音無し5
ぼんやりとした朝の光景を眺めていた
静かだった
まだ世界が寝ているような時間で
ジョギングしているおじいちゃんと目があい あたしは小さく会釈した
耳が聞こえなくても静かなのかわかるのはなんか不思議であり それがあたしにとっての普通になった
流れる世界でせかせかと回る人達
それは小さく感じ
でも それらはあたしより大きかった
ちいさなあたしは ぼんやりと外を眺めるだけだった
温かくなってきたのを感じ 時計に目をやるともう12時だった
これは耳が聞こえなくなる前から思ってたことだが 時計を見ると無理矢理現実に戻される感じがした
そして 今はもっとそれを感じる
あたしはさらに取り残されているようだ
静かだった
まだ世界が寝ているような時間で
ジョギングしているおじいちゃんと目があい あたしは小さく会釈した
耳が聞こえなくても静かなのかわかるのはなんか不思議であり それがあたしにとっての普通になった
流れる世界でせかせかと回る人達
それは小さく感じ
でも それらはあたしより大きかった
ちいさなあたしは ぼんやりと外を眺めるだけだった
温かくなってきたのを感じ 時計に目をやるともう12時だった
これは耳が聞こえなくなる前から思ってたことだが 時計を見ると無理矢理現実に戻される感じがした
そして 今はもっとそれを感じる
あたしはさらに取り残されているようだ
音無し四
街を歩くあたし
後ろから肩を強く捕まれた。
驚いて振り返ると友達で
顔は怒ってて
それは顔にかかる唾の量でもわかった
なにか言ってるのはわかった
でも なにを言ってるのかはわからなかった
なにも言えないあたし
怒ったまま 後ろを向き去っていく
怒った背中に訳を話したくて 何を言っていたか知りたくて
大声で『まって』って
周りの人は驚いて もちろん友達も驚いてて
きっとものすごい大きい声だったんだろうな と気がついた
友達は小さく口を動かした
なにか言ったのかわからなかった
でも なにを言ったのかわかった
『気持ち悪い』
あたしの心は淵だけを残して大きく穴が空いた
どうせなら心なんて無くなればよかったのに
『まって』と言ったつもりのあたし
気持ち悪く聞こえた友達
どんな風にきこえたのかなぁ
死ねばいいのに…
あたしも友達も
あたしの心と世界が灰色に見えた
後ろから肩を強く捕まれた。
驚いて振り返ると友達で
顔は怒ってて
それは顔にかかる唾の量でもわかった
なにか言ってるのはわかった
でも なにを言ってるのかはわからなかった
なにも言えないあたし
怒ったまま 後ろを向き去っていく
怒った背中に訳を話したくて 何を言っていたか知りたくて
大声で『まって』って
周りの人は驚いて もちろん友達も驚いてて
きっとものすごい大きい声だったんだろうな と気がついた
友達は小さく口を動かした
なにか言ったのかわからなかった
でも なにを言ったのかわかった
『気持ち悪い』
あたしの心は淵だけを残して大きく穴が空いた
どうせなら心なんて無くなればよかったのに
『まって』と言ったつもりのあたし
気持ち悪く聞こえた友達
どんな風にきこえたのかなぁ
死ねばいいのに…
あたしも友達も
あたしの心と世界が灰色に見えた