マリオット・コオリナ滞在では、過去にも二度ほど経験していた事ですが、今回は三度目の何とかで、朝っぱらエマージェンシー緊急警報が発令されてしまったのです。
いやはや、驚いた人は多いでしょうけれど、私の場合は 『またか? ひょっとして、今回も日本人か? 訳が分からんけれど、どうせまたキッチントラブルだろ? まったくもう…。』 といった感覚でした。
この日は、無理やり早起きさせられてしまったのです。
朝の6時過ぎくらいだったと思います。
いきなり滞在棟全体に緊急警報のサイレンが鳴り響き、落ち着いて外へ退避するようにとの録音指令が放送されています。
当然の事ながら、エマージェンシーサイレンが煩くて、寝てなんかいられません。
窓の外景色に、白々と明け行く空と朝の海が見えました。
実のところは、私は『またか? どうせ何処かの部屋の誰かさんがキッチンで煙を上げただけだろ?』…といった、安易な感覚でしかなかったのです。
しかしながら、幼児を抱えた息子夫婦と、心配症の桃レンジャーは、渋る私を叱咤しながら、とにかく指令通りに緊急避難しようと言い、皆で非常階段を下りて外へ脱出する事にしました。
こういう時には、高層階の10階という部屋に入っている分だけ難儀します。
外のプールガーデンには、もうすでに相当数の滞在客が避難していました。
でもしかし、もしも本当にビル火災だったら、こんなに建物の近くでのんびりと座って居られるはずもありませんね。
ほとんどの人は疑心暗鬼のままに、とりあえずは指示通りに避難しようといった程度の感覚だったと思います。
プールガーデンが混雑していたので、私たちはビーチまで下りて来ました。
朝焼けの空がほんわりと綺麗に輝いていて、朝のそよ風も気持ちが良いくらいの環境だったので、孫たちもそれほど不安になっている様子はありません。
とにかく、この時点では大事には至らないような情報も入ったので、一応の待機として、次の指示を待っていたのです。
それにしても、実のところは全員がパジャマ姿のままだってのに、ちょっと笑えますね。
結局は、原因のはっきりしないままに、40分間くらいの待機後に安全確保確認の放送が流され、滞在客には再び部屋に戻る事が許可されました。
その待機時間中には消防車が駆けつけていて、ファイヤーマンが館内に入って安全確認作業をしていたようです。
私は比較的呑気な気分でしたが、実際には大事で、事態は簡単には収まらなかったのですよ。
そして、その後の館内再入場ですが、これが長蛇の列となってしまったのですねぇ。
そりゃね、いくらエレベーターが四基設置されていたとて、この人数が一気に全員で押し掛けるのですから、それぞれが自分の部屋に戻るまでには時間がかかるでしょうなぁ。
そこで私たちは、緊急避難時に下りて来た非常階段を上がって、自室に戻る事にしました。
もはや、早朝エクササイズといった覚悟ですよ。
エレベーターを使わずに、非常階段を10階まで上って来ました。
ハッキリ言って、私は息が途絶えました。 体力全滅です。
それでも何とか、無事に全員が部屋に戻り着いて、朝食をとる事にしました。
でも、私はヘトヘトで、朝飯なんか食えやしません。
この人たちの食欲は、ヤバいと思います...。
孫も朝からチーズケーキファクトリーのケーキだなんて、これはもうシュガーラッシュに歯止めが効かなくなりそうですねぇ。
それにしても、今回のエマージェンシー発令の原因についてですが、私が予想するには、やはりキッチントラブルだと思います。
よくあるのが、換気扇のスイッチを入れずに鍋やフライパンを使って電磁加熱調理して、煙を上げたり、異常加熱で天井の検知器を作動させてしまう事例です。
天井の火災検知器は、異常を検知すると消火水が放出される場合もあり、そうなると自動的に管内全体へ緊急エマージェンシーが発令される事になるのです。
それはけっして、炎が出たという場合だけに限った事ではありません。
そういった誤認トラブルが起きないようにするには、キッチンでの調理時に、いつでも換気扇を回す事が肝心なのですが、これがアメリカのキッチンシステムを知らない日本人の場合は、何処に換気扇のスイッチが有るのか分からないといったケースが多いようです。
はい! 此処です。
キッチンの換気扇のスイッチは、マイクロウェーブ調理器(電子レンジ)の調理スイッチと同列の範囲で、『Vent Fan.』 という名称の場所をプッシュすると作動するのです。
そのスイッチは、プッシュする毎に三段階ほどの強度で吸引風力が変化し、最終的にはOFFとなります。
すでにご存じの方も居られるでしょうけれど、このキッチン換気システムについては、マリオットのキッチンもヒルトンのキッチンも同様で、その他一般家庭においても、アメリカのホームキッチンではほとんどがこのようなスタイルになっています。
とにかく、アメリカでキッチン調理する場合には、ディスポーザーの使い方と、ベントファン(換気扇)の使い方をしっかり覚えておくことが肝心だと思います。
アメリカのキッチンでは、炎や煙を上げるという事以外にも、お鍋で煮物調理して高熱の湯気を上げた場合にも熱検知器が作動したりしますから、いずれの場合にもとにかく換気扇を回しながら調理する事を忘れない事が重要です。
この記事内容が、もしもご参考になりましたら幸いに存じます。
はてさて、朝っぱらから非常事態で叩き起こされた私と孫は、おそらくは同程度の体力だったらしく、安全が確認されたとなれば、再び朝の二度寝に入ってしまいました。
ソファーベッドでもアメリカンサイズですから、爺孫三人で寝ても大丈夫。
もう完全に、オヤスミナサイの熟睡です。
朝の二度寝って、最高に気持ちが良いのですよね...。
二人共、ハワイの夢を見てるかなぁ...。
ベランダから見える景色は、白々と明け行く空の第3ラグーン。
さっきまで、緊急退避で混雑していたビーチにも、すでに人の気配は在りません。
そしてそれから小1時間ほど経ってから、孫2号のお目覚めです。
平穏な今日の一日が、やっと始まりますよ。。。