最後は未来への希望 | ひろみのBOOKブログ

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読書体験は自分へのギフト♡5年後、10年後、30年後の自分へ贈り物をするように読みたい。皆様と本の出会いをお手伝いできたら、嬉しいです♡表紙だけでも頭の片隅に置いておけば、書店で出会った時は、もう初対面ではありません。知ってる本なら手に取りやすい♡


クレヨン王国まほうの夏

福永令三 作
三木由記子 絵

講談社

くもりくもりくもりくもりくもりくもりくもりくもりくもりくもりくもりくもりくもりくもりくもりくもりくもり

子どもの頃に読んだ時と、大人になった今では

違う視点に立って読んだり
違う登場人物に感情移入したり

ということは、よくあります。

この作品を子どもの頃に読んだ時は

麻美に想いを寄せる清太の姿や
ハラハラする誘拐事件の行方
に注目して読んでいました。

ですが、母となった今は
主人公ふたりの子育てに注目してしまいます。

そう、育てるんです。

水色の何かに
なるはずの
大福のようなものを


クレヨン達のミスで
大福を育てることになる
麻美と清太

大福は水色の何かになる
何になるかはわからないから
色々な経験をさせなければいけません。

しかも、3日以内に何かにならなければ
大福は、死んでしまう!

早く何かにしなければと
外の危険をよく言い聞かせずに遊びに出してしまって、ハラハラしながら帰りを待ったり

親の都合で子どもを振り回して反省したり

独り立ちする子どもを見送って涙を流したり

あー、わかるなぁって。
(独り立ちはまだ見届けてないけど)


この作品の初版は、1986年
今から34年前です。

主人公のふたりは小学生なので
夫婦というのとは、少し違うけど

共に子育てをしているという点では
夫婦のようなものです。

この二人が、常に話し合いながら物事を進めていくのが印象的です。

清太、かっこいいんですよ♡
素直に非を認めたり
素直に褒めたり


作者が子ども達へ向けて
これからの夫婦像を見せたのでしょうか。


最近、児童文学に関する本を少しずつ読んでいるんですが

そのどれにも
「児童文学は、最後は子どもに希望を持たせるものでなくてはならない」
と書いてあります。


この作品も、最後は未来への希望で終わります。