「絶対的な自信」で掴んだ栄冠・岸和田高松宮杯エピローグ | ふぬ競 第二章

ふぬ競 第二章

寛仁親王牌までお休みです。






「獲りたい、獲りたいと思って臨んだ。
 自分の中でも獲れると信じて臨んだ
 宮杯だったので、獲れて良かった。
 前の郡司さんの思いだったり、
 三番手の真久留さんの思いだったり
 仲間の思いだったりを感じながら
 自分で精いっぱい踏み切ろうと。」


岸和田高松宮記念杯を制したのは
初タイトルとなる、神奈川の北井佑季。
郡司の死に駆け先行に乗って
番手捲りで押し切り優勝。

皆様も御存知の通り、北井は
サッカーJ2の選手から転身
師匠である高木隆弘の超ハードな
練習によって積み上げてきた
脚力でS級上位に進み
今年初めての特別、岐阜全日本選抜では
決勝で郡司を優勝に導いて
そして二度目の決勝である今回は
郡司からの恩返しで自身が優勝。

師匠の高木隆弘のインタビューでは

 


「GⅠ制覇に必要なものは、絶対的な自信」
という言葉がありまして…
「上位の選手は、みんな勝つつもりで
 競輪場に来ている。そのなかでも
 『ひときわの念の強さ』を心にとどめて
 しっかり行動に、競走にそれを宿せる人が
 やっぱり勝ってると思います。」

そして、その絶対的な自信の根拠は
「誰よりも何かを一生懸命やってきた、
 誰よりも練習してきたとか。
 やっぱりそういう『根拠になるもの』
 は大事ですよね。
 それらが自信になるわけだし、
 その自信が練習で磨いた能力を最大限、
 本番で発揮させる要因にもなる。」

これを聞いて、鴨川会長の

このふたつの名言を思い出しました。

 









北井の練習内容を聞いた他の選手が
「自分にはムリ」とドン引きするような
厳しい練習をこなして得た絶対的な自信
そして信頼できる師匠や仲間との絆で
つかんだ栄冠



「師匠がいて今の人生があるし、
 (優勝して)安心してもらえたと思います。
 仲間に支えられての優勝でしたが、
 これからもしっかりと自分らしい
 泥臭いレースで南関を引っ張りたい。」

決勝で引っ張ってくれた郡司
賞金でSSに近づいている岩本
現在のSS・賞金ランク10位の深谷と
年末の静岡グランプリに向けて
今のところ南関が優勢な立場

準決で引っ張ってくれた松井を含め
これから何人を送り込めるのかは
北井と郡司にかかってるのでしょう。

 

栄冠に手が届かないまま

現役を終えていく選手も多い中で
「獲らせたヤツには
 獲るチャンスが巡ってくる」

そのチャンスを一発で仕留めた
北井の優勝は、心から祝福できます。



おめでとう!北井!

しかしなぁ…ゴール後の落車だったから
ウイニングランもできなかっただろうし
岸和田の現場ではレース後、いったい
どんな雰囲気だったんでしょう。
しかも、落車したやつを胴上げしても

良いのかよ……?




 

コケた後、何事もなかったかのように
スッと立った古性には驚きましたが。





勝負のポイントは
・初手で前を取った南関勢
・小林泰を入れなかった新山
・脇本のナメカマシを
 不発にさせた郡司の死に駆け
・ホームでインを突く小林泰に
 仕掛けさせられた新山
・古性、執念のゴール前強襲



決勝の前に恒例の
ふぬ競・特別解説員(無報酬)


灰人さんとの展開検討



「まあ、郡司は死に駆け確定で
 すんなり北井が番手捲りしたら
 別線は完封されて終了。
 ワッキーは死に駆けには
 付き合わずに戦うと思うけど
 初手の位置によっては
 多少の抵抗はするかも…だな。」


「どんな抵抗だよ?」


「1枠が南だから、前受けすれば
 郡司が来るときに突っ張り先行
 ワッキーが全力でスプリントすれば
 郡司でも簡単には叩けない。
 ワッキーは古性には心を許してるし
 今年のウィナーズカップの優勝は
 古性と窓場の献身のお陰だから
 古性の地元なんで勝って下さい、
 みたいなことは、無いわけじゃない。」


「う〜ん、でも古性には
 去年に突っ張り先行で優勝させて
 やってるからなぁ……。」



「そう、そして郡司はワッキーが
 死に駆け相手には付き合わないことは
 知ってるだろうから、
 まずは死ぬ気でS取りをして
 前受けして赤板からペースを上げて
 打鐘からのワッキーのナメカマシを
 封じれば、それで北井の優勝。」


「そのときに新山の捲りが出る
 展開もあるんじゃないの?」


「ガチな叩き合いが長引いたら
 無いことはないけど
 ワッキーは一撃で叩けなきゃ
 すぐに諦めちゃうと思うし
 その時に古性が降りてくるのは
 新山の位置あたりになりそう。
 そして、このバンクは遅めの
 捲り追い込みは効きづらいし
 ちょっと厳しそうな感じかな。」


「その他にポイントになるのは?」


「小林泰の位置取りだな。
 初手で南関が前受けしたら
 その後ろにつけるだろうし
 マクルが車を外に持ち出しゃ
 インをシビアに突くだろ。
 あいつは松浦の下位互換で

 そこそこの競輪IQはあるから
 展開を読み切って位置取りできるし
 単騎でも何か仕掛けそうだな。」

「あとは…北井はたしかに強いけど
 番手捲りに慣れてないから
 準決も踏み出し方が微妙だったし
 優勝が目の前にチラついて
 『脚が三角に回る』ってことになりゃ
 マクルが申し訳なく差しちゃうって
 悪魔の一手も考えて良いんじゃね?」


 「もしそうなったら松井と郡司が
  『お前を優勝させるために
   死に駆けしたんじゃねーよッ!』

  って、胴上げや打ち上げを
  拒否しそうな気もするな。」


「まあ、特別の決勝は何でもアリで
 嫌われようが獲ったもん勝ち。
 でもまあ、普通に進んだら
 北井ーマクルー小林泰で決まるだろ。」

 
「古性はちょっと厳しい?」


「ワッキーがすぐに諦めたら
 死に駆け相手に中団に降りても
 前がカカってるだけにキツそうだな。
 ワッキー抜きで古性が先頭なら
 北井のところに強盗に入れるけど
 そういうわけにも行かないしね…」


レースは郡司が前受けをして
中団に新山が入り、単騎の小林泰は
インくれをして南関の後ろに
入ろうとしましたが、新山が拒否


後方から動いたワッキーのナメカマシは
郡司が絶妙のペースを作って併せきり
中団の新山の牽制もあって
最終ホームを前にワッキーは終了


そして…ワッキーを牽制した新山の
隙をついて小林泰がインをしゃくり
南関の後ろにつけて、新山はやむなく
捲り発進するも、北井に見つかって
併せられて終了。


そのまま番手捲りを打って
北井ーマクルー小林泰ー古性の順で
4角を回り、差せる気配もなく
北井が押し切り…内を突いた古性が
小林泰に接触してバランスを崩し
落車しながらハンドルを投げて
3着に入って、北井も接触して落車



北井は1着ゴールも
古性と小林泰が対象の審議になり
えらく長い時間の審議が続き…



「なぁ…どうみても原因は
 ムリヤリ中割りした古性だよな?」


「う〜ん、わかんないけど
 二人を審議対象にしたってことは
 地元の古性を失格にさせないためで
 『それぞれ』でセーフじゃない?」


「いや、岸和田はけっこう厳しいから
 地元の古性でも取るんじゃねぇか?
 自爆だけならともかく、北井まで
 引っ掛けて落車してるんだから。」

そのあと、1・2着は先に決定して
3着の審議がけっこう長くて…


「この長さは、古性の取り調べに
 時間を掛けてるってことだろうから
 失格判定するんじゃねぇか?」

 

 
「いや、逆に中継の時間内に
 審議VTRを見せないために
 あえて長引かせてんじゃねぇの?
 まあ、俺は3着古性も小林泰も
 両方を同じ枚数持ってて、配当も
 そんなに変わらないから、いいや。
 お前も両方持ってんだろ?」



「3着小林泰は17枚持ってるけど
 3着古性は1枚も持ってねぇ。」




そして…
「4番と7番を審議しましたが…」
のアナウンスを聞いて、崩れ落ちる
灰人さんでした。




北井の優勝は文句無しで
前を取ってワッキーを出させないように
死に駆けした郡司も立派。
ずっと内を締めて抜く気ナシの
マクルも含めて、北井を勝たせるための
献身が光りましたね。

新山は…初手で小林泰を入れてしまえば
自分のタイミングで捲れたのに
内に入ってきた姿を見て慌てて仕掛けて
スピードに乗れませんでしたね。
まあ、自分のタイミングで捲っても
北井に併せられたかもしれませんが。

そして古性は……あんなところから
落車しながらハンドル投げてるのは
恐ろしい執念
前を任せたワッキーが足枷になった
感がありましたが、まあ、今まで
世話になってるだけにやむなしですか。

そしてワッキーは…
中野さんがこんな苦言を呈してましたが




 

別に死に駆けがルール上で禁止されてる

わけでもなく、ラインから優勝者を
出すための最善の作戦として選手が
選んでるわけですから、
別にいいんじゃないの?

現役時代、単体では最強だった
中野さんを倒すためにフラワーラインが
いろんな作戦を考えていたように
最強のワッキー=古性を倒すために
別線が二段掛けをするのは当然と思いますし
ワッキーは「みんな僕を目の敵にする」
みたいな発言がありましたけど
そりゃ、トップに立つ人の宿命でしょう。




で…車券の結果

負け戦では10車券3発をはじめに
高配当が連発して荒れ狂いましたが、
穴が獲れたのは9Rの演説王ー暴君に
いじられ将太が3着の4万車券のみ。

 


 







またしても起こる見慣れた惨劇
特別の最終日に落車する平原とか




 

人生初の特別競輪参加で
地元でいい思い出を作りたかった
松村を、無惨に落車させてしまった
今回も不調だった松浦に絶望。


 

 

 

決勝の車券は押さえで獲ったものの
一番人気の配当では大儲けとはいかず
トリガミをかろうじて避けた程度で…
最終日はけっこう浮いたものの
開催トータルでは中盤で負けすぎて
ライフを減らして終了です。


さて…この後は死に駆けがお嫌いな
中野さんの冠レースである

 


久留米記念・中野カップがありますが
特別直後の開催なんでトップクラスは
サボるでしょうし
ホームのスタンドが閉鎖中の
ヤル気のない競輪場なんで…
たぶんブログ更新はナシです。

北井や古性がサボらずに来て
勝ち上がったメンツが良かったら
決勝だけ更新するかも…です。



次のビッグレースは
7月中旬の松戸サマーナイト
333バンクでの特別競輪は
落車が起こりやすいので、正直いって
あまり歓迎しておりませんが……

さて…静岡GPに進むのは
郡司・平原・北井が確定して
古性も賞金で確定、清水もほぼ確定
現・SSで賞金が積めていない
松浦・ケンヤ・眞杉あたりは
もう危ういですねぇ……。


皆様、お疲れ様でした。
次回はたぶん松戸のサマーナイトで
更新します。