【小説】海辺のカフカ | ぐれむりんの気ままなブログ

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勝手気ままな★備忘録★レビュー

村上春樹さんの小説

海辺のカフカ

を読破したのです。

 

海辺のカフカは、今から20年前の2002年に発刊された、村上春樹さんの10作目の長編小説です。

上・下巻合わせて、約820ページの作品です。

 

今から約10年前、僕が初めて購入した村上春樹さんの作品です。

 

その時は、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上・下)」と合わせて4冊同時に購入したのですが、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読破した後に読み始め、下巻の途中で読むのを断念した作品でした。

 

断念した理由は、単純に仕事が忙しくなってしまったからです。

しばらく、本を読む時間(心の余裕)が持てない日々が続き、それから数年後に「久しぶりに読もうかな」と思ったのですが……

 

熱心な読書家ではない僕の雑な扱い(ポテチ片手に読書など)で、本の側面が茶色く変色してしまっていて、ちょっと読む気になれないまま放置していて、結局、二度とページを開くことはありませんでした。

 

……が、

 

数ヶ月前に電子書籍版を購入し、少しずつ読み進めていたのです。

 

10年以上前に読破断念した作品を電子書籍で買い直す。

 

ナゼに?

 

正直、僕は熱心な読書家ではないし、一度読んだ小説を2度も3度も読み返すタイプの読書好きではありません。

 

でも、この作品は、電子書籍が出たら読みたいと思ってた作品です。

※ただ、僕は読書家ではないため、今までずっと読まずにいた、という、何ともいい加減な状態でした。

 

この作品。

むちゃくちゃ面白いです。

 

10年以上前に文庫本で読んだ時からそう思っていました。

※10年前は結末まで読んでいませんが。

ただし、アンチも多い作品のようです。

 

その理由は、多分、「春樹節」全開の文章表現と過度な性的描写、さらに、暴力的な表現……などでしょうか?

 

僕的には、この3つは特に気にならない部分でした。

 

いや、むしろ、今回、改めて読み返して、20年前の「春樹節」の切れ味のスゴさに驚いたくらいです。

 

ちょっと前に読破した「騎士団長殺し」のアマゾン読者レビューで、「村上春樹の才能は枯渇した」なんてレビューを見かけましたが、確かに、ファンからそういう意見が出るのも頷けるくらい、この作品の春樹節の切れ味はスゴイなって思いました。

 

海外で英語翻訳版が発売され、舞台化も2回行われています。

 

ただ、相変わらず……と言うか、ストーリーは分かり易いけど、そこで表現されている出来事の意味はまるで分からない

そんな内容です。

 

…ってことで。

 

【注意】完全ネタバレストーリー紹介です。

考察とか持論とか一切はさまず、ストーリーを紹介しようと思います。

 

海辺のカフカは、全49章+「カラスと呼ばれる少年(2話)」からなる51編の物語です。

物語は、15歳の田村カフカ君(一人称/現在形)と、60代の知的障害者のナカタさん(三人称/過去形)の物語が、交互に1章ごと語られるスタイルで進行していきます。

 

一見、まるで接点の無い少年と老人の物語が、ある時点から関係性を持ち始め、終盤に向かうにつれて深く交わっていくストーリー展開は、読んでいてワクワク・ドキドキ・ハラハラが止まりません。

 

ってことで、ストーリー紹介です。

 

本当は、各「章」毎に交互に紹介したいトコロなのですが、僕の拙い文章ではそれは不可能だろうし、そもそも、そこで描かれている「内容」が何を意味しているのかよく分からないモノも多いので、主要な部分をダイジェストで紹介したいと思います。

 

ただし、作中で起きる「意味不明な出来事」や「奇怪な出来事」は、そもそも作中でも「なぜそれが起きたのか?」は語られていないし、その結果「どうなったのか?」も語られていない部分が多い※僕の理解が及ばないので、意味不明なストーリー紹介になっちゃうかもしれません。

 

ちなみに……

読破までに1ヶ月以上かかっているため、ストーリー展開が曖昧になってしまっている部分があるため、内容が間違っていた場合は、「やれやれ」と頭を振り、「まったくもってやれやれだ」と嘆いてやって下さい。

 

 

田村カフカ君は、15歳の誕生日に東京都中野区の実家から家出をします。彼は「脳内トモダチ」のカラスと呼ばれる少年から助言を受けます。

君は世界でいちばんタフな15歳の少年にならなくちゃいけない。

家を出て、暖かい場所(四国の高松)に向かったカフカ君は、夜行バスの中でさくらという名の女性美容師と知り合いになります。

 

 

一方、ナカタさんの物語は、第二次世界大戦中の軍の機密文書の内容から始まります。

戦時中、疎開先の小学生が課外授業で山へ行き、そこで児童全員が意識不明の昏睡状態になるという事件が起きました。

児童のほとんどはスグに目を覚ましますが、ただ一人、ナカタ君だけが目を覚まさず、その後、3日間昏睡状態のままだったそうです。

 

 

四国の高松へやってきた田村カフカ君は、ビジネス・ホテルで寝泊まりし、近くのスポーツジムと甲村記念図書館に通う数日間を過ごします。甲村図書館では、爽やかイケメンの司書大島さんと、50代の美人館長佐伯さんと出会います。

 

そして、すぐに事件が起きてしまいます。

 

図書館からの帰り道……

公園の茂みの中で目を覚ましたカフカ君は、自分の手と服が血で真っ赤に染まっていることに気が付きます。

でも、記憶が無い?

パニックになったカフカ君は、四国で唯一の知り合いさくらに電話をかけて助けを求めます。

そして一晩、さくらのアパートに泊めてもらいことになります。

 

翌朝、甲村図書館へ行ったカフカ君は、大島さんに事情を聞かれ(様子が変だと気が付かれたようです)自分の置かれている状況を打ち明けます。大島さんは「僕にまかせて」と言い、カフカ君を山奥のロッジ(山小屋)※大島家のロッジに連れて行きます。

 

どうやらカフカ君は家庭の事情が複雑で、幼少の頃に両親が離婚し、母は自分を捨て、姉を連れて出て行ったそうです。

不思議なのは、戸籍に母と姉の名前が無いことです。※未婚の妻?

そして、幼少時から父親に「お前はその手で父親を殺し、母と姉を犯すだろう」という呪い(の言葉)をかけられたそうです。

 

大島さんは、カフカ君に数日間このロッジで過ごすよう言って帰ってしまいます。注意事項は、森の奥に入らないこと

この森は、第二次世界大戦中に陸軍の部隊が訓練で使用し、ふたりの兵隊が行方不明になって戻って来れなかったくらい深い森なのだそうです。迷ったら出て来れないそうです。

 

 

知的障害のある60代のナカタさんは、東京都中野区で生活保護を受けながら、「猫と会話ができる」特技を活かし、猫探しで得た収入で細々と暮らす老人です。

今は、三毛猫の子猫「ゴマちゃん」を探しています。

 

近所の猫から、空き地でゴマちゃんを見たという情報を得たナカタさんは、そこでゴマちゃんが来るのを待つことにします。

でも、そこは「猫さらい」が現れると噂の空き地でした。

 

空き地を見張るナカタさんの前に、一匹の黒い犬がやってきます。

そして、「ついて来い」とでも言うように、ナカタさんをある一軒の家に案内します。

そこは「猫殺し」のジョニー・ウォーカーの家でした。

 

ジョニー・ウォーカーは「猫の魂で特殊な笛を作っている」ことをナカタさんに説明し、目の前で、ナカタさんの友人の猫の首を切断してしまいます。そして、ゴマちゃんも掴まっています。

 

ジョニー・ウォーカーはナカタさんに「私を殺してほしい」とお願いします。ナカタさんは、猫を助けるため、ジョニー・ウォーカーをナイフで刺殺してしまいます。

 

ナカタさんはゴマちゃんを飼い主の下へ返した後、交番に自首しますが、警官はナカタさんの姿(返り血が付いていない)を見て、頭の変な老人の戯言だと相手にしてくれません。

 

ナカタさんは「明日は空から魚が降ってくる」と警官に告げ、その場を立ち去ります。

 

翌日、「空から魚が降ってくる」奇妙な事件が発生し、東京都中野区の一軒家で、著名な彫刻家の「田村浩一氏の刺殺死体」が発見されました。※ジョニー・ウォーカーの格好ではないようです。

 

その頃ナカタさんは、ヒッチハイクで「西」へ向かっていました。

ナカタさんは、猫と会話する力を失ってしまいました。

 

 

大島さんの計らいで甲村記念図書館の貴賓室で寝泊まりすることになったカフカ君は、この図書館は元々は甲村家の別宅で、佐伯さんは幼少の頃から甲村家の長男と愛しあっていたことを聞かされます。

 

佐伯さんは20歳の頃、彼の事を歌った「海辺のカフカ」でレコード・デビューをしていましたが、彼が学生運動に巻き込まれて死亡したことで人生に絶望し、行方不明になってしまいます。そして、数年前に四国へ戻ってきて図書館の館長になったそうです。

 

カフカ君は大島さんに頼み、佐伯さんの歌う「海辺のカフカ」のレコードを手に入れます。そして貴賓室の部屋にかかった風景画のタイトルが「海辺のカフカ」だと気が付きます。

 

そしてその夜、カフカ君は部屋の中で「15歳の美しい少女の幽霊」を目撃します。それは、15歳の佐伯さんでした。カフカ君は、15歳の美しい少女の佐伯さんの幽霊に恋をしてしまいます

 

 

西へ向かうナカタさんは、高速道路のサービス・エリアで、20代の長距離トラックのドライバー「ホシノさん」と出会います。

 

ナカタさんはこのサービス・エリアで、「空からヒルを降らせる」現象を起こしています。

 

ホシノさんは、ナカタさんに祖父の面影を見て、彼をトラックで「西」に連れていくことにします。行き先は不明です。行けば分かるそうです。

 

ナカタさんと「西」へ向かったホシノさんは、トラックの仕事を終えた後、しばらく仕事を休むことを会社に告げ、ナカタさんと一緒に行動することにしました。

向かった先は「四国」でした。

ナカタさんはそこで「入口の石」を探すそうです。

 

その頃、東京都中野区で起きた彫刻家刺殺事件で、警察は行方不明の15歳のひとり息子の行方を探しているというニュースが入ってきます。

 

四国へついたナカタさんとホシノさんは安い旅館に泊まり、ナカタさんはそこで3日間、深い眠りに入ってしまいます。

「入口の石」捜しをするホシノさんは、夜の繁華街で謎の人物カーネル・サンダーズに声をかけられます。

 

カーネル・サンダーズ「入口の石」の場所を知っているそうで、でもそれを教える前に、自分が紹介する美人娼婦とナメナメ・イレイレするようホシノさんに言って、人通りの少ない寂しい神社の境内に連れて行きます。

 

カーネル・サンダーズの言動を怪しむホシノさんでしたが、やってきた超・美人娼婦(バイトの女子大生)の超絶テクニックをラブ・ホテルで体験し、さらに、神社の境内で「入口の石」を手に入れるという、超・ラッキーな展開が待っていました。※村上作品お馴染みの無駄なエロ?

 

注意っ!

ここから先は物語の結末に関する内容が書かれています。

もし、作品を未読の方や、読んでみようかな~って思っている方は、「海辺のカフカ」を読んでから、先に進んで下さいね。

 

 

15歳の佐伯さんに恋をしたカフカ君は、その後、ある切っ掛けで、大島さんが実は女性で、性同一性障害を持っており、「生物学的には女性だけど心は男性で、でも恋愛対象は男性」という特別な「秘密」を持っていることを(本人から)聞かされます。

 

更に、現実の佐伯さんの中に15歳の佐伯さんの面影を見たカフカ君は、現実の佐伯さんにも恋をしてしまい、更には「あなたは僕の母親ではないか?」と佐伯さんに質問します。

佐伯さんの答えは、それは仮定…だそうです。

 

その後、カフカ君と佐伯さんは、男女の関係になってしまいます。

 

それを危惧する大島さん。

そして、甲村図書館に警察官がやってきます。

15歳の家出少年の行方を探しているそうです。警察は田村カフカ君(偽名)が四国にいることを突き止めているようです。

 

大島さんはカフカ君を再び山奥のロッジでかくまうことにしました。

その道中で大島さんは告げます。

 

君と佐伯さんが肉体関係を持つのは自由だけど、佐伯さんは死ぬ場所を探して四国へ戻ってきたふしがあり、カフカ君は佐伯さんの死の切っ掛けになるような気がする。僕はそれを心配している……みたいな話。※うろ覚えでゴメンナサイ。

 

そして、ロッジに着いたカフカ君は、その夜、さくらのアパートに泊まり、彼女を強姦する夢を見ます……。

 

父親を殺し、母と姉を犯す

 

その呪いからは逃れられない?

 

 

目を覚ましたナカタさんは、ホシノさんが持って来た「入口の石」と会話を始めます。でもなかなか会話ができません。

そんなホシノさんに、カーネル・サンダーズから「今すぐに宿を引き払って自分が指定するアパートへ身を隠せ」と連絡が入ります。

 

ホシノさんは初めて、ナカタさんが殺人事件の重要参考人だということを知りました。

警察がナカタさんの行方を探しているようです。

 

カーネル・サンダーズの指示に従ったホシノさんは、ナカタさんの言う「ある場所」を探し始めます。

相変わらず、そこがドコなのかは分かりません。

行けば分かるそうです。

 

辿り着いたのは、甲村記念図書館でした。

 

図書館で佐伯さんを見かけたナカタさんは、彼女の執務室に行き「入口の石」の話をします。

その話を聞いた佐伯さんは、図書館に戻って以来すっと書き続けていた「過去の記憶」を燃やして欲しいとナカタさんに頼み、原稿を渡します。

 

そして、その日の夕方、佐伯さんが図書館の執務室で穏やかな微笑を浮かべて亡くなっているのを大島さんが発見します。

 

死因は心臓麻痺だったそうです。

 

ナカタさんとホシノさんは、佐伯さんに託された原稿を河原で跡形も無く焼いてしまいます。

全て焼き終わると、ナカタさんを睡魔が襲ってきます。

ふたりは大急ぎでアパートに戻ります。

 

「後は、入り口を閉じるだけ」

 

翌朝、ナカタさんは眠ったまま亡くなっていました。

 

ホシノさんは途方に暮れてしまいます。

そして、ナカタさんがやっていたように、物言わぬ石に語り掛け続けます。石はまだ「入口の石」にはなっていません。ただの石です。

 

そして、ホシノさんは何気なくベランダの外に居た黒猫に話しかけます。黒猫は「やあ、ホシノちゃん」と返事をかえしてきました。

 

 

カフカ君は、大島さんの注意を破り、森の奥深くへと入っていきます。

そしてそこで、ふたりの日本兵に遭遇します。

彼らは、カフカ君に「一緒に来るか?」と尋ね、カフカ君はそれに同意します。

 

今は「入口が開いている」そうです。

 

カフカ君が日本兵に案内されたのは森の奥にある小さな集落でした。

 

カフカ君はそこで、15歳の佐伯さんに出会います。

15歳の佐伯さんは幽霊ではなく、手を伸ばせば触れることができる、生身の15歳の佐伯さんでした。

 

15歳の佐伯さんは、カフカ君の身の回りの世話をしてくれます。

カフカ君はこのままココで暮らすつもりのようです。

 

 

黒猫はホシノさんに、「今夜、誰かがやって来るから、ホシノちゃんはそいつを完全に殺さなければいけない。それで全てが終わる」と助言をくれます。その誰かは不明だけど、見ればひと目で分かるそうです。

 

そして深夜。

ウリのような形で大柄な男の腕くらいの太さがある白い何かがナカタさんの口から這い出てきます。

 

ホシノさんは包丁や金づちでソレを殺そうとしますが、どんなに切っても殴ってもソレは死にそうにありません……

ソレは「入口の石」を目指して這い進んでいきます。

 

 

翌朝、カフカ君の前に、佐伯さん(50代)がやってきます。

佐伯さんはカフカ君に、この場所を出て元の居場所に帰るように言います。帰る場所なんて無いとごねるカフカ君に、自分は過去の記憶の全てを燃やしてしまい何もかも忘れてしまうけど、あなたは現実の世界で私のことを覚えていてほしいと告げます。

「あなたさえ覚えていてくれたら、ほかのすべての人に忘れられてもかまわない」

 

佐伯さんは、「海辺のカフカ(油絵)」のモデルはアナタで、あの時、あなたはあの場所にいたとカフカ君に伝えます。

 

カフカ君は佐伯さんの説得に応じ、森を出て行くことにします。

 

「まだ、入口は開いている」そうです。

 

 

ホシノさんは、ソレが入れないように、「入口の石」を閉じることにします。石を閉じると、ソレは急速に力を失くし、ホシノさんは包丁でソレを切り刻んで殺します。

そしてソレを河原で焼き、そのまま四国を離れ、元の生活に戻ることにします。

ナカタさんの件は、駅から警察に匿名で電話をかけるそうです。

 

ホシノさんは、この数日間ナカタさんの生き方を見て、大きな影響を受け成長したそうです。

今後、何かあるたびに「こんな時ナカタさんならどう行動するか」をいつも考えるだろうと言ってます。

 

 

ロッジに戻ったカフカ君を、大島さんのお兄さん(サーファーショップのオーナー)がクルマで迎えに来ます。

急ぎの要件で、カフカ君に図書館に戻ってきてほしいそうです。

 

その道中、カフカ君は森の奥に入ったことをお兄さんに打ち明けます。

お兄さんから返ってきた言葉は「兵隊には会ったかい?」でした。

 

お兄さんも以前、森の奥で兵隊に会ったそうですが「そのことについては誰にも語る気は無いし、当然、君にも語らない」そうです。

それはカフカ君も同じだろと言われます。

 

甲村図書館に戻ったカフカ君は、佐伯さんが亡くなったことを大島さんから知らされます。カフカ君は大島さんに、一先ず東京に戻り、今までの経緯を警察に説明し、その後、中学校を卒業したらまたココへ戻ってきてもよいかと尋ねます。

お兄さんにサーフィンを教えてもらう約束もしたそうです。

 

大島さんはいつものように微笑んで「もちろん」と答えてくれます。

 

カフカ君は、佐伯さんの遺言で「海辺のカフカ」の油絵を貰いました。

 

カフカ君はバスに乗る前にさくらに電話し、この前、さくらの夢を見たと伝えます。「それって、えっちな夢だった?」とさくらは聞きかえします。

「うん」と答えるカフカ君に対し、「わたしもカフカ君の夢を見た。でもそれはえっちな夢じゃなかったよ」とさくらは言います。

 

そして、「また電話してきてね」とカフカ君に伝えます。

 

夜行バスの中で、カラスと呼ばれる少年が言います。

 

「君はいちばん正しいことをした。だって君はほんものの世界でいちばんタフな15歳の少年なんだから」

 

そして目覚めたとき、君は新しい世界の一部になっている。

 

 

 

……で?

その後はどうなったの?

作品の中では何も語られません。

 

ナカタさんが何者で、ジョニー・ウォーカーが何者で、カーネル・サンダーズが何者で、森の奥の世界が何で、入口の石が何で、白い生物が何だったのか、一切の説明がありません。

 

佐伯さんは母親だったのか、さくらはお姉さんだったのか、何も語られていません。それはもう、分かってるよねって言われただけです。

 

カラスと呼ばれる少年の正体も謎のままです。

 

大島さんは最後に言いました。

この世界はメタファーであふれているけど、この図書館だけはメタファーではないそうです。

 

僕は考えました。

大島さん何を言ってるんですか?

 

相変わらずの、村上春樹ワールドです。

もしこれが、浦沢直樹さんの漫画だったら、読者からは……

結論丸投げ!

伏線回収放棄!

途中までは傑作!

と、袋叩きに合っていそうな内容です。

※決して「20世●少年」のことではありません。

 

文学小説では、作中には一切の無駄な文章が無く、全ての答えがその中に示されている……なんてことが言われます。

 

サッパリ分かりません。

 

読書家ではない僕には何が何だかサッパリ分かりません。

 

ただ、読み終わった後で思ったのは

むちゃくちゃ面白かったっ!

それだけです。

 

…ってことで、今年2作目の村上春樹作品を読破したお話でした。

 

正直、途中から書いてる内容が支離滅裂になってしまった気もしますが、興味のある方は読んでみて下さいね。