The Birthdayを聴いてみた 第8回目 | ぐれむりんの気ままなブログ

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天使って本当は、禿げたオジサンの姿をしてるのかもしれないわ

彼女、そう言ってたんだ

 

 

チバユウスケ率いる日本のロック・バンド

The Birthdayをご紹介、第8回目。

 

今回ご紹介するのは彼らの6thアルバム

VISION

 

2012年に発売された、フジケン加入後2作目のアルバムです。

 

前作「I'M JUST A DOG」でバンドの変革、と言うか、明らかにそれまでとは雰囲気が変わったThe Birthdayです。

 

そのせいか?

今回の「VISION」は、初期のファンからは、キャッチーになったとか、ファッション・ロックに成り下がったとか、歌詞がダサいとか、アンチな意見がチラホラ出ていたアルバム……だった印象があります。

僕的には、イマイさん時代のマイナーな雰囲気が薄くなり、聴きやすい楽曲が増えた半面、チバ&フジケンのギター・サウンドがグンと前面に出てきて、よりガレージ・ロック感が増した……と、言うか、バンド感が増した印象です。

 

むちゃくちゃカッコイイです。

 

白いジャケット・カラーの印象でしょうか?

このアルバムは他の作品に比べて、軽やかで明るい楽曲が多い印象を受けます。

 

そして、完成度が高い。

 

って言うか、前作「I'M JUST A DOG」と今回の「VISION」の2作は、彼らのディスコグラフィの中でも、※個人的な意見ですが異質なくらい「分かり易いロック」が満載な気がします。

ええと、いわゆる、

一般ウケが良い※良さそう曲が多いのです。

 

例えば、アルバム「VISION」とほぼ同時に発売されたパフィーのコンピ・アルバムに収録された楽曲「誰かが」

この曲、作詞・作曲はチバユウスケさんです。

The Birthdayバージョンはアルバム未収録楽曲で、パフィーのコンピ・アルバムにのみ収録された楽曲です。

※その後、2019年発売されたThe Birthdayのコンピ・アルバム「WATCH YOUR BLINDSIDE2」に収録。

 

The Birthdayがセルフ・カバーすると、もはや、The Birthdayの曲以外のナニモノでもありません。

 

これが、いわゆる、一般ウケの良い曲です。

※個人の意見です。

他のアーティストが唄っても違和感無い、そんな楽曲が目白押しのアルバムが、「I'M JUST A DOG」と「VISION」です。

 

……が、

 

熱心なファンの妄言、を捨てて、冷静なレビューをすると、前作「I'M JUST A DOG」がThe Birthdayの最高傑作なのに対し、今回の「VISION」は、若干、昭和~平成初期のダサい歌謡ロックの要素が含まれている気がします。

 

ロックとはこうあるべき。

……と、でも言うような、ステレオタイプなロックのスタイルとでもいうような部分を感じてしまうのです。

※普段ロックを聴かない人が「ロック」と聞いてイメージする音楽をステレオタイプなロックと呼んでいます。

 

90年代に、それまでの邦楽ロックの概念をぶっ壊した伝説のバンド、ミッシェル・ガン・エレファントのチバユウスケを知っているファンからすると……

 

 

アルバム「VISION」で演奏される、完成度の高い楽曲は……

うわぁ~……

チバさん、大人になった……って言うか、丸くなったなぁ~、って、そんなふーに感じてしまったりするのです。

 

……が、

 

チバさんが大人になるように、往年のファンも歳を取って大人に……いや、オジサンになっていってるので、こーゆー曲もそれなりにカッコ良く聴こえちゃったりするわけで……。

 

結局、むちゃくちゃカッコイイ、って感想になるわけです。

 

でも、その翌年……いや、実際は同年からですが。

 

チバさんはスネーク・オン・ザ・ビーチ名義でソロ活動を開始。

更に、元・The Birthdayのイマイアキノブさん、元・ブランキー・ジェット・シティの中村達也さんと共に、The Golden Wet Fingersを結成して全国ツアーを開始。

 

 

 

まあ、これは、もともと、映画「赤い季節」のサントラとして制作されたインスト・アルバム(ソロ作品)と、映画の中に登場する架空のバンド、ザ・ゴールデン・ウェット・フィンガーズという役柄としてのバンドだったのですが……

 

チバ&イマイ&中村って最高のミュージシャンが集まれば自然と意気投合しちゃうのは当然で、結局、映画の中の役柄を飛び出して、本当にバンドを結成しちゃったわけです。

この、GWFってバンド。

これまでに4枚のアルバムと1枚のシングル(ライブ会場限定)を発売してますが、ハッキリ言って……

聴くに堪えられない楽曲の数々です。

ライブで演奏するためだけに作った曲。その場のノリで出来上がったような曲。酒飲んでベロンベロンで作ったような曲。

もはや商品として売る気が無い楽曲。

って言うか、当初はライブ会場限定販売のツアー・グッズ的なアルバムでした。

 

グダグダと言う言葉は、このアルバムを指すために作られた言葉だと言われても仕方ないくらい、とにかくグダグダなアルバムです。

 

ただしっ!

※個人の感想です。

この、GWFでの活動を経たことで、これ以降のThe Birthdayのアルバムは「不良オヤジの優等生ロック」感が消え去ったガレージ・ロック・アルバムが増えていくのですが……

 

それはまた次回ということで。

 

The Birthdayとしては、ポップでキャッチーで完成度の高い楽曲が詰まったアルバム「VISION」は、とにかく聴きやすくてカッコいいロック・アルバムなのです。

 

ファースト・スラムダンクでThe Birthdayを知ったという若いファンの皆さんには、入門編としてオススメしたい作品です。

 

興味のある方は、是非、聴いてみて下さいね。