本題の競輪祭の前に訃報ですが
直木賞作家で、競輪界とも
関わりが深かった伊集院静先生が
逝去されました。
JKAのCM
「競輪✕人生」における先生の至言
「ただ、勝てばいいのなら
競輪というスポーツは
大して面白いものではないだろう。
勝利の中にすべてがあるわけではない。
むしろ、敗れたことによって
得るものが多いのは、
私たちの人生ではなかろうか」
は、心を打つナレーションでした。
「競輪は人の情念が織りなすギャンブル」
とも語られた、伊集院先生のご冥福を
心よりお祈りいたします。
さて……競輪祭の4日目は
激闘と波乱の負け戦・二次予選と
演説王・新田の快勝に終わった
ダイヤモンドレースを経て
準決勝に進む27名が確定。
SSでは平原がただひとり、
二次予選で敗退して陥落が確定。
永くトップクラスを続けて
関東の大将として君臨した平原が
来年からは7車立てのF1を走るのは
なんとも悲しい気分になりますが
これも時代の流れでしょうか。
その一方で、初日に紹介した
「ナゼダ枠」の選手の中から
簗田一輝と久保田泰弘が準決進出。
かつては輪友の皆様から
競輪IQの高さを評価され
闘志あふれる競走を見せながら
怪我で長年低迷していた簗田は
鋭い決め脚と厳しい捌きで準決進出
そして久保田は、すべてのレースで
主導権を取ったラインの3番手に付け
ラインワンツースリーが決まって
一人も前の選手を抜かないまま
③③③で準決に進出
バカヅキとしか言いようがありませんが
同県の先輩・人格者の桑原さんは
「前を任せた選手が全て1着を取って
一人も抜かずにダービー決勝2着
その賞金でグランプリに出場」
という偉業を達成してますんで……
準決では単騎ですが寺崎ー古性の
3番手に入れそうな久保田
果たして一人も抜かないままで
決勝進出なるでしょうか。
ちなみに準決の地区ごとの人数は
北日本 6名
関 東 3名
南 関 7名
中 部 0名
近 畿 4名
瀬戸内 4名
九 州 3名
最大派閥は南関なんですね。
二次予選振り返り
6R
初手で前受けした九州勢に対して
「まさか…突っ張らないよな?」
と、半信半疑な声援が飛んでましたが
後方から上昇した飯野を突っ張り
赤板から先行するツルツル北津留
道中、飯野がインを進出したり
山田久が捲りを仕掛けたりしましたが
園田も井上もなんとか耐え続けて
ゴール前で園田が差し切って
九州ワンツースリーの決着。
いや……素晴らしいレースでしたが
見ててマジでハラハラしたわ。
灰人さん
「園田の野郎、引いてカマシだと
チギレたり競られたりするリスクが
高いから、『絶対大丈夫だから』
って、北津留にツッパリ先行作戦を
必死に吹き込みやがったな。」
7R
前受けの伊藤颯を赤板で森田が斬って
太田海のカマシ気味の先行
引いた伊藤颯はすかさず打鐘4角から
叩き返しに行くも、途中で中団の浅井と
鈴木竜が縺れた煽りを受けて
その後に吉澤からも牽制されて
必死に踏み込むも出切れず
………で、伊藤颯の動きと
連動したかのように、森田が追い上げ
太田海の番手を清水から押し込み強盗
清水は吉澤にも一発食らって苦戦し
太田海が後続の縺れを尻目に逃げ切り
番手を奪った森田が2着
伊藤颯の不発から切り替えた伊藤旭3着
ラインバラバラで3連単8万シュー。
灰人さん
「ソーマくんは煽りを食らわなきゃ
出切れたかもしれないけど
中団の森田・吉澤・竜士のところが
デンジャーゾーンだったな。
しかし森田のあの、1車でも前に
行こうとする闘志は、惚れ惚れするわ。
若い頃の小野さんみたいだったな。」
筆者
「最近始めたファンの人は、小野さんの
若い頃なんか知らないんやで。」
8R
前受けのアフロ山崎を菅田が斬りに行って
打鐘前から町田の先行……も
最終ホームで菅田が町田の番手の桑原を
内からしゃくりに行って撃退され
菅田の番手の守澤は切り替え
バックで好スピードで捲ったアフロ山崎が
一気に出切るも、番手の荒井のところに
飛びついた守澤が、見た目に反して
ヨコの動きに弱い暴君・荒井を飛ばし
直線でアフロ山崎を差し切り1着
3着は松本貴が大森との直線勝負を
制して入線、ここもラインばらばらで
3連単3万車券の中穴。
見ていて驚嘆するタテヨコの動きで
快勝した守澤はさすがでしたが
アフロのアタマから流していたのに
守澤の裏を買ってなかった
灰人さんと筆者は大ダメージ。
食わなくてもいいじゃねーかよ……。
9R
赤板で前を切った雄太を、打鐘過ぎに
長島が叩きに行って踏み合いが勃発
削り合いになって長島が出切るも
これは寺崎の行き頃カマシ頃。
寺崎ー南ー久保田で一気に出切り
後続とは車間が開いてしまい
もうあとは南が差すか差せないかの
二択しかないゴール前
きっちりと南が差し切って1着。
灰人さん
「寺崎は前の二走が捲りだったんで
逃げたときの末がどうかって
気になってたんだけど……
展開が味方したとはいえ最後まで
タレた感じはしなかったし
アレを差し切った南も仕上がってる。」
「長島はあそこまで叩き合いしたら
寺崎を引き出して終了になっちゃうけど
4着権利だから、寺崎の後ろが1車なら
ラインから2人準決に乗せることが
できたし、現に自分は4着なんだから
まあ、仕方ないよな。」
「せやな」
10R
前受けした中野慎が、赤板で上昇した
庸平を突っ張りそのまま先行体勢
そこに襲いかかった北井との叩き合いは
お互いに気迫十分のガツガツした感じで
なかなか見ごたえがありましたが
北井が制してホームで出切り
でも中野慎の番手のユキノリが
神奈川3番手の小原太を飛ばして
死に体の中野慎を3番手に迎え入れ
中野慎はバックで再度捲りを仕掛けるも
松谷が牽制して不発。
そのまま粘った北井を松谷が差し切り
内を突撃する庸平、中コースを突いて
伸びた成田との直線勝負を微差で
制したユキノリが3着。
「あんだけ叩きあったんだから
脚溜めてる庸平やノダゲンで
ひと捲りかと思ったけど
北井は末もしっかりしてたな。
ナショナルのエース相手に
ガチの叩き合いで勝ったのは
自信になっただろうな。」
「せやな。」
11R
前受けの取鳥を赤板で中団の坂井が
斬りに行って、そこを松井が先行
引いた取鳥はすかさずカマシに行って
良いスピードだったんですが
内で猛抵抗する松井が出させず不発
叩き合いを誘って狙い通りの坂井が
バックで捲りに行くも……
そこでもう一度、踏み直した松井が
坂井を出させず
南関ラインの3番手にいた⑥簗田が
いったん連結が外れた感じになるも
坂井の番手の平原を張って飛ばし、
内を突いた岩津にも一発食らわし
出切れず浮いた坂井にもトドメの
ブロックを食らわし
直線では前に出ていた岩津を差し返して
3着に入る超・ファインプレーを見せて
南関ライン3人で確定板独占
「いやぁ……坂井は取鳥と松井に
叩き合いさせて捲る組み立てで
取鳥もあそこまで抵抗したのに
坂井にも捲らせなかった松井は
強かったな。
南関ラインの番手の岩本は
厳しく牽制する印象が無かったから
坂井が捲ったら素通しと思ったけど
力尽きて下がった取鳥が邪魔になって
あとは簗田が全部止めちゃったから
岩本は、特に何もしてないんだよな。」
「せやな。」
「いやしかし、簗田の動きは凄かったわ。
全盛期の小野さんみたいだったな。」
「なぁ……最近始めたファンの皆さんは
A級でちぎれ続ける小野さんの姿しか
見たことがないんやで。」
中川せいちゃんの500勝記念の時に
熊本に降臨されたらしいですが
お元気なんでしょうか、豊後の虎さん。
ダイヤモンドレース
前受けした東北、中団に南関、後方に近畿
赤板手前の2センターで誘導と車間を斬った
新山に対し、ワッキーが早めに発進……も
たぶん近畿両者を蹴飛ばして車券を買った
観客の皆様から、「来たぞッ!」の声が
かかり……新山がメイチで先行
踏み遅れたのか、3番手の慎太郎が
前の新田とずいぶん車間を空けてしまい
詰める勢いで踏んだ動きが牽制になって
最終ホームより前に、ワッキーは終了。
古性は中団にいた深谷のところに降りて
押し込んで位置を確保して深谷を下げさせ
最終ホームでで南関両者もだいたい終了
眞杉は捲ろうとするも車が出ずに終了
新山はハイペースのまま駆け続けますが
初手から中団にいてサラ脚だった松浦が
3角手前で捲り発進、新田も番手捲り発進
道中の追い上げる動きで脚を使ってた
慎太郎は、限界だったのか後退して
追い上げる松浦をなんとか振り切った
新田が1着でゴール、松浦が2着で
松浦を追走する形になった古性が3着。
やはり新山の貢献が大きかったんで
自身のデキも良かった新田が押し切り
ワッキー不発でもリカバリーした古性
ここしかないところで仕掛けた松浦
見ごたえあるレースでしたね。
なにより…今日は全レースを通じて
落車・失格が無くて良かった。
本日も灰人さんと一緒に観戦
小倉駅からドームまで行く無料バスに
乗って向かいましたが、
途中でさっそうと乗り込んできたのは
……全国どこの競輪ファンの皆様も、
だいたい声援を聞いた経験をお持ちの、
あのお方。
イナガキネーサンが登場したんで
本日のドーム内の声援は3割増し。
しかしながら前日の酒が残ってたのか
筆者も灰人さんも能書きは語るものの
全然当たらずに抜け目地獄
このままボウズで終わるかも……と
不安が押し寄せてた10Rで
ようやくブログ予想通りの北井軸の
車券でマンシューを獲って一息ついて
新田のアタマで流した最終レースでは
慎太郎がツキバテで消えて
スジ違いで3万付いてラッキー
激減してたライフを回復して、
そこそこの晩飯が食える程度に
浮いて終了しました。
でもまあ、「負けずに済んだ」
くらいですねぇ。
前日は暑かったくらいの気温が
急降下して…やたらと寒くなって
体調管理が難しい感じなんですが
ドーム内は空調が効いてるとはいえ
選手にも影響があるのかも。
土日に現地にお越しになる方は
しっかり防寒対策されてください。
準決勝予想
SSが順当に勝ち上がったのと
番組屋がうまくちらして
組み合わせた感じになってるんで
3つとも大激戦必至のレース。
先行力とセンスでは眞杉ですが
2車とはいえ、スピードでは寺崎
そして二次予選の走りが圧巻だった
松井もラインの結束が固く五分の戦い
初手で松井が前を取って
いったん眞杉が叩いて先行体勢
そこを寺崎が二次予選みたいに
カマシ先行で対抗するか
それとも引いた松井がすかさず
リスタートするか……ですが
意欲が高そうなのは松井の方
眞杉はムリして叩きあうよりも
1ラインだけなら出して捲りも
考えてそうで……寺崎が2車で
叩いてきたら出しそう
そして郡司は、松井が駆けても
番手捲りは最後の手段で
基本的には徹底ガード
展開は難しいですが
やはり寺崎が行ったらガードして
行けなくてもリカバリーして
ド突き回してでも確定板には
入れそうな古性が、安定度では軸
相手は眞杉、郡司、寺崎に
一人だけ内を突いても許される
ユキノリ
3連単 2=135ー13568
厚めに 2ー7=1358
安いところが含まれてますが
そこはやむなし
1枠の慎太郎が前受けして
新山がいつもの突っ張り先行
車番から言うと初手の並びは
東北ー中国ー南関ー九州
最初に突っ張られるのは北津留
次に突っ張られるのは北井
でもさすがに3つのラインを
全部ツッパるのはムリなんで
2番目か3番目のラインには
出切られそう
ここまで半年以上の間
ツッパリ先行を見せ続けていて
それを逆手に取った作戦を
新山がこの勝負どころで出すんなら
たいした策士ですが………
髪型やヒゲで外見のイメチェンは
しょっちゅうする新山ですが
戦法はきっと頑なに変えずに
ココもきっと、突っ張りファイター。
慎太郎も成田もきっと戦法には
口を挟まずにサポートするのみ
おそらくSダッシュが苦手な
九州の二人が最初に上昇して
突っ張られて後退で
すかさず北井が行って
ここはけっこうな叩き合いが
打鐘過ぎくらいまで続くはず
策士・松浦が授けた作戦で
太田海がカマシ気味にホームで発進
出切ってしまえば、捲ってくるのは
いったん脚を使ったラインなんで
なんとか凌げそう
松浦が軸ですが、メンバー的に
太田海を残さないと決勝では
厳しいので、差すことよりも
徹底ガードで残しにかかる
太田海の押し切りも十分
穴目ならいったん下がる前に
あまり脚を使わなければ北津留
そして今回の動きは、決して抜群
ではないですが、展開良い岩本
3連単 9=267ー234678
おさえ 2=367ー3679
東北は3車ラインで本線に見えますが
ツッパリ先行作戦を使ってしまうと
このメンバーだとすべてのラインの
挑戦を順番に受けることになるので
いちばん要らないラインと思います。
(個人の感想です)
ライン先頭は全員が元・または
現役のナショナルチーム対決
そういえば小倉のドーム内で
ブノワコーチが歩いてたなぁ…。
ここは誰が主導権を取るか
全く解りません。
挑戦者の立場はアフロ山崎ですが
ラインは2車だし
番手は赤の他人の岩津ですし…。
ワッキーも深谷も1周くらいなら
駆けてもいいと思ってそうですが
順番を間違えると、両者とも捌きが
できないだけに最後方に置かれる
リスクはありそう
う〜ん……唯一先行が無さそうで
ヨコの捌きができるのは
演説王・新田なんですけど
ヘタ打ってインモグラーになる
情けない姿も度々見てますんで……
ここでおそらく激安オッズの
ワッキー=南を獲っても
ライフが増えないと思いますんで
そこが来たら仕方ないと諦めて
二次予選の追込み脚に執念を
感じた守澤が軸
相手は新田、位置が取れそうな森田
ワッキーが不発から内を突撃の南
3連単 5=267ー23679
さて…筆者の現地観戦は本日で終了
メンバー的にどこも激戦の準決を
楽しんで参ります。
本日は灰人さん、カイジくんと
同行して観戦の予定
伊集院先生が愛された「情念の競輪」を
見せてくれることを期待しています。
皆様、中盤戦を終えて
ライフの具合はいかがでしょうか。
ご健闘をお祈りします。