この哲学カフェでは

ことわざについて

問うていくことを

しばらく続けたいと

考えています。

 

以前にも書いたことがありますが、

最近、小林秀雄の講演をおさめたCD

をよく聴きます。

 

正宗白鳥を話題にした講演で

小林秀雄は

・正宗白鳥がよくことわざを使って

文章を書いていたこと、

・俚諺とも呼ぶように、

学者の知識と違って

ことわざは民衆に継承されてきた知恵

であること、

・ことわざを知らずに

批評などできないこと、

を語っていました。

 

私はあまり

ことわざを尊重したことが

ありませんでしたので、

ことわざのすばらしさ

を実感したいと考え、

しばらく

ことわざを問うていくこと

にしたのです。

 

こんな関心に

お付き合いしていただける方には

話しあいに

ぜひご参加願いたいと思います。

 

 

次回の問いは

標題のとおり

「「事実は小説よりも奇なり」

と感じた経験はありますか?」

です。

 

『ことわざを知る辞典』(小学館)

によりますと

「現実に起こる出来事のなかには、

巧みに作られた小説よりも

奇妙で不可思議なことがある」

と、このことわざが紹介されています。

※ちなみに厳密には

「語られることがあれば」

という但し書きが原典にはあった

ようです。

 

私には

小説や映画などで描かれるできごと

よりも奇妙で不可思議なできごと

を経験した記憶がありません。

 

ですから、

このことわざに対して

実感がわきません。

 

でも、きっとそれは

私だけのことではないか

とも思います。

 

そこで、ぜひ

「事実は小説よりも奇なり」

と感じた経験を語ってもらおうと思い、

このテーマにしました。

 

「語られることがあれば、

事実は小説よりも奇なり」

なのですから、

「語られること」は

このことわざにとって

とても大切です。

 

語られたお話を伺うことで、

私にも思い当たるふしが

見つかればいいなぁ

とも考えています。

 

 

 

 

本日2023年6月18日、10:00~11:30、

第77回の哲学カフェin夙川を

開催しました。

 

すごく蒸す日にもかかわらず、

11名の方にご参加いただけました。

 

今日の問いは

「敵は己にあり」と

実感したことはありますか?

でした。

 

この問いをテーマにするなら、

「敵」とは何か、

「敵」とどのような関係をもつのか、

の2つの問いを問わずにはいられない

と考えていました。

 

「敵」をどのようなものと考えるかによって、

その「敵」との関わり方も変わってくるはずですから、

これら2つの問いは切り離せません。

 

「敵は己にあり」を実感したことがある

という方のお話しには

自分の中の「敵」として、

「なまけ心」

「サボり心」

「弱い自分」

「打ち勝つべきもの」

「欲望」

などのことばが出てきました。

※「成功した自分」が

「自分の中の敵」という回答も

ありました。

 

つまり

「強い自分」

「なまけない自分」

「サボらない、まじめな自分」

「打ち勝つ自分」

であるべきだ

という義務感のようなもの

があって、

そのような自分が自分を見て

「弱い自分」などを自分の中に見いだし、

そんな自分を「敵」とみなす

という構造があるわけです。

 

だから

「勝たないといけない」など

「自分は〇〇でないといけない」

と強く思う人ほど、

あるいは

自分を勝者のように

周囲に見てほしがる人ほど、

自分の中に「敵」を見いだすわけです。

※こういう人は、

自分の外にも「敵」をたくさん見いだします。

 

ですから、

話題は「勝つことにこだわる意味は何か?」

「勝ち負けを誰が決めるのか?」

「勝ち負けにこだわるのは、

スポーツの世界などは別として、

つまんないんじゃないか?」

などの問いへと移っていきました。

 

※後記

そういえば、

もしタイガースの選手をジャイアンツに異動させ、

ジャイアンツの選手をタイガースに異動させたら、

憎くき「敵」であるジャイアンツの選手だった人たちからなる

この新しいタイガースを

タイガースファンは応援するのだろうか?

という問いかけがありました。

この問いについての話しあいはできませんでしたが、

おもしろい問いだと思います。

 

 

 

また「自分の中の敵」

と聞くと、

ガンなどの重い病気を連想する人

もいるだろうと想像していましたが、

まさしくそれを話題に挙げてくださる方も

いらっしゃいました。

 

そして

じっさいにガンを患い、

切除手術を受けた方が

ご自分の考えを話してくださいました。

 

その方は

「ガンを敵と思ったことはない。

まだしばらく生きていたいから、

自分の中のガンに、

もうしばらくおとなしくしててね

などと語りかけながら、

現在まで生活してる」

そうです。

 

勝負ごとに関わるものを除けば、

「敵は己にあり」という考えは

それほど重要とは思えないように

感じました。

 

人生そのものを

勝負ごととみなす方は

別でしょうが。

 

次回は

2023年7月16日(日)

10:00~11:30、

いつもの「洋麵亭 さんれも」にて

開催予定です。

※8月は開催しません。

 

次回の問いは未定です。

 

できるだけ早めに

お知らせするようにします。