猫の糖尿病 血糖値測定器「アルファトラック2」 | ふぁんふぁんのしっぽ ~猫の腎臓病・糖尿病 ブログ~

猫の糖尿病 血糖値測定器「アルファトラック2」

猫の糖尿病治療において自宅で使用する動物専用血糖測定器「アルファトラック2」について。

 

最近、しばらくぶりにブログを再開しましたが、実はどう書いたらいいのか分からず悪戦苦闘。

しばらくはぎこちない文章&内容ですが、お許しくださいませ。

 

 

それでは早速本題に。 (今回も長文です。)

自宅で使える動物専用の血糖値測定器「アルファトラック2」について。→メーカーサイト

 

 

この機器が発売されるまで、猫の糖尿病治療ではヒト用の血糖値測定器を使用していたようですが、

誤差が大きいのが難点だったようです。

 

ヒト用に「フリースタイル フリーダムライト」という、見た目の色のみが違う機器がありますが、

製造元は同じ海外の会社で日本の販売代理店のみが違います。

 

機器内部の設定が違うようなので計測値に大きく差がありますが、

「アルファトラック2」が販売されるまで「フリースタイル」を使用されている方が多かったようです。

 

「アルファトラック2」ではほとんど誤差が気にならず信頼できる数値が測定できます。 

計測状況などにより誤差が出る場合が多々あります。
血玉の大きさやタイミング、血玉の作り方、血糖値の高低など様々です。
血糖値が低い場合は比較的誤差は小さいですが、高い場合は誤差が50以上出ます。
全く誤差が出ないという方もいますので、詳細は不明です。
ただし、実際の血糖値より低く表示されますのである程度安心出来ます。
最初に使う時、動物病院で同じ血液を使って比較して誤差を確認して使い始めて下さい。

2020-09-29の記事、『猫の腎臓病と糖尿病 相談あれこれと機器の誤差』にも少し書いています。
(2020-11-24修正)

海外ではもっと以前から市販されていたようですが、日本では2014年に発売されました。

 

 

しかし、添付の説明書がかなり不親切で肝心なことが記載されていません。

なので、ちょっと細かく説明します。

 

まず、測定の前に必要なモノを準備。

 

 

 血糖値測定器「アルファトラック2」・・・本体です。

 コントロール溶液・・・動作チェックに必要な液体。

 テストストリップス・・・毎回取り替えるセンサーです。(1箱50本)

 採血用穿刺針・・・僕は人間用のメディセーフ針を使ってます。 ・・・ (注1)

 その他・・・カット綿、消毒液、小型のLEDペンライト。

 

上記が測定に必要なモノですが、の穿刺針はちょっとした工夫が必要です。

 

(注1)

これは人用の穿刺ペン“メディセーフタッチ”の先端に付ける取替え用の針ですので、

ペンが無い状態ではオレンジのキャップを外しても“針”が出ていない状態です。
本体の「ファインタッチⅡ」に取り付けて使って下さい。
針の出る長さを決める本体ダイヤルは一番小さくでOKです。

 

 

*今はメディセーフタッチを使ってます。痛がりません!嫌がりません!

 


取り換え用の針は毎回交換します。

 

オレンジのキャップを取り外し、先端を軽く耳に当ててボタンを押します。
針の出る長さは調整できるので、一番短くしておけば貫通せず痛がりません。

 

それではいよいよ測定です! (慣れるまで結構緊張します!)

尚、機器の日時設定などは説明書に載ってますのでそちらを参照してくださいね。

 

準備、初めて使うとき

 

アルファトラック2を初めて使う時や正常に動作しているかどうか確認したい時、

②のコントロール溶液で動作チェックをします。

 

 

手順は説明書に書いてますが、1つ注意点があります。

テストストリップスの血液吸入部にコントロール溶液を触れさせた際、 ・・・ (注2)

数値が表示されるまで離さずそのまま触れさせておくようにして下さい。

 

コントロール溶液や血液が十分であればスグに離しても問題ないですが、

量が少なすぎた場合、たまにエラーが出ることもあります。







 

(注2)

コントロール溶液や血液を触れさせる部分はテストストリップスの先端ではなく、

両サイドの小さな突起の片側どちらかです。

 

 

1、採血部分の消毒と、測定器の準備。

 

耳の縁周りから1~2mm程度の範囲をカット綿に染み込ませた消毒液で拭きます。

消毒液が耳に残らないよう、乾いたカット綿でさらに拭きます。

(耳が濡れた状態で針を刺すと、血玉にならず滲んでしまいます。)

 

測定器の先端にテストストリップスを差し込みますが、最後まで差し込まずにおいて置きます。

完全に差し込むと電源が入り、時間が経過(2分)すると表示が消えて焦りますので。

(消えても未使用のテストストリップスなら挿し直せば復活します。)

 

2、採血部分を確認する。

 

LEDペンライトやスマホのライトで血管を確認します。

 

 

耳の縁周りから2mm程度のところに血管が通っていますが、

その血管を直接刺すのではなく、血管と縁との間を刺します。 ← ココ重要です!

 

3、いざ採血!

 

ちょこっとだけ刺しますが、実はコレが一番の難関です!

 

注射器で吸い取るのではなく、皮膚を針で少し刺して2mm程度の血玉を作ります。

耳の内側にカット綿をあてておき、耳の外側を刺した方がやり易いです。

 

 

ファインタッチⅡを使えば貫通せず痛がりません。
刺した後の血玉が小さい場合、両サイドを軽く揉むようにすれば出てきます。

(指先でニギニギしすぎると組織液が血に混ざるので正確な値にならないそうです。)

 

4、血糖値を測定!

 

テストストリップスを本体に押し込みます。

 

電源が入り測定コードを入力する画面になりますので、

テストストリップスの容器にかいてある番号(猫用)を入力し、測定可能画面になればOKです。

 

測定コード番号の入力は、始めて箱を開けて1本目を使用する時だけ入力します。

以後、その番号が表示され続けますが、新しい箱を開けた時には注意が必要です。

 

番号は箱ごとに違いますので、50本使い終わって新しい箱を使う時は再入力が必要な場合もあります。
(ただし、再入力を忘れて違う番号で測定しても、実際には問題なかったです。)

 

 

測定器先端に取り付けたテストストリップスに、出来た血玉を触れさせます。

(先端ではなく、両サイドにある黒い突起のどちらかに血を付けます。)

 

 

測定器に血糖値が表示されるまで血玉に触れさせたままにしておきます。 (5秒程度)

(ストリップスでちゃんと血が吸えた場合は一瞬でOK!)
イヤがって首を振ったりしますので、動かないように押さえておいてくださいね。

 

5、メモ&止血

 

表示された血糖値をメモしておきますが、測定した時間も忘れずに。

時間が経過すると機器の電源が自動でOFFになり表示が消えます。
(消えても後から再表示させることは出来ます。)

 

止血はカット綿を使って指先で挟み込んで優しく圧迫すればOKです。 (10~15秒程度)

内部に出来た血の滲みは数日で消えますのでご安心を^^

 

以上で測定完了です!

いかがでしょうか?

 

上記で測定した値は機器内部に保存され、7日間・14日間・30日間の平均値を見る事が出来ます。

(フルクトサミンのような数値ではなく、あくまでも機器で測定した値のみの平均値です。)

 

 

実は最初に受診した動物病院ではこの測定器の存在を知りませんでしたので、

発注だけお願いし、機器の使用方法や採血の仕方などは自分で調べてやりました。

 

完全に“自己流”ですが、ほぼ間違いのない使用方法と手順だと思います。

血糖値測定器のメリットは多々ありますが、一番は低血糖対策でしょうか。

 

あと、半日入院などせずに血糖曲線を調べることが出来るので、

入院によるストレスのない、より現実的な状況を把握できると思います。

 

インスリンコントロールが比較的容易な子は問題ないですが、

オロゴンのようにコントロールの難しい子には必需品ですね。

 

 

ただし、毎日同じ体調とは限らないので、数値に振り回されないように心がけています。

とはいえ、数値に一喜一憂する日々なんですけどね。

 

この測定器を使う上での難点は、猫様がある程度大人しくしてくれるかどうかです。

抵抗せずに採血させてくれるかどうかがポイントですが・・・チャレンジしてみて下さい^^

 

まず機器を買う前に、耳から採血出来るかどうか試してから購入してくださいね。

ちなみにオロゴンは無抵抗で我慢してくれているので有難いです。

 

でわでわ!気づいた事があれば追記していきます。

* 数日間、いくつかの過去記事を更新しますので無視してくださいね。