人口減少の私たちの未来を暗示する実験と論考 12 | ふんわりしずかに…

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時間も場所も、自分からもちょっとだけ離れて…今、ここにくつろぎましょう。

 

 メスの攻撃性は時に、自分が産んだ子にまで向き始めます。

 「毒親」によって傷ついた子マウスは本来よりも早く親離れをさせられ、その多くが引きこもりになっていきました。

 

 「親ガチャ」というネットスラングがあります。

 家がある、社会的地位の高い仕事とお金がある、良識や学識、気持ちにゆとりも持ち合わせた親から産まれた子と、逆の家の子。日本でもすでに区分けができていて、後者は「親ガチャにハズレた」と言われます。

 ハズレの最悪ケースとしては親から子へのDVや虐待、子育て放棄、家族に実害をもたらすほどの借金、「親の愛」の名の下に続く子への過干渉や支配などが挙げられます。これらは子どもの心に黒い影を落とし、大人になってもトラウマとして残り、本人を苦しめ続けます。

 薬物やアルコール、恋愛・セックス中毒の親、やむを得ない場合が多いとはいえ精神疾患を持つ親が子に及ぼす影響も大きなものです。

 

 一連の機能不全家族で育らてれた子はいつも“良い子“でいようとしたり、他人の顔色や迷惑を過剰に気にしたり、異常なまでに低い自己肯定感に生きづらさを抱えています。

 アダルトチルドレンや不良になるケースがままあり、ストレス発散も不良との付き合い、酒やギャンブル、不純異性交遊になりがちです。反対に外との接触をまったく閉ざせば、引きこもりになるわけです。

 また普通の親子関係を知らずに毒親をロールモデルとして育つことで、自らの結婚・出産の後に機能不全家族を繰り返し、連鎖させてしまう傾向にあります。

 

 数世代にわたって機能不全家族が続くケースも少なくありません。

 産みの親、そのまた両親から続く親ガチャの問題の根を断ち切るのは容易なことではないのです。

                            ――次回へ続く――

 

 ふんわり静かに・・・。