うんだけどね、スターズが勝手に怒り出すからさ(苦笑) …いや、前回エントリで書いたガイドブックの件、…そういやコズエンのアーティスト戴冠も(プラス コズエンのスターズからのタイトル防衛も?)もしかして会社はコズエン推しで、それに対して岩谷とキッドは怒ってた!?)。そのコズエン側のちゃんみなとスターズ側のキッドがリング外でこうして交流あるのは非常に好感が持てる。

 

2月28日、Number Web『髪切りマッチを越える戦いを…“赤いベルト”の女王・林下詩美vs上谷沙弥、予言された“驚くような結末”』

「林下は試合順に不満を抱いた。このタイトルマッチがその日の最後の試合ではないのだ。「すべての試合がメインイベント」と言われても、林下は最後を締められないことを残念に感じたようだ」

なぜ赤のタイトル戦より中野たむvsジュリアが上にきたかについての俺の見方はアメンバー限定でアップして3.3後に全公開するエントリで書いたんだけど、

このNumber Webの記事では「エグゼクティブ・プロデュ―サーのロッシー小川は殺伐とするであろう髪切りマッチの後に、赤いベルトのタイトルマッチを行うことを避けた」だのルチャリブレにおける試合順を例に出したりしてるが、実際のとこは俺が言ったようなとこじゃない?

会社側の後付け感と、ナンバーの記事に香る忖度?ぶり。

王者は会社の営業的な都合で変わる。岩谷から詩美へ、詩美から上谷へ。(あるいは星輝からジュリアへ。)

しかしこの髪切りマッチは1年越しぐらいのずーっとやろうとしてたプランなのだ。スターダムにとってタイトルマッチより髪切りマッチが重要。何をどう言い訳しようが絶対にコレをメインに据える。

なぜ今上谷が武道館でタイトル挑戦なのか。なぜ赤のタイトルマッチより髪切りマッチが上なのか。

「昨年11月15日、仙台。わずか2年3カ月のキャリアで、スターダムのアイコン岩谷麻優を倒して「ワールド・オブ・スターダム」という名の赤いベルトを手にした林下は22歳と若い。」

前王者は岩谷で、岩谷降ろして詩美を上げたわけだ。この後岩谷は不自然なぐらい赤ベルトに絡んでない。やっぱ会社決定・会社の方針というわけだろう。トップを岩谷からチェンジする。だから岩谷が奪還することもないし、それどころか再挑戦もない。

「3月3日、日本武道館では未来のスターダム、この私がみなさんに驚くような結末をお見せします」という上谷のコメントが載っているが、これは社内でやはり赤ベルトを詩美から上谷にスライドすることが決まっていることを暗に示唆しているだろう。

驚くもなにも裏読みすれば自明なんだけどさ。

記事の文章では「「驚くような結末」なにかこの響きは、1982年10月、あの長州力が「噛ませ犬事件」のあと初めての藤波辰巳戦を前に「彼はびっくりしますよ」と言った時と重なった。」などとカッコよく書いているが、そんなドラマティックなものじゃなくて、上谷の場合は単に会社推しだろう。

長州の場合は下剋上的なものだったが、上谷の場合は会社のセッティングなんでまったく違う。

(噛ませ犬発言事件について猪木から直接的な指示はなかったが背中を押されるようなことは言われたのではないか?という読みがあるが(『長州力引退に改めて思うこと~”仕事との向き合い方”で人はいつでも変われる、というお話』1970年生まれ 男のロマンBlog)、上谷の場合は単純に会社の指示通りにやってるに過ぎないだろう。)

 

…さーて、3.3武道館大会も明後日に迫ってきましたな。

もうあんまり特に言うこともねぇかな。

ということで次はたぶん3.3終了後の結果を踏まえた『スターダムのウラ 34』かな。

ん? 俺は観に行くかって? スターダムのチケットの売り方があまりにもなんで、買わないよ。当日は渋谷に映画観に行く予定(笑)。