1万4千人の大観衆が詰めかけた
名古屋全日本選手権の決勝を制したのは
茨城の吉田拓矢。
2021年の競輪祭に続く2回目の
特別競輪優勝で、年末の平塚GPへの
出場も確定。
デビュー時から競輪一家のホープとして
活躍を期待され、S級には順調に昇格を
果たしたものの…いきなり当時の
関東のトップであった武田や平原の
前を任されて試行錯誤の日々が続き
「期待の若手」からトップクラスの
仲間入りを果たした2021年には
高松宮杯で宿口、寛仁親王牌で平原と
関東の先輩2人の特別制覇に貢献
自身も競輪祭で単騎捲りを決めて
悲願の特別競輪初制覇…と
関東のトップに君臨する選手になるかと
期待を集めましたが…
SSとして迎えた2022年には
意外に活躍ができずに低迷して
1年間で赤パンを脱ぐことになり
翌2023年には西武園オールスターで
決勝進出して、死に駆けの暴走先行
番手の眞杉が優勝して特別初制覇を
果たすも、自身は暴走での失格で
斡旋停止3ヶ月の懲罰を受けてしまい
特別競輪には半年間出場できず
復帰した岐阜全日本選抜でも失格
翌2024年の前期にはS2に降格…と
なかなか苦しい期間を過ごしましたが
昨年のいわき平ダービーで決勝進出
決勝で関東ラインの先頭を務め
「もう終わった選手」と言われた
平原を優勝に導く先行で貢献するも
その後も寛仁親王牌で失格
競輪祭では自爆のような落車で棄権
さらに苦しい日々が続くも…
今年に入っても立川記念で落車し
1ヶ月以上欠場するも、復帰場所の
豊橋全日本選抜で決勝進出し4着
玉野記念では単騎捲りで優勝
徐々に調子を上げていき
今回は自力でも番手でも好走して優出
決勝では眞杉の捲りに乗って優勝
吉田拓の暴走でオールスターを
優勝して、そこから関東のトップに
立った眞杉に、貸しを返してもらう優勝。
「(4年前に)競輪祭を優勝してからは
良い事の方が少なかったけど
ここまで腐らずにやってきてよかった。
家族の為にも落ち込んでいられなかったし
子どもが誇りに思ってくれる
父親でいたいと思ってたので頑張れた。」
決勝の翌日はこどもの日、ご家族に
大きな勲章を持って帰ることが
できたのではないでしょうか。
今回の優勝で平塚GPを決めた吉田拓は
決勝2着で、同じくGPをほぼ確定した
眞杉との関係について
「今回、優勝をさせてもらったし
今後、自分も前で戦わないと。
自信を持って眞杉の前を回れるように
なりたいです。」
かつての関東の最強タッグだった
全盛期の武田豊樹と平原康多のように
前後を入れ替えて2人で獲らせ合う関係を
眞杉と吉田拓には築いてほしいですね。
おめでとう!ヨシタク!
決勝前恒例の
当ブログ専属解説員(無報酬)
8Rのケンヤー石原ー荒井の
ミラクルな8万車券を本線で
購入して獲って…
目の前で筆者に恐怖新聞を見せつけた
灰人さんとの展開予想
「で…お前の本命は誰よ。」
「先行する新山の残りが軸。
あとはヨシタクのアタマも少々。」
「まあ、普通に考えれば3車ラインで
先行する新山に、古性とか浅井も
道中では東北に味方しそうな感じだから
展開的には新山が有利なんだろうな。
初手はS取り合戦なんだろうけど
菅田も阿部力も早いし、古性だって
S取って東北だけ入れて4番手取りが
展開的には面倒くさくないからな。」
「新山の調子も悪くないし
松井や眞杉が強引に斬ってきたら
引いて捲りでOK。」
「う〜ん、確かにそうなんだけど
今日はけっこう風も強くて、負け戦では
後方からのバック捲りがけっこう
決まっているし…
何より、古性と眞杉の強欲な2人が
黙ってはいないと思うんだよね。」
「じゃあ…お前の本命は?」
「チョビ髭・松井が涙の特別初優勝。」
「いや…マジで言ってんの?」
「俺は眞杉がなんらかのアクションをして
東北の邪魔になると思うんだよね。
新山がペースを上げて行く前に
ダッシュして菅田に張り付くとか
カマシに行って新山が出さなきゃ
どこかに降りて頭突きするとか…」
「でもまあ、そうなると古性も
参戦してくる可能性があるね。」
「そこを松井がスコーンと捲れば
隊列は短いしブロックも来ない。
人気は古性と眞杉に集中してるから
松井のアタマはスジでも2万スタート。」
「菅田は全員に狙われるってことで
後ろ攻めから突っ張られたあとは
他の選手は東北に矢印が向いてるんで
誰にも注目されないままで
捲れるってことね。」
「おお、岩本の得意技『ステルス追込』
が松井に伝授されて『ステルス捲り』
が発動されるわけよ。」
「なるほどねぇ…」
「俺には見えるぜ、松井が優勝して
表彰式でインタビュアーを務める
ヤマコウが松井に向かって
『今回のイメージキャラクターの
松井珠理奈さんから、松井宏佑選手に
松井同士の花束の贈呈です。
いやー、同じ松井でもずいぶん
顔の作りが違うもんですね。』
って、ちょっと寒いコメントをして
場内から失笑が漏れるところが。」
「おお……
そういうサインもあったのかよ。」
「まあ、普通に考えたら格の違う
古性と眞杉の両者を車券に絡めないと
いけないんだろうけど…いまさら
そのへんを買ってもクソ安いから
大勝ちはできないからな。」
「8万車券を取ったばかりの人には
思えないような発言だな。」
「まあ、俺はどこかの誰かと違って
真の穴党だからな。」
レースのポイントは
・東北、2人がかりのS取り
・新山のツッパリ先行
・2角で仕掛けられなかった古性
・直線での菅田の落車と
「それぞれ」での判定
号砲が鳴ると阿部力、菅田の2人が
ダッシュしてS取りに行って
同じように前に行った眞杉は取れず
古性は東北の後ろ4番手をキープ
浅井は関東の後ろで7番手
赤板で松井が前を斬りに来ると
新山は突っ張って先行、そこから
ペースに入れて駆け始めて…
一本棒のまま最終ホームを通過
眞杉も古性も追い上げることなく
2角の下りで車間を開けた眞杉が
踏み上げて3角捲りを仕掛けて…
あっさりと東北勢を乗り越えて
前に出る時に眞杉の後輪に
菅田の前輪が当たって…菅田が落車
そして眞杉もブレーキがかかった
ような感じになり、眞杉の後ろから
突き抜けて吉田拓が優勝
捲った眞杉が2着で、直線追い込んだ
古性が3着で入線、ただし眞杉は審議。
「う〜ん…誰も追い上げないで
一本棒のままで最終バックまで
来ちゃったのか。古性も2角の下りで
仕掛けるかと思ったら追い上げも
捲りも仕掛けなかったとは…。」
「それだけ新山の逃げが、吹かし過ぎの
ハイペースだったんじゃねぇの?
たぶん眞杉の捲りは凄いタイムで
10秒台の上がりになっていて
菅田に当たらなかったらもっと
出てたと思うから、単純に眞杉が
超抜のデキだった…ってことだな。」
吉田拓の上がりタイムは、後で確認したら
驚愕の10.6、たしかに超高速な
レースだったんですね。
「審議はどうなんだろうね、
眞杉がそんなに締め込んだみたいには
見えなかった感じだったけど…。」
「菅田の方もヨコに動いてるから
ちょっと微妙な判定だろうけど
『浅井払い』で失格に認定するには
至らないくらいの締め込みだな。
ここで眞杉を失格にするとヨシタクも
後味の悪い優勝になるから
さっさと『それぞれ』で決定して
優勝インタビューを見せて欲しいな。」
「まあ、どうせ眞杉が失格でもセーフでも
俺達はどっちの車券も無いからな。
さっさと決定して欲しいわ。」
「そういうこっちゃ。
ヨシタクは眞杉にはやっと借りを
返してもらった形になったけど
あの暴走失格で懲役も食らったのは
さすがに可哀想だったと思うし
さんざん特別の決勝でお務めを
果たしてきたんだから、ちょっとは
報われても良いんじゃないかな。」
「去年はボロボロの状態の平原に
優勝をプレゼントしてやったし
宿口なんぞにも前回りをして
タイトルを獲らせてやったんだから
暴走の件も含めて考えると
『埼玉と栃木の自力は一生使い放題』
って掟が作られても、許されるな。」
やがて決定されて…審議は「それぞれ」で
眞杉も菅田もセーフで決着。
いわゆる「浅井払い」失格と判定するには
眞杉の内に締め込んだ動きと
菅田が新山に押されて外に行った動きが
リンクしてたので…まあ、悪質じゃないし
セーフでイイんじゃない?
なんのブロックもしないで
前にも踏まなかった菅田は、どうせ
3着にも入れなかったでしょうし
「なにかして欲しかった」って
味方の阿部力にもグチをこぼされて
いましたんで…ねぇ。
むしろ眞杉はそこでブレーキが
かからなかったら、もっとヨシタクと
ゴール前でいい勝負になっていたと
思いますから…。
先行した新山のコメントは
「カカらなかった。
ペダルが重たく感じました。
後ろからの仕掛けがなくて
ペース的には悪くなかったはず。
武雄記念の前に体調を崩して
追い込んだ練習ができなかったのが
最後に響いてしまった感じでした。」
だそうで…武雄記念の途中欠場で
体調が怪しいと思っていたのですが
初日の2車でも気合を込めた先行
二次予選では後続がちぎれても押し切り
準決ではナショナルのカイヤ相手に
力勝負で勝ちきった動きを見て
これは体調万全と本命にしたんですが
肝心な決勝でダメでしたか…
そして古性のコメントは
「打鐘で菅田さんの所までいくか
メッチャ迷った。
阿部さんとハウスして口が空いた。
そこで脚が溜まらなかった。力不足ですね。
日本選手権にふさわしくない。
僕みたいに甘い人間は獲れないと
言うことだし、また精進します。」
だそうで…古性としては先に動けば
眞杉や松井を引き出してしまう、
という思いもあったのかも、ですが
すでに「メッチャ迷った」時点で
デキに自信がなかったんでしょうか。
吉田拓の勝因は…前を任せた眞杉を
全面的に信じることができたこと、
そして自身が語った通りに、辛い時期にも
「腐らず頑張ってきたこと」でしょうね。
競走としては、特に何もせず眞杉につけて
差しただけでしたから。
ただ…そこに至るまでの過程に
勝利の要因が詰まっていたんでしょう。
これからの眞杉との関係がどのように
なっていくかが、楽しみです。
車券の結果は…
本日もいつものサテライトで
輪友の皆様と打っておりましたが
3Rに取鳥クンのアタマで
3マンシューついた車券を獲って
初日以来の万車券ゲット。
が…その後はワッキーが勝った
7Rを獲ったのみで沈黙
軸の選手が当たっていながら
ことごとくヒモを外してしまい
高配当が次々に飛び出す負け線で
「もう一本」が出ないまま終了
長欠から復帰した
慎太郎が1着を獲って山岸と
喜びを分かち合う姿を見て
ちょっとジーンとしましたが
とても買えんしなぁ…
決勝も吉田拓のアタマ車券は買いましたが
穴を狙いすぎて眞杉の2着はナシ
3角で眞杉が捲りきった瞬間
ああ、もうどうやっても当たらないな…
と、全てを諦めました。
もうちょっと当たり前の予想を
しても良かったのかも…ですが
小銭勝負で配当をいただくには
穴狙いをせざるを得ませんし
そして…穴狙いで的中したほうが
という、たいへん浅い理由もあります。
今開催は初日に浮いたライフを
コツコツと切り崩して行く、という
昨年のダービーの反省をまったく
活かすことができない立ち回りで
終了いたしました。
まあ、初日の時点で最終日までの
ライフの心配をいっさいしなくても
済む位に浮きましたし、開催トータルでは
最終的にはチョイ勝ちだったんですが
ノッて頂いた皆様には、2日目以降は
的はずれなハズレ予想ばかりを
お届けしてしまって…
誠に申し訳ございませんでした。
さて…このあとの開催は、
早くも今週末から平塚記念
そして翌週末には冠が変わって
「レジェンド神山雄一郎カップ」
となった宇都宮記念と続きまして
たぶん準決・決勝は打つでしょうが
ブログ更新はしないと思います。
その後は青森全プロ、そして
取手記念・別府記念と続きますが
メンバー豪華な全プロと
別府記念は更新予定です。
(信頼度・★★★☆☆)
別府記念は現地に行きたいけど
たぶん無理だろうなぁ……。
皆様、長丁場のお付き合い
たいへんお疲れ様でした。
また次の更新にお越しください。